第232話 剣聖とタキノとサイ
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇母船内 拡張空間
「ぬうっ!」
タキノは爺さんの剣を避けると身体強化を更に重ねがけする。
「ほっほっほ」
と爺さんは楽しそうにタキノの進行方向に結界を用意すると、それをタキノが探知して剣で破壊するが、その一拍の遅れにより爺さんに接近を許すと爺さんの魔力を纏った剣がタキノへと迫る。
「くっ!」
とタキノは唸りながらも結界を斜めに配置して何とか爺さんの剣を受け流すことに成功する。
「ほっほ、ここまでじゃの」
と爺さんは剣を担いで笑顔でタキノを見ると、タキノは肩で息をして
「チッ! 届かねえ」
と呟いて地面に座り込む。
「爺さん、次は俺とやってくれ」
サイが前へと出ると、
「よかろう」
と爺さんは構えて走り出す。爺さんは身体強化をフルに使い、通常では見えない移動を繰り返す。
「ギリギリか」
とサイは呟きながら火の槍を二十展開。それらを探知した爺さんの動きを予測した移動場所へと打ち出す。
「ほっほ」
と爺さんは楽しそうに急激に進路を変更して身体強化を瞬発的に発生させて、あっという間にサイの懐へと潜り込む。
「!!」
サイは距離を取ろうと結界を爺さんの前へと展開させるが、爺さんはその結界を難なく破るとサイの腹を蹴り上げる。
「ぐうっ!」
とサイは唸りながら地面を転がっていく。
「まだまだだの」
と爺さんは剣を担ぎ大の字に寝転がるサイを見つめる。
「すげえな」
「タキノさんとサイさんが、あっという間に」
とタキノが率いるアーマー隊のパイロットが騒ぎ出す。
「あなた達も爺さんに鍛えて貰いなさい」
とヘルミナが隊員達にいうと次々に爺さんに切り掛かっていく。
「ふふ、これでかなりのレベルが上がるわね」
とヘルミナが呟くと、
「最近のタキノは鼻が高くなっていたから良い気味だわ」
とルカが笑う。
それから爺さん、剣聖アルド・ミラーはサイから魔法を習い、それを剣技へと昇華していく。数日が経つと、
「ワシ、強くなったの」
と爺さんは自分の手を見つめて呟く。その後も爺さんは貪欲にシュミレーターでのアーマー操作やタキノ、サイ、隊員達と修練を重ねていく。
◇母船 近く宇宙空間
『アルドさん、初めての宇宙空間での訓練ですから慎重に』
と母船からの通信が爺さんの機体へと伝わる。
「分かったの」
と嬉しそうに操作レバーを握る。
『では訓練を開始します』
という通信が入ると爺さんの機体の周りにターゲットが現れ、それを爺さんは機体を操作して来たにに装備している剣で破壊していく。
一分も経たないうちに十のターゲットは破壊されて破片が空間を漂う。
『ターゲット破壊を確認しました。アルドさん、母船に帰投してください』
「中々だな」
「ああ、悔しいが魔力操作が精密で緻密だ」
と母船のコントロールルームで訓練を見ていたタキノは顔を歪ませながらサイに答える。
「コウとまでは行かないが、あの魔力操作は勉強になる」
とサイは真剣な顔でモニターを見つめる。
「悔しいがな」
とタキノはいうとコントロールルームを後にする。
「ふう」
とルカは拡張空間に出ると伸びをする。
「あら」
とルカがランニングコースを見るとタキノが黙々と走っている。
「ふふふ、タキノには良い刺激になったわね」
とルカは楽しそうに見つめる。
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