第262話 新しい宇宙 サイとヘルミナ②
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇新しい宇宙 サイとヘルミナ
「うん? 何か見えないか」
とサイが前方を見つめると
「遺跡かしら?」
とヘルミナが返す。二人は遺跡らしき物に近づいて行くと、
「かなり古い遺跡のようだな」
とサイはほとんど風化して朽ちている遺跡を見る。
「その様ね」
とヘルミナは素っ気なく返しながらも遺跡を観察する。
「おかしいわね。この遺跡は来た方向から遠ざかると形が残っているわ」
「ふむ」
とサイは来た方向を眺めて、
「過去に何かで吹っ飛ばされた遺跡ということか」
「そう言う事になるかしら」
とヘルミナは興味深そうに遺跡を眺める。
「とりあえず先に進もう」
とサイは歩き出してヘルミナが、その後に続く。二時間も歩くと萎びてはいるが街と思われる場所が見えてくる。
「もう少しか」
とサイは汗を拭う。
「何かワクワクするわね」
とヘルミナは呑気に構えてサイはそれを聞いてゲンナリする。
「楽しそうなのは良いことだ。だが警戒は怠るなよ」
とサイは鬱陶しそうに告げるとヘルミナは、
「それは勿論」
と笑顔で返す。街へは特に咎められることも無く入ることが出来た。
「活気がないわね」
と街中を見ながらヘルミナが言えば、
「辺境ということだろうな」
するとヘルミナは街を見ると首を傾げる。
「どうした?」
とサイが聞けば、
「ここは新たな宇宙にある星よね? 文字が読めるわ」
「読めるな」
とサイは再度街中にある看板類を見ると呟く。
「どういうことかしら?」
「とりあえず話しかけてみるか」
とサイは露店を開いている場所に行くと店主に話しかける。
「最近の景気はどうだい?」
とサイが聞くと店主は、
「景気は良くないな。魔物の襲撃が多くてみんな疲弊している」
と苦虫を噛み潰した様な顔をしながら答える。
「領主は?」
「ああ、領主様か……ここは最果ての地と呼ばれる場所だからな、無能な代官を置いてダンマリさ」
と店主は諦め顔をする。
「魔物の襲撃がある割には、壁で囲んでないんだな」
とサイが来た道を振り返るように言うと、
「襲撃が始まったのは、ここ最近なんだ。何とか自警団と騎士団で頑張っているがな…」
「来たばかりで疑問だったが、だいたい分かったよ」
とサイは店主に礼を言い露店を離れる。
「不味い状況の様ね」
とヘルミナが言うと、
「かなりな」
とサイは空を見上げる。
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