第254話 あれやこれや⑥
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇リンドルンガ上空 母船内コントロールルーム
「リンドルンガ上空に到達しました」と安堵の表情をしてオペレーターが報告する。シャンバラから次元転移をしてやっと戻って来たところだ。
「俺らはリンドルンガには馴染みは無いが、生まれた星に帰って来た感じはするな」とタキノも背伸びをして身体をほぐして笑顔になる。
「本当にそうだな。安心したよ」とサイもホッとしたような顔をする。
「へぇ、ここがコウが初めに拠点としていた街なんだね」とルカは興味深そうに街と浮遊島を眺め、
「それは興味はあるわね」とヘルミナもルカを横目でチラリ見ながらリンドルンガを眺める。
「逐一、ナブがデータを送っていたから結構発展していると思うよ」とコウも懐かしそうに笑顔になりながらリンドルンガをみる。
「では降りてみようか」とコウの一言でサイ、タキノ、ルカ、ヘルミナが後に続く。まずは五人で降りて様子を見て他のクルーも降下させる予定だ。
四人を連れてコウは久しぶりの自宅へと入る。少し埃があるように見えるが懐かしく思える光景みる。とりあえずは浄化魔法で埃を無くしてソファーやテーブルに椅子を用意する。
「まぁ、適当に座ってくれ」とコウが言うと各自は好きな場所に腰を据える。
「ここがコウの最初の拠点かぁ」とサイがガレージを見渡しながら興味深そうに言うと、
「ふふふ、コウの原点といったところね」とヘルミナがサイと同様にガレージを見渡す。
「丁度昼だな。何か食べるか?」とコウが聞けば、
「良いな」とタキノが答えるとコウとルカがキッチンに向かい食事の用意をする。食事の用意ができるとテーブル席に全員で座り、とりあえずのビールで帰還の乾杯をする。
「やはり一仕事が終わった後のビールは最高だな」とタキノは噛み締めるように言うとヘルミナも、
「本当ね。美味しいわ」としみじみ思う。食事が進みひと段落したときに呼び鈴がなる。誰か来たらしい。コウが扉を開けるとそこには懐かしいメンバーがいた。
「久しぶりです。コウさん」とマルコさんが涙を浮かべている。
「よっ、コウ」とは銀狼の三人だ。嬉しそうに笑っている。
「元気でしたか皆さん」とコウが笑顔で返すと
「はい、みんな元気にしてました」とマルコさんが代表して答える。
「まあ、中に入ってください。今の仲間を紹介します」とこが先導してガレージに入っていく。
テーブルの前へといくと、
「紹介しますね。魔法使いのサイ」とコウが言うと、
「宜しく」とサイが頭を下げる。
「次は剣士のタキノです」とコウが言うとタキノは口にまだ何か入っているのかモグモグしながら片手を上げる。
「次に結界師兼料理担当のルカ」
「ルカです。宜しく」とルカが元気よく挨拶をする。
「最後に弓術師のヘルミナです」と言うとヘルミナは席を立ちお辞儀をする。次にマリオさんや銀狼の三人を紹介するとビールを取り出して全員で乾杯をする。
なんや勘やと時間が過ぎてマリオさんと銀狼の三人は帰っていった。
◇リンドルンガ商店街
「コウさんは良い仲間に恵まれたようですね」とマリオが嬉しそうに言うと銀狼のウリルは複雑な表情をして、
「それは良かったんだが、何か悔しくてな」とウリルは俯く。
「ハハハ、ウリルさん。コウさんが初めてここリンドルンガに来た時は、ここの常識が分からなかったでしょ。そんな時にコウさんの隣に居たのは私たちですよ。それは間違い無いです」とウリルの背中を叩く。そんなやり取りを見てダリスとランガも顔を見合わせて頷く。
「さてコウさんたちも直ぐには旅立たないと思いますから、また行きましょう」とマリオを先頭にして商店街を歩いていく。
◇リンドルンガ上空 浮遊島
「なにぃ! コウが帰って来てるだと」とドルガンが報告に来た警備の兵士につかみ掛かる。
「まぁ待てドルガン。まずはこの宇宙船の改良が先だ」と同僚のドワーフが言うと、
「それもそうか。じゃや野郎ども! 仕上げるぞ!」と言うドルガンの言葉に他の面々も奇声上げる。
「見とれよコウ。俺らの意地を見せてやる」とドルガンはニヤリとしながら呟く。
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