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第185話 副総裁

この物語はフィクションです。登場する国・人物・団体・名称は架空で有り、実在のものとは関係ありません。

◇東京某所


「本当に起きていたとは」


磯山は逸見から受け取った鑑識のデータを見て呟く。資料に付いていた指紋も有元航平の物と一致した。


裏が取れた。


これにより磯山は動き始める。今日はあるパーティーに参加する。


このパーティーは政権与党である民自党が主催するパーティーで主だった民自党の議員や政権に協力している党の議員が参加する。


そんなパーティーに磯山は民自党の若手議員に招待されての参加だ。


会場に入ると磯山は招待してくれた若手議員を探す。暫く見渡すと飲み物を片手に談笑する姿を見つけ近づいていく。


「磯山くん、来てくれたんだね」


と参議院1年目の浪岡が満面の笑顔で声をかけてくる。


「浪岡さん、招待していただいてありがとうございます」


と磯山は軽く頭を下げると、


「ハハハ、総務省の若きエースに頭を下げられると困りますよ」


と浪岡は近くを通ったボーイから飲み物を受け取り磯山に渡す。


暫くすると幹事長の挨拶があり、パーティーが本格的に始まると続々と大物と言われる議員が会場に入ってくる。


磯山は浪岡に付いて周り、他の議員に挨拶をしていく。そこに、


「浪岡くんではないか。久しぶりだなガハハ」


と浪岡に声をかけて来た議員がいた。


「副総裁!お久しぶりです」


と浪岡は振り返り挨拶をする。そう、相手は民自党副総裁である麻東太郎であった。


磯山も浪岡から紹介されて挨拶を交わし、頭の中で麻東のプロフィールを思い出し、


「あの副総裁、突然で申し訳ありませんが個別で話をしたい事がありましてお願いできませんか?」


「磯山くん!やめなさい」


と浪岡は言うが麻東も興味が湧いたのかニヤリとして、


「くだらない話なら容赦しないぞ」


と目付きを鋭くして言う。磯山は姿勢を正して、


「日本の未来に関わる事です」


と麻東の目を見て言う。


「ガハハ、そうか。只野!部屋を用意しろ」


と麻東は近くにいた男に指示を出すと指示された男は早足で会場を出ていく。麻東はゆっくりと歩き出し、足を止めると


「何をしておる。付いてこい」


「はい」


と磯山は麻東に付いていくと浪岡は少し躊躇したが磯山の後を追う。


会場を出ると只野と呼ばれた男が待機していて先頭を歩く。1分も通路を歩くと只野は扉を開けて麻東を誘導する。


中に入る。そこはかなりの広さのホールでホールの真ん中にポツンとテーブルと椅子が4脚あるのが見える。


そのテーブルの席に座る。


「改めまして私は総務省に勤める磯山です。今回は私の大学の同期で渋谷警察署に勤める逸見という刑事からの依頼で動いています。まずはこの刑事が調べていた事件資料をお読み下さい」


と磯山はバーガーセットの事件資料を渡す。


「ふむ、この事件は聞いていたが本当にあった出来事なのだな。ほう、指紋も検出されて、その人物も特定されておるのか・・・・・何?指紋の男は既に死んでいると地下鉄での事故か・・・ハハハ、この刑事はやるな、自分で検証をして成功させて手紙のやり取りを成功させたのか・・・その手紙にも同じ指紋が検出されて、紙の成分も解析したと・・・・未知の植物か・・・異世界とでも言うのか」


と麻東はニヤリとする。


「そして先日ですが逸見はこの東京で指紋の男と出会いました」


「どう言うことだ?死んでいるのでは無いのか」


と麻東に資料を渡され読んでいた浪岡が顔を上げて言う。


「どうやら神の力により違う世界へと転生を果たし、今回は地球の危機を知らせるために来たと」


「ハハハ、おもしれえじゃねえか。異世界転生か」


と麻東は言う。この麻東はオタク文化に造形が深く、アニメに漫画やラノベにも精通している。磯山は次の資料を麻東に渡す。


「そして逸見は彼らが乗って来た宇宙船へと行きました」


麻東は目を見開き資料を読む。すると読み終わったのか顔を上げると


「信じられねえな。だがもし本当なら日本が・・いや世界が滅ぶか」


と麻東は何かを考えるように目を瞑る。そこに、


「その彼らとの連絡を取る手段があります」


とテーブルの上に青い石を置く。


「これは?」


と麻東が磯山に聞く、


「はい、これを手で握り連絡を取りたいと念じれば連絡が取れるそうです」


磯山は最後に逸見が宇宙船で経験した事を纏めた資料を麻東に渡す。それを麻東は読むと顔を上げて、


「エルフにウサギ耳と猫耳だと」


と嬉しそうに笑顔になる。


「磯山と言ったな。総務省勤務か明日からは事務次官の下につける。明日中には辞令が出るようにする。用意しておけ」


「は、はい」


と磯山は立ち上がり頭を下げる。


「それと浪岡。この事を誰にも話すんじゃねえぞ」


「はい、承知しています」


と浪岡は返す。 

お読みいただきありがとうございます。


いつも誤字報告ありがとうございます。現在、対応が遅れていますが感謝とお詫びに17:00にもう1話投稿します。


少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 某副総裁の漫画文化に造詣が深い設定ってこういう時に渡り付けるのに本当に便利ね まあ、表にそれが知れてる中では恐らく日本で1番立場が高い人だから当然っちゃ当然だけど
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