第220話 青く輝く星③
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。
◇青く輝く惑星 大陸
既に陽が沈み辺りが暗くなってくるとコウ達は野営の準備を開始する。ルカは魔導コンロを数台並べて肉野菜炒め、スープを人数分作っていく。
アーマー隊の人員を含めた一行の目の前には湯気を上げるスープに肉野菜いために、柔らかいパンが目の前に置かれている。
「頂きます」
とサイが言うと全員「頂きます」と言って食事を開始する。食事後はアーマー隊は二人一組に分かれて警戒と休憩を交代でこなす。
コウ達はルカが入れたお茶でまったりと海辺の上空に輝く星空を見上げている。
「綺麗だな」
とタキノにしては珍しく星空を見上げて呟く。それを聞いたルカは何気に微笑む。
コウはみんなと少し離れた森の中で場所で落ちていた太い枝を風魔法でカットして焚き火をする。
薪を組んで火魔法で火を点ける。
ボッ!
と音がして薪に火が移り炎が大きくなっていく。その火をコウは眺めながら収納からビールを出して一口飲む。
「ふう」
とコウは一息吐くと巨木を見上げる。その巨木は少し薄らと魔力を纏い発光しているようだ。そんな巨木を見ているとふと気になり鑑定してみると……
精霊樹
と表示された。
「精霊樹」
と呟くと頭上からヒラヒラと一枚の大きな葉が落ちてきて、差し出したコウの掌に収まる。その葉も薄らと発光している。
コウは葉を収納すると精霊樹に
「ありがとう」
と言うと精霊樹は、それに答えるようにザワザワと葉を揺らす。すると高い高い枝付近が発光するとユラユラと発光しながら落ちてくる。何だと眺めていると枝のようだ。
それもコウの前に来ると止まり、コウが掴むまで静止している。
形状をよく見ると長さは150㎝で上となる部部には瘤の様になっていて、下にいくほどに細くなっている。それを鑑定してみると…
精霊樹の杖
と出た。
コウがその杖を掴むと杖が強く発光する。その時に頭の中に使い方が流れてくる。
「凄いな」
とコウは一人呟くと笑顔になる。そこに
「どうしたの?コウ」
とヘルミナが近づいてくる。
「これを見てくれ」
コウはヘルミナに精霊樹の杖を渡すと、
「何コレ!! 凄く神気を感じるわ」
と驚き杖をみる。
「多分だが、目の前にある精霊樹が俺にくれたんだ」
とコウは巨木を見上げる。
「精霊樹もコウに何かを感じたのね」
とヘルミナはコウに杖を返す。
「ふふ、使うの?」
とヘルミナは悪戯っ子の様な顔で言うとコウは、
「う〜ん、今までは杖なんてお飾りと思っていたんだけどな。折角だからチャンスがあれば使おうかと思う」
と杖を見ながら言う。
「コウが杖を使おうと思うなんて珍しいわね」
と笑顔で言うとコウは苦笑しながら、
「何か分からないが必要な時がくると感じたんだ」
とヘルミナを見て返す。
「そう」
と言ってヘルミナは焚き火を眺めるとコウはヘルミナに収納からビールを渡す。
「悪いわね」
とヘルミナは笑顔で返してプルタブをプシュッと開ける。それをヘルミナは美味しそうにゴクゴクと飲む。
「ふう、美味いわね」
とヘルミナが言った所でサイ、タキノ、ルカが現れる。
「おっ、ビールかコウ! 俺にもくれ」
とタキノは焚き火の前にドカリと座ると笑顔でコウへと手を差し出す。コウは苦笑しながらもタキノ、サイ、ルカの分のビールを用意して、ヘルミナにもおかわりのビールを出す。
自分も二本目のビールを飲むと騒いでいる仲間達をみる。
「良いな」
とコウは思わず呟くとヘルミナが、
「フフ」
と笑う。
そして夜が更けていく。
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次回投稿は2022年11月13日(日)になります。
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