第255話 あれやこれや⑦
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇リンドルンガ商店街
「活気があるな」とサイが道行く人々を眺め、
「そうね、あれがファントムという物かしら」とヘルミナが通りを闊歩する数台のファントムを指差す。
「ああ、あれがファントムだな。それも商人が使う荷馬車代わりのものだな」とコウが答えると、
「じゃあ、あれは?」とルカが指差す方向には冒険者が使うファントムが4機歩いている。
「あれは冒険者用の対魔獣仕様のファントムだ」といかつく武器を持ったファントムをコウはみる。
「あちらこちらに冷えた飲み物が売っていて、あれはアイスじゃねぇか」とタキノはびっくりしたように言う。
途中、キンキンに冷えたエールと串焼きを食べつつ商店街を巡り広場へと着く。
「おいおい、あれはボア丼か?」とタキノが目敏くボア丼屋を見つけ、
「そうですね、あれは先日来たマリオさんと一緒に手掛けた店です」とコウは懐かしそうにボア丼屋をみる。
「色々とやっているんだな。ん? あれはもしかしてビールか?」とサイは店の前にいくつか並ぶテーブル上に置かれたジョッキをに目をつける。
「そうです。冷えたジョッキに冷えたビールとボア丼の具のみをセットにしたものですね」とコウは目を細める。
「何かこの街だけ別の世界見たいね。あちこちに進んだ魔道具が使われて、食文化も進んでいる。さすがコウのいた街ね」とヘルミナが感心したように…いや呆れたように言う。
「ふふふ、さすがコウ、自重という言葉を知らないわね」とルカが笑う。
暫く広場内を探索して粗方見終わったので広場にあるベンチで休憩。空を見上げると雲一つ無い青空が広がる。そして、
『マスター』
「どうしたナブ」
『現在、リンドルンガ上空に未確認の飛行物体が上昇中です』
「何処からの飛行物体だ?」
『おそらくは浮遊島です』
「そうか! 完成したんだな」とコウは嬉しそうに空を見上げる。
◇リンドルンガ上空 浮遊島産試験宇宙船内
「現在、問題無く上昇中」とオペレーターが計器類を監視しながら後ろに控えるドルガン達に報告する。
「ここまでは順調だな」
「ああ、それでなければ困る」とドルガンは刻々と小さくなるリンドルンガとその上の浮遊島が小さくなっていくのをモニター越しに眺める。
「大気圏外に出ます」との声に息を飲む。
「宇宙に到達しました。これより周回軌道に移ります」
「ヨシ! 船内の重力制御も大丈夫だな」とドルガンは拳を握る。そしてふとモニターに映る自分達が住む星を眺める。
そう青く美しい星を。
誰も彼もがその美しさに言葉を無くしてモニターを見入る。
「俺はこんなにも美しい星に住んでいるんだな」と一人が呟くと
「本当だな」と全員が頷く。
「予定周回数をクリアしました。これより帰還シークエンスに入ります」との言葉に全員が気を引き締める。
「大気圏に突入します。耐熱結界、順調に機能中。問題ありません」その言葉に安堵すると、
「リンドルンガ上空に到達。浮遊島への着陸します」とのオペレーターの声に歓声が上がる。
「やったな」とドルガンを含めた者達が涙を浮かべて讃えあう。
◇リンドルンガ広場
「ナブ」
『ハイ、マスター』
「その後の飛行物体の様子は?」
『無事に周回軌道を周回して浮遊島に帰還しました』
「そうか、やったな」と笑顔になる。
「どうしたのコウ?」とルカが顔を覗き込んでくる。
「ふふ、嬉しそうね」とヘルミナも笑う。
「実はね。浮遊島の連中が独自に宇宙船を開発して飛行にい成功したんだ」と嬉しそうにコウは笑う。
「凄いな」とサイは砂をに驚き。
「本当か?」とタキノも驚く。
「まだ、実験機だし足りない所もかなりあるが快挙だね」とコウは眩しそうに浮遊島を見上げる。
『マスター』
「どうしたナブ」
『シャンバラより通信が入りました』
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