第246話 シャンバラ③
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇シャンバラ主星 リング内
「コウ」
とタキノを含めた剣聖とアーマーパイロットに乗組員全員が姿を現す。
「タキノ、医療室は?」
「まだだ、これから残りの全員で行ってくる」
というと扉が開いてポッドが入ってくる。
「こちらです」
とポッドの先導でタキノ達が部屋を出ていく。
「何か凄いわね」
とヘルミナが食堂にある大型のモニターを見ながら呟く。
「そうね。文明の進み具合もそうだけど規模が凄いわね」
とルカが言う。
「そうだな、このリングの大きさなんて想像を絶するよ」
とコウが答える。
暫くすると医療室に行った面々が食堂に入ってくる。
「全員揃ったか?」
とコウが全員を見渡すと、
「それでは皆さん。これからシャンバラの最も最たるものを体験して頂きましょう」
と空中にモニターが現れてそんなことを言って来た。
「こちらです」
とポッドが何も無い壁の前にいくと壁が無くなり大きな空間が出来る。そこにはカプセル型の人が入れるようなものがズラッと並んでいる。
「それではポッドの案内に従ってバーチャルカプセルにお入りください」
と空間から声がする。
「あの中に入ればいいのか?」
とサイがカプセルを見ながら聞くと
「はい、空いているポッドにそれぞれお入り下さい」
とポッドが先導していく。
◇シャンバラ主星 リング内 コウ
ポッドに従ってカプセルの中に入るとカプセルの扉が閉まる。特に圧迫感とかは無い。
『これよりチューニングを始めます。最初に不快な感じがするかもしれませんが、すぐに治ります』
との言葉と共に頭の中を掻き混ぜられる感じがして視界が歪むが直ぐに収まる。
『チューニングが無事終わりました。シャンバラバーチャル空間にログインします』
と言われると視界がブラックアウトしたかと思えばすぐに同じ状態に戻る。
『ログインしました。カプセルより出てください』
とカプセルの扉が開く。他のカプセルも扉が開いて行き全員が元の食堂に集まってくる。
「多少の個人差はありますが、人によっては酔いに似た症状が出る場合がございます」
とポッドが全員の症状を確認している。
俺は手を開いては握りを繰り返す。そこに
「どうしたの? コウ」
とルカが心配そうな顔をして近づいてくる。それに気がついたサイ、タキノ、ヘルミナも近づいてくる。
「うん? 違和感を感じてな」
とルカを見る。
「違和感?」
「そう、違和感だ。何か自分の身体じゃ無いようだ」
『もうお気づきですかマスター』
「ナブ……どう言うことだ?」
『はい、マスター。今、マスターたちが居る空間は仮想現実世界です。現実の身体はリングにあり意識だけが、その空間へ行っています』
「そう言うことか」
と俺は自分の掌を見る。あまりに現実近い……いや、現実そのものだ。凄いな。
『はい、マスターや母船の方達は私がシャンバラAIを通じて管理しています。何かあれば私に聞いてください』
「そうか、みんなにも説明してもらえるか?」
『はい、マスター』
俺はナブとの会話を終えると改めて周囲を見渡す。
「これが仮想空間?」
と思わず口に出てしまう。他の面々も同様のようでキョロキョロと周囲を見ている。
すると目の前に一人の老人が突然現れる。
「突然すまんな。ワシがこの主星の評議会メンバーじゃ。これからの事を説明しよう」
と言って来た。俺はサイやタキノ、ルカ、ヘルミナに目配せをすると老人の言葉に頷き席につく。席に座った全員を老人は見渡して、
「まずは、この仮想現実空間を使ってシャンバラ全体を見てもらう事となる」
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次回の投稿は2023年5月14日(日)になります。
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