第224話 道標の星③
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
「ようこそいらっしゃいました。予言に記された方々」
と両手を広げた神官に出迎えられた。
「どういう事だ?」
とタキノが神官を睨みながら問いただす。
「予言とは創世の書に出てくる予言の事で大精霊が去った後、必ず星を超えて来る者が現れるというものです。そしてあなた達が現れた。それも神殿から発せられる見極めの結界に反応があり鐘が鳴り響きました」
と神官は膝を着いて頭を垂れる。
「それで俺らが、その預言に記された者だとしてだから何なんだ?」
とサイが神官へと問う。神官は顔を上げて
「はい、予言に記された方々が現れた時は地下の祭壇に案内する様にと定められています」
と地下へと続く階段を見る。その目線を追いながらコウは
「これは俺らがシャンバラの子孫という事で結界が反応したのだろうな。そして地下の祭壇に行けば…」
と行ったところで扉が勢い良く開かれる。
「おお、この者達が予言に記された者達か」
と先頭を歩く豪奢な服を着る男がいうと、その後ろに十人の騎士が続いて入ってくる。
「陛下!」
と神官は言い立ち上がる。
「何だこいつら」
とタキノは警戒して腰の剣へと手をかける。それを見た騎士は陛下と呼ばれた男の前に出て剣を抜く。
「ほう、やる気か」
とタキノは目を細めて殺気をばら撒く。
「ぐっ!」
と呻き声が聞こえたかと思うと騎士十名と陛下と呼ばれた男が膝をつく。騎士達は何とか立ち上がろうとするが、タキノは更に殺気を強めていくと騎士達はバタバタと口から泡吹いて倒れる。
陛下と呼ばれた男は何とか気を保ち顔を上げるが立ち上がることは出来ない。
「そこまでにして貰えませんか?」
と後ろの神官から声がかかり、タキノは殺気を納める。コウ、サイ、ルカ、ヘルミナは厳しい顔をして神官をみると、
「陛下は、この国の王です」
というがコウ達は気にせずに神官をみる。
「だから何だ? 俺らは、この国の住民ではない」
とサイは睨むように神官を見つめる。
「そうですが、しかし……」
と神官はなおも言い繕うとするがヘルミナが、
「ならこの国を滅ぼせば良いのかしら」
と笑みを浮かべながら神官をみる。
「そ、そんな事は出来る筈は……」
と言い出した所でルカが、
「やってみますか」
と神官を睨む。そこに
「もう良い」
と肩で息をしながら陛下と呼ばれた男がいう。
「しかし…」
と神官はいうが
「良いのだ、ワシらは元々予言には関係ない。話を進めよ」
と陛下と呼ばれた男は目を瞑り息を整える。
「分かりました。こちらへ」
と神官は地下へと続く階段を降りていきコウ達も後ろに続く。
階段を降りると広い空間があり、奥に祭壇が見えその上に黒い石板が浮いている。
「あちらが祭壇です。私たちは、ここまでしか近づく事ができません」
と神官がいうとコウ達は構わずに祭壇へと近づくと何か膜を通った感覚を感じる。
『よく来ました。次元を超えた子孫達よ』
と声が聞こえる。祭壇の上に浮いている石板が光り部屋を明るく照らす。
『ここは道標の惑星であり、最初の道標となります。シャンバラへはいくつもの道標があり、あなた達はそれを辿りシャンバラを目指すのです。そうすればあなた達がするべき事、しなくてはいけない事が少しづつわかるでしょう』
と聞こえると石板に映像が浮かぶ。
『これが次の道標となる惑星です。目指しなさい。さすればシャンバラへと至るでしょう』
と声が聞こえると石板は光を失う。
「ナブ、映像は記録したか?」
『はい、マスター。記録しました。……探査ポッドからの情報と照合すると残り三つの惑星の内の一つです』
「そうか分かった。光学迷彩を解いて降下してくれ」
『はい、マスター』
「行こう」
とコウは四人に声をかけると階段を登っていく。
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次の投稿は2022年12月11日(日)になります。
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