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第188話 陸上自衛隊

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。


一部表記を変更(2022・09・21)

◇東京 某所


「逸見、こっちだ」


と磯山が手を振っている。それを確認した逸見が磯山に近づくと磯山は歩き出して店に入っていく。既に予約が取れているらしく個室に案内される。


席に座ると適当にオーダーする。まずは生ビールで乾杯するとキムチやナムルが運ばれて来てカルビ、ハラミといった肉が切り分けられて乗せられた大きな皿をテーブルに置かれる。


テーブル中央にある熱せられた網に肉を乗せると軽くジュウと音がする。


「おい、磯山。お前、目の下に隈ができているぞ」


と逸見は磯山の顔を見て告げると磯山は、


「やっとだ。やっと来週に人員が追加されるんだ。今までは俺ともう1人で今回の件を捌いていたんだがもう限界だ」


とビールを飲みレアに焼かれたカルビをタレにつけて食べる。


「順調なのか?」


「ああ、順調は順調だな。来週には兵器関連企業を中心にしてあちらにいく予定だな」


「技術格差が大きいらしいな」


と逸見は焼いたハラミをタレにつけて食べてビールを飲む。


「そうなんだよ。それには政府首脳陣も頭を抱えてな、それで来週の企業派遣に踏み切ったんだ」


「早すぎないか?」


「そうも言ってられない状況なんだ」


「どうしたんだ?」


「これも来週なんだが陸上自衛隊がコウ君に相談したらしいんだ。それでコウ君もな乗り気になって陸上自衛隊用の例の人型の兵器を作ることになったんだが、今な整備担当の自衛隊員が彼らの元に派遣されて整備方法を習っているんだが、その技術体系の違いから進んでいないようなんだよ」


「ああ、そうだろうなどう見ても謎技術だものな」


と逸見はキムチを箸で摘んで食べてビールを流し込む。


「でもな来週にはその機体が陸自に納入されるんだ。まぁ、初めは向こうの人間が対応するらしいがな。それでそれに合わせて企業を送りこもうと言うわけだ」


「他の自衛隊は?」


「空自も頼んでいるらしいが詳しいことはまだ聞いていないな」


「もうすぐ彼らが現れてから3ヶ月か、他の国への対応はどうなっているんだ?」


「一応、半年後に情報を出すようだが他国は信じないだろうな」


「確かにな」


と2人は追加の生ビールを頼む。



◇惑星アイア 日本仮拠点の島


陸上自衛隊の面々は嬉しそうに目の前に並ぶ機体を見ている。その機体は濃い緑で塗装されていて体高は8mある。それが駐機姿勢で片膝をついてコクピットハッチを開けている。その機体が6機並ぶ。


その機体の1機の周りを自衛隊の整備担当が囲んでドワーフの説明を聞いていた。その説明が終わったのか整備員とドワーフは機体の周りを開けると搭乗の指示が出る。


この機体は3名1組で操作する。乗員は車長、砲手、操縦士の3名。


車長が指揮をとり、砲手が各種兵装を操作、操縦士が機体を制御する。コウがノリノリで作ったこの機体は戦車をベースに考えられたためにこうなっている。コウは、


「陸上自衛隊の戦車と言えばヒトマルだよね」


と言いながら楽しそうに作成していた。


ずんぐりとした機体は防御力が高く、兵装は左手に大きな盾を持ち、右手には今回は魔道サブマシンガンを持つ、背面にはバックパックを背負っており右肩背面から伸びる砲塔は魔導弾砲塔で若干の可動域を持ち砲手の操作により可動する。


頭部部分は存在していない。頭部が無いせいか両肩のショルダー装甲がいかつく見える。前部から背部まで装甲を跳ね上げるように開口して最前部に操縦士、背後に正面から見て左側に正面を向いて車長でその右横に側面を見るように砲手の席がある。


自衛隊員らは乗り込むと稼働準備を始める。彼らはこの1ヶ月間の間にシミュレーター訓練を受けており、外壁外での魔物を狩り、魔力の含んだ食料をとることによって魔力を備えることに成功した面々である。


既に魔力感応操作も習熟していて、今回が初めての機体操作となるが各員に焦りは無い。次々にハッチが閉められて機体が立ち上がっていく。


背部右肩に伸びる砲塔も前に倒れて戦闘準備が出来たのが確認できる。


魔導リンクにより各機は結ばれて周辺情報が共有される。アーマー部隊が中型魔獣を追い込んでくるのがモニターにて確認できる。車長はそれらを確認すると操縦士に指示を出して作戦通りに展開していく。


車長はモニターに映る魔獣を確認すると砲手に射程に入った魔獣を指定して砲撃を開始する。


ズドン!


という音と共に魔法で加工された砲弾が撃ち出される。すると着弾と同時にモニターから魔獣のマークが消える。


車長は笑みを浮かべると他機と連携をしながら魔獣をしとめていく。最後の魔獣が仕留められると車長は安堵の溜め息を吐く。


「状況終了。これより帰投する」


と操縦士に指示を出す。操縦士も操縦に慣れたのか軽快に移動していく。


それをモニターで確認していたのは各企業から派遣された社員達だった。社員達は興奮していた。目の前で展開される事に目を引かれてモニターから目が離せない。


これは現実なのか?


何人かは自身の頬をつねっているのが見られた。それらの社員は総勢100名。


兵器関連の企業が主だ。


六角重工業、六角電気、山﨑重工業など十社だ。


全員、目を輝かしている。

お読みいただきありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 人型ロボットならH◯NDAあたりも来たそう DENS◯やK◯IT◯みたいな部品系大手も有力ですね
[良い点] 日本との共闘はワクワクしますな! [一言] そりゃ、目も輝くよねぇ 自分達でガチの戦闘ロボット作れる可能性があるし、日本からすれば手付かずの技術を手に入れられるチャンスだもの
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