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第264話 新しい宇宙 母船③

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。

◇新しい宇宙 母船


モニターに写っているのは凛々しい表情をした軍服を着た女性だ。


「応答してくれて感謝する」


とその女性が頭を下げる。それを見た剣聖は、


「それで何の要件か?」


と告げると、


「私たちは先程、あなた達が交戦した帝国と敵対している勢力です」


「ふむ、それで?」


「実は我々の勢力は然程大きくは無く、艦船も脆弱で帝国から押されていました。そんな時にあなた達が帝国の艦船を簡単に殲滅したのを見かけて声を掛けた次第です」


「手を組みたいと?」


「端的に言えば」


剣聖はしばし考えた後に、


「そうか……ならばこちらの条件を飲めるのなら考えよう」


「その条件とは?」


「今現在、謎の現象により数人の仲間と逸れている状態にある。その仲間を探す手助けをして欲しい」


「逸れた仲間を探す手伝いですね」


「そうだ」


「分かりました。その条件を飲みましょう」


「了解した。後の事はオペレーターと話してくれ」


と剣聖が言うと映像が切れる。


「ふう、これで良かったかナブさん?」


『はい、構いません。マスターを見つけるにはある程度の手の数が必要です』


「そうだな」


と剣聖は刻々と送られてくる探査ポッドのデータが表示されているモニターを見る。


「見つからんか……」


『かなりの範囲を捜索していますが一向に見つかりません』


「流石に宇宙は広いな」


と剣聖は溜息を吐きながら呟くと、


「剣聖さん。あちらとの話は暫定ですが纏まりました」


とオペレーターが報告を始める。


「どうなった?」


「まずは彼方はイズリ共和国の宇宙艦隊という事ですが、総数は二十隻程度の艦数で敵対勢力であるガンダリア帝国は、その二十倍近くの艦船を保有しているそうです。この後は共和国宇宙軍の拠点である宇宙ステーションへと行き、本格的な打ち合わせをすることになっています」


「場所はわかっているのか?」


「はい、既にデータを受信しています」


とオペレーターがキーボードを叩くと宇宙ステーションの座標がモニターに映し出される。


「了解した。向かってくれ」


と剣聖は言うとコントロールを後にする。



◇イズリ共和国 旗艦アデノリアス 艦橋


「ふう、何とかなりそうね」


と司令官であるミリアは安堵の息を漏らす。


「彼らは信用できるのでしょうか?」


と不安そうな表情で副官がミリアに言うと


「少なくとも帝国と敵対しているわ」


「そうですが……」


「どっちにしろ、このままではジリ貧よ。縋るしかないわね」


とミリアはモニターに映る船を見つめる。


「では宇宙ステーションへと向かってちょうだい」


とミリアは指示を出すと司令官の席へと腰を下ろす。


「上手くいくと良いのだけど」


と小さく呟き目を瞑る。 

お読みいただきありがとうございます。


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