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第180話 地球

コウは少し考えた後、ナブを呼ぶ。


「ナブ」


『はい、マスター』


「念話は聞いていたか」


『はい、超長距離の念話の魔力を探知したのでモニターしていました』


「内容は聞いていたか?」


『はい、超長距離の為に念話魔力が漏れていたので所々欠けはありますがおおよそは分かりました』


「記録は取れているか?」


『はい』


「誰にも分からないように秘匿してくれ」


『はい、マスター』


「ナブ、聞いて分かっているとは思うが、地球という天の川銀河太陽系第3惑星になんらかの危機が2〜3年後に迫っているという。俺の故郷の星なんだ。探査ポッドを地球に送って大規模な自然災害や人類が滅亡するような戦争が起きる可能性があるか調べてくれ。あとはそうだな重力ドライブによる巡航速度を基準にして地球まで4年の距離に地球を滅ぼすような隕石が向かっていないかも調べてくれ」


『はい、マスター』


コウはふうと息を吐くと地球にまだ生きていると思われる両親を思い出す。


「まぁ、やるだけやってみるさ」


と呟いて自室を出て食堂へと向かう。


・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・


3ヶ月が過ぎたある日、


『マスター、地球に関する気になる探査結果が出ました』


「分かった、報告してくれ」


『まずは今現在までの探査結果ですが地球上で地球を滅ぼすような自然災害の兆候はありませんでした。戦争も紛争は各地で起きていますが人類が滅びるまでの戦争発生の兆候もありませんでした。次に地球外探査結果ですが今回用意した探査ポッドからの探査データには地球へと向かう隕石などは確認できませんでした。しかし、他の探査ポッドによるデータにて気になるデータを得ました』


とコウの目の前に立体ホログラフが浮かぶ。


「うん?これは」


『はい、これは宇宙害獣が生息している外苑のデータですがマークした地点にいる大規模な群れがどうやら天の川銀方向へと移動しています』


「どれくらいの速度なんだ?」


『現在の群れの速度ですともし太陽系を目指しているなら20年かかる速度です』


「これだけではなんとも言えないな。監視は続けてくれ。それと他にも何かないかも調べてくれ」


『はい、マスター』



◇地球 日本 東京 某警察署


「先輩、例の紙の解析結果が出ました」


と後輩の中川が逸見に声をかける。昼食であるコンビニ弁当を食べ終えた逸見は500mlのお茶のペットボトルを開けて一口飲んでから答える。


「声がでけえよ中川」


と逸見は辺りを見渡す。周りに並ぶデスクの殆どは空いていて昼食に出かけているか捜査に出ていて不在だ。


ふぅ〜と逸見は息を吐くと中川から解析結果が書かれた報告書を読む。読み終わると、


「未知の植物か・・」


「先輩、間違いなく異世界からのものですよ」


と中川は嬉しそうに笑顔になる。


「ああ、そうなんだろうな」


「そうですよそうですよ。剣と魔法の世界なんですかね?それとラボの奴らが何処で手に入れたと騒いで大変でした」


「それは悪かったな」


「今度、夕食奢ってくださいよ」


「ああ、分かった分かった」


と手をシッシッと払うように中川に振ると中川は笑顔で自分のデスクへと戻っていく。


「剣と魔法の世界か、それとも高度に科学が発達した世界なのか・・・興味はあるな」


と考えながらコンビニ弁当の空の容器をゴミ箱に入れる。


逸見は日が入り込んで来る窓の外を眺めながら考える、


「もう一度、手紙が来ると良いのだがな。無理か」


逸見は無意識にデスクの上に置いてあったタバコから1本取り出して口に咥えると、


「逸見さん」


と年配の事務員に肩を叩かれる。なんだと振り返ると


「タバコ」


と言われて自分がタバコを咥えていたと認識して咥えていたタバコを元に戻す。それを見た事務員は自分のデスクへと帰っていく。


「さて、外回りに行くか。中川!行くぞ」


「はい、先輩」


と中川は逸見の後を小走りで追う。 

お読みいただきありがとうございます。


明日から水曜、日曜投稿に戻ります。


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