第267話 新しい宇宙 タキノとルカ③
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇新たな宇宙 タキノとルカ 森を抜けた平原
「? いるな」
「居るわね」
とタキノとルカは前方を見つめる。
「近くに魔物がいない原因だな」
とタキノは楽しそうに言いルカは
「結構、魔力が大きいわね」
と警戒する。タキノとルカは緩やかな丘を登ると降った先を見る。
「アレか」
「アレね」
と見つめた先には赤い三〇m程のドラゴンが寝ている。ドラゴンもタキノとルカに気付いたのか目を開けて首をもたげる。
「やるか」
「止めてもやるんでしょ」
とタキノとルカは言い合いながら丘をゆっくりと降っていく。
「いくか」
とタキノは抜剣して剣に魔力を込める。
「こっちも用意は良いわ」
とルカも結界を用意する。それを聞いたタキノは小走りから徐々に速度を上げてドラゴンに接近する。そこにドラゴンは危機を感じたのか体を起こして咆哮してタキノの動きを牽制しようとするも、そんなの効かぬとタキノは疾駆する。
『待て待て待て』
とドラゴンは焦ったようにタキノに話しかける。
「あっ?」
とタキノは歩を緩めて首を傾げるとそこにルカが身体強化をして追いついてくる。
『人間、我は人間と争うつもりは無い』
とドラゴンは冷や汗を垂らしながら言いルカが
「ドラゴンさんは争うつもりが無いと?」
聞くと
『そうだ』
とドラゴンは答える。それを聞いたタキノは
「チッ」
舌打ちをすると剣を収める。
『お主らはここで何をしておる? ここは人族の里から遠く離れた地ぞ』
「かなり距離はあるのかしら?」
『そうさのう、人族の足で二週間かかるかの』
とドラゴンは人族の里がある方向と思われる方向を見る。それを聞いたタキノはうんざりした顔してルカはニヤリと笑う。
「ドラゴンさん」
『何じゃ?』
「私たちを人族の里まで送ってくれな良いかしら?」
『我の背に乗ってか?』
「そうよ」
それを聞いたドラゴンは少し考えて
『良かろう』
と言うと背を屈んでタキノとルカが昇りやすくする。
『では行くぞ』
とドラゴンは羽ばたくと宙を舞う。
「お前すごいな」
とタキノはルカを見ないで言うと
「使えるものは使わないとね」
と胸を張るが、
「胸はねえぞ」
とタキノは半笑いで言うと
ガン!
とフライパンの音が響き
「痛え!」
とタキノの絶叫が轟く。
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