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第242話 鍛錬

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。

◇母船内拡張空間


 剣聖アルド・ミラーはアーマーのスラスターを模した風魔法で自身の機動を小刻みに変化せて、タキノへと迫る。


 一方のタキノは剣聖とは違うアプローチで機動力を上げる。身体強化を重ねがけして反応速度と反発力を上げて任意の場所に足場となる結界を作成してそれを蹴って機動を変える。


擬似スラスターを吹かして迫る剣聖を側面に張った結界を蹴ってタキノは躱す。


 更に剣聖はタキノの機動に反応して擬似スラスターで追随。タキノは多数の結界を生成するとそれらを縦横無尽に蹴り移動。その速度は常人には捉えることは出来ない。


しかし剣聖はそれらを看破して足場となる結界へと水魔法で氷の矢を生成して破壊しようとする。


 だがタキノはそれも見越して新たに結界を生成して急激に方向転換すると風魔法をも使い速度を加速させる。


 一瞬だが剣聖の視線を掻い潜るとタキノは木剣を抜剣。


「シッ!」


との呼気と共に木剣が剣聖へと迫るが、そのタキノの剣を剣聖は自身の木剣で受け流す。


「やりおるようになったの」


と剣聖は楽しそうに擬似スラスターを吹かしてタキノとの距離を空ける。


「くたばれ糞ジジイ!」


とタキノは結界を複数生成してジグザグに目にも留まらぬ速度で剣聖へと肉薄する。すると剣聖はタキノを真似て結界を生成すると、それを蹴って機動修正して更に擬似スラスターで加速する。


 小刻みに機動をランダムに修正して空を駆ける剣聖はMAXとなる風魔法のスラスターを背後に噴かして音速を越える。その時にソニックブームが発生するが剣聖は前面に結界を生成してタキノを吹き飛ばす。


「くっ!」


とタキノは吹き飛ばされながら風魔法で吹き飛ばされた勢いを減衰させて生成した結界を蹴って体勢を修正。


 一度、剣聖から目を切ってしまったタキノは四方上下に防御結界を3重で生成する。そこに剣聖が木剣を横一閃。


パリンパリン!


と3重の内の2枚まで結界が破られるが持ち堪えることに成功。再度、剣聖を目に捉えたタキノは身体強化を掛け直して結界を蹴って剣聖へと追随する。


 剣聖も反転してタキノへと相対して擬似スラスターを駆使して狙いを定まらないように駆け巡る。


 タキノは集中力を上げて、剣聖の姿を捉え続けて結界を蹴る。


 剣聖はスラスターで機動変えながらタキノへと迫る。その刹那、剣聖は足場となる結界を生成して身体強化をフルマックスで蹴って軌道を変え、尚且つスラスターで加速する。剣聖は木剣を抜剣。


「シッ!」


と呼気が漏れると剣聖の木剣はタキノを胴体付近で横薙ぎで迫る。


が……タキノは咄嗟に風魔法でスラスターを再現して下方へと高速移動して剣聖の剣を掻い潜る。そのまま足場の結界を蹴って剣聖に肉薄。


タキノは下方から木剣を擦り上げる様に剣を走らせると剣聖が生成した2重の結界に接触。


パリンパリン!


とタキノの剣は難なく剣聖の結界を破壊。剣聖は咄嗟に結界が作った刹那の時間で自身の身体とタキノの剣の間に自身の剣を割り込ませる事に成功する。


ガッキーン!


金属音の様な音が鳴り響いてタキノ、剣聖が共に弾き返される。それにより距離が空いた所で、


「それまで!」


とサイの声が鳴り響く。


「ハァハァ」


とタキノは汗を垂れ流し剣聖を睨みつける。一方の剣聖は汗はかいているものの木剣を肩に担いで、


「タキノよ。やりおる様になったのう」


と楽しそうに笑う。それを見たタキノは


「チッ!」


と舌打ちをしてその場に座りこむ。


「タキノ」


「ハァハァ、なんだ」


とサイの問いかけにぶっきらぼうに答えるとサイは


「確実に良くなっているな。それよりも俺の方が問題だ」


と肩を竦める。


「まだ勝てては無い」


とタキノは大の字に寝転びながら言う。目を瞑り呼吸を整えたタキノは、


「だが少し見えたような気がする」


と目を瞑りながら言う。


「そうか」


とサイはタキノを見ずに言うと


「剣聖爺さん。次の相手をして貰えるか」


と剣聖へと目を向ける。


「良いぞ」


と剣聖はニィッと笑うとサイと対峙する。

お読みいただきありがとうございます。


【お知らせ】

2023年4月10日発売、コンプティーク5月号より今作「神ポイ」がコミカライズされます。もし宜しければお手に取ってもらえると幸いです。


次の投稿は2023年4月16日(日)になります。


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