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第199話 断罪の女神

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。

サイは魔法を編みながらもコウがいると思われる方向へと目を向ける。そこには息を呑むような光景が展開されていた。


莫大な魔力が消費されて見たことも聞いた事もない魔法陣が展開されている。


「なんだあれは」


とサイは思わず呟く。それ程の光景だ。ゴクっと唾を飲み込むと慌てて魔法陣を構築し直す。


『サイ!何をしている』


とタキノから叱責が飛んでくる。


「すまん!」


と一言返して目の前の状況に集中する。




「究極禁忌魔法、断罪の女神!」


と言うコウの言葉をトリガーにしてガチャリと音がする。するとドンドンと内側から扉を叩く音が鳴り響きガチャガチャと鎖を揺らす。


「ぐうっ!」


と急激に魔力が消費されて魔法が暴れ出す。それをコウは必死に制御して押さえ込む。暴れていた魔法が大人しくなるとシーンと辺りに静寂が訪れる。


またガチャリと音がして、今度は扉を縛り付けていた鎖がガチャガチャと引き戻されていく。そして鎖がなくなると、


バタンッと扉が開く。


その扉の左右の枠を巨大な白い手が掴む。


「アアアアアアアア」


という声と共に巨大な頭が扉から出てくる。その頭は白い女性を形づくり神々しい光を放つ。それはなんとか扉から抜けようともがくが体が巨大過ぎて扉を通る事が出来ない。


女神と思われる頭部は上を向いて赤い涙を流して叫ぶ。


「アアアアアアアア」


女神は叫び終わると何かに気付いたかのように前方を見ると上級害獣を見つける。


上級害獣はそれに気づいて震えて逃げようとするも体が竦んで動けない。


女神はニヤリとすると口を開ける。


開ける。


顎が外れたかのように開ける。開ける。大きく大きく開ける。


口にエネルギーが収束していく。莫大なエネルギーだ。


それが一斉に光ると光の奔流が上級害獣を包み込む。


包み込まれた上級害獣の体表はボコボコと泡立ち始める。そして少しづつ身体が膨らみ始めて膨張すると最後に弾け飛ぶ。


それを確認した女神は満足したのか笑顔となり扉の中に戻っていく。女神が中に戻りきると扉が閉まり鎖がガチャガチャと再び巻かれる。


その鎖に巻かれた扉も出てきた扉に戻っていき、扉が閉まると消えていく。


赤黒い魔法陣も弾けて消えてなくなり歯車の魔法陣も溶けるように消えていく。


コウの機体は魔力のオーバーロードにより魔導回路が焼き切れて機能を停止。宇宙空間を漂う。


『終わったのね』


とヘルミナの通信が飛ぶがコウの機体は沈黙する。


サイとタキノの機体がコウの機体を掴むと母船を目指す。その後をヘルミナの機体が続く。


格納庫でコウの機体のハッチが開かれるとコウが気を失った状態で発見される。直ぐに医療室に運ばれてナブによる検査が行われたが魔力が急激に失ったために気を失った以外は問題ないと診断された。


「コウが魔力を枯渇する程の魔法とは」


とサイが呟くと、


「そうね、近くて見ていたけど凄い魔法だったわ」


とヘルミナが答える。


母船さくらは惑星アイアへと進路を向ける。


「コウ大丈夫なの?」


とルカがコントロールルームに入ってきたコウへと声をかける。


「ああ、まだ少し怠いが問題ない」


とコウが答える。


「まだ上級害獣はいるのかしら」


「そうだないるだろうな」


「何か対策を考えないとね」


とルカが言うと、


「そうだな、全体の戦力をもう一度練り直すか」


「そうね、コウの機体もダメになったし」


「アーマーの底上げと新たなアーマードアーマーの作成か」


「ふふふ、コウが楽しめる事じゃない」


「まあな」


とコウは笑顔で答える。

お読みいただきありがとうございます。


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[一言] 断罪の女神「チラッ(召喚者?見) 頭の中に響く声、また呼んでくださるとありがたいです(ぺこrガツンッ…つぅ……)」ドアの縁にぶつけて涙目
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