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第250話 シャンバラ⑦

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。

◇母船内 オペレータールーム


オペレーターの前の空中に浮かぶ幾つものモニターには、探査ポットからの情報が大量に流れる。それをオペレーターは精査しながら監視している。


ピーピー!


一つのモニターから音が鳴り響く。


「ナブさん! これを見てください。No.102の探査ポットです」


オペレーターはそのモニターを見るなりナブへと報告する。モニターに映っていた情報はとある場所で通信を行なっていたと見られる痕跡が見つかったと言うもの。


『他の探査ポットも十機程回して周辺を詳しく調べてください。私はマスターへと報告します』


「はい!」


とオペレーターは元気に返事しつつ問題となったモニターを睨みつけて作業を続ける。



◇仮想空間内 コウ


変化の無い状況を悩みながら今後の対策を他のクルーも交えて考えるが、特に何もすることがない。一応は定期的に仮想空間内を回って変化が起きていないか見ると言うことにはなったが、のぞみは薄いだろう。


多分だが問題が起きているのは仮想空間内では無く、間違いなく外部だ。仮想空間内では何も見つからないだろう。


「ハァ」


と壁に突き当たったような閉塞感を感じながら天井を見上げて溜息が漏れる。そこに、


『マスター』


「なんだナブ」


と閉塞感からくる苛立ちが出て言葉に棘が出てしまった。だがナブは気にせずに


『探査ポットからの探査データから主星の動いていない施設が、通信を行なっていたと思われるデータが検出されました』


「そうか! もう少し詳しく調べて今回のことと関係があるか調べてくれ」


と思わず声が上ずる。


『はい、マスター』


「ふう」


ナブとの通信を終えると今まで張り詰めていたのが嘘のように希望の光が見えて息が漏れる。


「どうしたの? コウ」


と心配そうな顔をしたルカが尋ねてくる。いかんいかんと思い直して一度首を振り顰めていた顔を笑顔にしながら、


「ああ、ナブが今回の件と関係ありそうな痕跡を主星から見つけてくれた」


「そうなんだ、これで何とかなると良いわね」


とルカの顔も安堵の表情となったのが見て取れる。その会話を聞いていた他の面々もそれぞれ希望を見出したのか俯いていた顔を上げる。


「頼んだぞナブ」


と誰にも届かないような小さな声で呟く。



◇主星 施設上空


幾つもの探査ポットが問題のあった施設の上空へと集まって来ている。一番最初に問題の痕跡を見つけた探査ポットから小型の昆虫型探査端末が大量に施設へとばら撒かれた。


それらの極小の昆虫型探査端末は人が見逃すような隙間から施設のあらゆる場所に潜り込んで探査していく。


その中の一つの探査端末が隠されていた空間へと辿り着く。その情報から他の探査端末もワラワラと集まり出して、その場所を丹念に探査していった。


空間内はかなり広く魔導装置がいくつも並び、そしてかなり古い。このシャンバラでも初期の段階で放棄されたものと観測された。


放棄された古い意図不明な魔導装置群を探査端末が群がり調査すると、幾つかの装置から最近稼働したと思われる痕跡が見つかる。


どうやらこれらの魔導装置が通信を行なったようだ。更に稼働していた痕跡を辿っていくと、壁の奥に何かの施設があるのを確認できた。


探査端末はその壁に群がり初めて調査していく。


ガリガリガリ


と忍び込めそうな隙間が無いと考えた探査端末達は壁を削り始める。一箇所に穴が開くと他の端末も群がり穴を広げて掘っていく。


かなりの時間を要したが何とか壁に穴を開けることに成功すると、探査端末達はゾロゾロと中へと入っていく。


そこにあったのは巨大な魔水晶。それが最近稼働した痕跡が見てとれ、すぐにそのデータは母船へと送られた。



◇母船内 オペレータールーム


オペレーターが一つのモニタ情報を分けて幾つかのモニターへと分割して精査していく。そこに探査端末が見つけたデータが送り込まれる。


「ナブさん! これを見てください!」


そのモニター二つに映るのは、一つは魔導装置群の画像と最近稼働したと思われる痕跡のデータが移され、二つ目のモニターには巨大な魔水晶の画像と最近稼働したと思われる痕跡のデータが並ぶ。


『…………………』


その二つのモニターを見たナブは考え込むように沈黙した。 

お読みいただきありがとうございます。


次回の投稿は7月9日(日)となります。


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