第251話 シャンバラ⑧
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇シャンバラ主星 古い放棄された施設内奥
画像を見たナブからの指令で探査端末達は指定された場所を探索する。その場所とは巨大魔水晶へと繋がる通信ケーブル。
通信ケーブルを探し当てると探査端末達はびっしりと、そのケーブルへとへばりつく。
ジジジジジジ
探査端末から発せられた何らかの魔導波動がケーブルへと干渉していく。暫くすると巨大魔水晶が発光し初めて稼働する。
更に探査端末から発せられた魔導波動により巨大魔水晶との通信を確立。探査ポット経由で通信が母船と繋がった。
◇母船内 オペレータールーム
空白だったモニターに変化が見られる。どうやら通信が繋がったようだ。オペレーター達はその結果に安堵の表情を浮かべ、
「ナブさん、魔水晶との通信が繋がりました」
『わかりました。ここからは私が引き継ぎます』
とナブはオペレーターとの言葉に返答して作業に移るナブの作業が始まるとモニターに膨大なデータ表示されて流れていく。それを確認したオペレーター達は、その膨大さに息を飲む。
どれだけの時間が過ぎただろうか? 突然、流れていたモニターに映るデータ表示が止まる。
「!!」
オペレーター達がデータ表示が止まったモニターを確認してどうなったかとナブの応答を待つ。少しすると、
『今回の大体の原因がわかりました。どうやら魔水晶がシャンバラAIへと強制同調をしたことが原因と思われます。私はこれからマスターに報告してきます』
とナブの声が聞こえなくなるとオペレーター達はこれで問題も解決するだろうと安堵する。
◇仮想空間内 コウ
コウ達は定期的に仮想空間内を監視しつつ時を過ごしていた。特に他にする事もなく時間だけが過ぎていく。
そんな状態で少し飽きてきた頃、
『マスター』
「何かわかったか?」
『はい、問題の施設を調査したところ原因と思われる事がわかりました』
「ほう、そうかそれで?」
『はい、施設奥には巨大な魔水晶が発見されて、その魔水晶を調査しました。結果としてはその魔水晶は私のような魔導AIでした』
「魔導AI?」
『はい、シャンバラ初期のものと思われます。性能的には私より10世代前後で現在のシャンバラAIと比べると一万分の一程度の性能です』
「それがどう言う理由で原因となったんだ?」
とコウはその性能差を聞いて疑問に思う。
『はい、どうやらこの魔水晶のAIもシャンバラAIとして認識されていたようで、実際には初期のバックアップ用のシャンバラAIであったようです』
「ふむ」
『そしてどうやらマスターがこの施設を訪れた時に反応して稼働したようで、すぐにシャンバラAIとの通信を初めて同調しようとして失敗したと思われます』
「どうも分からんな、それでどうしてこちらのシャンバラAIが停止するまでになったんだ?」
コウは納得いかない顔でナブに尋ねる。
『はい、これからは私の推測になるのですが、現在のシャンバラAIが施設のAIと繋がった時に同じシャンバラAIと誤認識して繋げてしまったことで、世代差による性能差によって現在のシャンバラAIが混乱して停止したと思われます』
「なるほどな、原因は分かったが対策は?」
『はい、まずは施設のAIを通信ケーブルから物理的に切り離します。その後、私がシャンバラAIへと働きかけて復旧を促します』
「分かった。やってくれ」
『はい、マスター』
ナブとの通信を終えたコウに皆んなが近づいてくる。
「どうなったの?」
と不安そうなルカが聞いてくる。その周りも不安そうな顔をしている。
「ああ、ナブが原因を突き止めてくれた。これからシャンバラAIの復旧へ向けて作業に入るところだ」
コウがそう言うと全員の顔に安堵の表情が浮かぶ。ガヤガヤと周りの元の嬉しそうに話し始めて、やっと解放されそうだと安堵する。
◇シャンバラ主星 古い放棄された施設奥
施設奥にある魔水晶に群がる探査端末はナブの指令により作業を始める。魔水晶の周りを囲むようにワラワラと大量の探査端末動き、魔水晶へと繋がる全てのケーブルを切断していく。
暫くして全てのケーブルを切断し終わると探査端末は探査ポット経由で作業が終わったと通信を入れる。
◇母船内 オペレータールーム
モニターを見ていたオペレーターが探査端末からの通信を見るとナブへと報告する。
「ナブさん、探査端末より連絡があり全てのケーブルの切断が終わったそうです」
『わかりました。これよりシャンバラAIとの通信復旧作業に入ります』
ナブは復旧を目指してシャンバラA Iとの通信作業を始める。
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次回投稿は7月16日(日)となります。
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