第241話 模擬戦②
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇演習宙域 母船内コントロールルーム
「アーマー隊、射出準備に入ります。剣聖さん、次の試験は多対戦闘になります。宜しいですか?」
『問題ないのじゃ』
とワクワクした剣聖の返事が返る。
「剣聖さんもノリノリね」
とヘルミナが言うとコウは、
「ああ、爺さんは長い間、山に籠っていたからな。新鮮なんだろう」
と目を細める。
「そうね、タキノやサイの刺激にもなったようだし」
とモニターに映った格納庫に帰ったタキノとサイの機体を見る。
「アーマー隊、展開完了しました。これより模擬戦闘を始めます。
◇演習宙域 剣聖機
警報が鳴り響くコクピットの中で剣聖アルド・ミラーは自機を操作する。
「これは厳しいの」
と言葉とは裏腹に口角を上げる。各種センサーが危険を知らせてサブモニターには敵機であるアーマー隊が展開されて自機を半包囲するかのように移動するのが見える。
「数は20かの」
と剣聖はアーマー隊の配置と数を頭に入れるとスラスターを全開にして行動を開始する。剣聖は自機を前面に展開する3機のアーマーに突っ込むように迫る。
3機のアーマーは落ち着いて魔導ライフルを構えると射撃を開始。それに合わせて剣聖は自機を急制動を掛けてピタリと止まると姿勢制御用のスラスターを右舷部全開に噴射。
急激に方向を変えた剣聖の機体は残像を残すかの様に加速移動。3機のアーマーは許を突かれたのか反応出来ずにいると剣聖は直ぐに機体を制御して3機のアーマーに肉薄する。
抜剣した剣は3機をを捉えて撃墜判定にする。
「まずは3機じゃ」
と剣聖はサブモニターを確認しながら次の獲物へと機体を操作する。2機のアーマーが剣聖の動きに合わせて左右に分かれて剣聖機へと動きを見せる。チラリと剣聖は敵アーマー位置をサブモニターで確認すると向かってくる2機へと機体を制御。
小刻みにサブスラスターで姿勢を変えるとメインスラスターを全開にして右から来るアーマーへと肉薄。
肉薄されたアーマーは反応できずに剣聖の刃に倒れると剣聖は左からくるアーマーをサブスラスターを制御して背後に回り切り倒す。
「5機目」
と呟きながらも次の敵アーマーへと機体を向ける。流石にあっという間に5機を撃墜されたアーマー隊は剣聖機に対して魔導ライフルにて弾幕を張り、近づく事を拒否する。
その弾幕を剣聖機は小刻みな姿勢制御で躱して弾幕を張るアーマー8機に近づく事に成功。右手に実剣、左手に魔導ビームサーベルを装備してアーマーの懐に入ると魔導ビームサーベルを振るう。
「6機目」
と言うも視線は次のアーマーへと移り機体を操作して魔導ライフル弾を躱しつつ実剣を横薙ぎに振るい、
「7機目」
混乱した残り6機のアーマーを剣聖は難なく撃破。
「13機」
剣聖はチラリとサブモニターを見て舌舐めずりをするとニヤリとして機体を敵アーマーへと操作する。
◇母船内コントロールルーム
「アーマー隊全20機撃墜かぁ」
とルカは剣聖対アーマー隊20機の結果をモニターにて確認する。
「一発も擦りもしなかったわね」
とヘルミナが溜め息をつきながら模擬戦結果を見る。そこにタキノとサイがコントロールルームへと入室してくる。
「やられたか」
とサイがモニターを見て苦い顔をすると、
「俺らもやられたんだアーマー隊では無理だろう」
とタキノはモニターを睨みつける。
「コウ」
とタキノはコウへと顔を向けると
「なんだ」
「何日くらい、ここに留まれる」
とタキノは真剣な顔で聞くとコウは
「10日で良いか?」
「それでいい」
とタキノはモニターへと顔を向けてぶっきらぼうに答える。
「どうするんだ?」
とサイが心配そうにタキノに言うと、
「鍛え直す」
とタキノは短く返す。
「そうか」
とサイも真剣な顔になりモニターを見る。
「アーマー隊もかしら」
とヘルミナは苦笑しながらタキノとサイを見つめる。
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次回投稿は2023年4月9日(日)となります。
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