第263話 新しい宇宙 タキノとルカ②
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇新しい宇宙 タキノとルカ
「もうすぐで森を抜けそうだな」
「そうね結構時間はかかったけど、私たちの脅威になりそうなものも居なかったし」
とルカはやっと森が開けて木漏れ陽がさす獣道を進む。暫く歩くと草原に出る。
「森は抜けたが何もないな」
とタキノは前方を見る。
「仕方が無いわ。仲間の反応も無いし」
とルカは肩をすくめる。
「まぁ、進むしかねえ。そうすれば何とかなるだろ」
とタキノはニカッと笑う。ルカは、ハァと溜息を漏らすと、
「アンタのそう言う呑気な所は羨ましいわ」
とタキノを眩しそうに見つめる。
「ここでウダウダしてても仕方が無いしな。行くぞ」
とタキノは剣を肩に担ぎながら歩き出し、ルカがその後に続く。数時間程歩くと、
「ルカ、気付いたか?」
「何?」
「生き物の気配がねえ」
「うん? そ、そうね」
とルカは慌てて周囲の気配を探る。
「チッ、らしくねえな」
とタキノは吐き出すと
「私らしいって何よ」
とルカはタキノに反発する。するとタキノはそっぽを向きながら。
「仲間とはぐれて心配なのは分かるが、いつものルカの様に元気でいて欲しい」
「は?」
とルカはポカンとタキノを見つめていると頭の中で咀嚼できたのか、
「な、何言っているのよ!」
と赤くなりポカポカとタキノを叩き出す。
「それで良いよ」
とタキノは笑うがルカはフライパンを取り出して、
ガンッ!
「痛えな! 何すんだ!」
「アンタが変な事を言うからよ!」
とルカはタキノを追い越しながら歩き出す。それから数時間が過ぎて陽が傾いてくると、
「今日はこの辺で野営だな」
とタキノは周囲を見渡す。それにルカが、
「そうね。結界を張るからテントをお願い」
と野営の準備を始める。食事も済んで焚き火を囲み話だす。
「みんな、大丈夫かな?」
とルカが焚き火の火を見つめて言うと、
「大丈夫だろ。何も問題ねえよ」
「みんな、それぞれバラバラなのかな?」
「その可能性はあるな。まぁ、俺は食事が美味いルカでラッキーだったがな。これがサイと二人なら収納にある弁当が頼りになるしな」と言った後に
「そう言えば、ヘルミナは料理はできるのか?」
「無理ね」
と素っ気なく返し、
「それに私は戦闘はあまり得意では無いしね」
「あっ? お前はフライパンで十分だろ」
とタキノは当たり前のように言うが、
「はっ? 何言っているのよ。このか弱い私に向かって」
「何処がだ?」
というと、
ガンッ!
とフライパンの打撃音が鳴る。
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