第147話 交戦
「コウ達も出たわね」
とルカはモニターを見て、
「サイとタキノの機体が速度を上げたわね」と直ぐにルカの機体の側をサイとタキノの機体が通過する。
「仕方がないわね」とタッチスクリーンを操作して細かい状況データをサイとタキノへと送る。
「あら、彼方も何か出して来たわね。50かな」
とステルス探査ポッドから送られてきたデータを眺め、
「人型の機体。体高は10mか。私たちの機体よりは大きいけど装備や移動方法から考えると脅威にはならないわね」
『はい、ルカ』とヘルミナの乗る機体がルカの機体の横に並ぶ。
「来たわねヘルミナ」
『状況はどうかしら』
「今、データを送ったわ」
『人型の機体ね。まずはこれからかしら』
「そうね」とルカが答えるとヘルミナの機体は腰に装備された大型の魔導ライフルを準備して構える。その魔導ライフルは長さ10mある。
ヘルミナの機体から魔導ライフルへとエネルギーが充填されていく。
「データリンク確認。敵推測データ補正開始・・完了。行くわよ」
とヘルミナは機体を操作して敵をロックオンすると長距離射撃を開始する。
魔導ライフルのエネルギーが魔導ライフル先端に収束すると大きな魔法陣が展開される。それが光ると光の線が宙空へと伸びる。
モニターを見ていたヘルミナは目標が消えたことを確認してルカから送られるデータを元に次の目標をロックオンしていく。
「始まったな」
とタキノは前方で爆発する敵の機体を見る。
『始めるぞ』
とサイから通信が入りタキノは機体を操作。背部重力ドライブの上に装備されている魔導ビームサーベルを両肩に装備されている副腕で掴むと主腕も腰部に装備された魔導ビームサーベルをつかむ。
4刀流。
背部重力ドライブ下部にはあと2腕の副腕があるが、訓練不足により現在は4刀まで操作できる。その機体が構えて、
「参る」
とタキノは機体を加速していく。敵の機体が持つ武装から何かが発射されたが、それをビームサーベルで斬る。
相手は慌てて回避行動を取るがタキノの機体は相手の動きを上回り接近。すれ違いざまに相手機体を両断。
相手機体は閃光に包まれて爆発。
タキノは各機とのリンクデータにより敵を選別して目標を設定。相手に速度を上げて接近していく。
「さて俺も負けてられねえな」
とサイはルカから送られたデータを元に目標を選択すると、背面重力ドライブ上に装備された副腕が立ち上がる。
「光魔法しか今は使えねえが十分だな」
機体を操作すると副腕に装備された触媒宝石が光る。するとサイの機体を中心に囲むように魔法陣が20展開する。
「喰らえ!」
とサイが言うと一斉に魔法陣が光り光の矢が20の目標へと飛翔する。敵へと着弾する様子をモニターで確認すると機体を操作して宙空を駆ける。
◇????宇宙戦艦内。
「何が起きている」
と提督は次々にモニターから消えていく自軍のアーマードスーツのマーカー見て呟く。
「提督!アーマードスーツ部隊が壊滅!全滅です!て、撤退を進言します」
「馬鹿な!50機ものアーマードスーツが10分も経たずに全滅だと・・・ま、まだだ。各艦!ビーム砲斉射準備!目標は敵宇宙艦!」
「提督!大変です!各艦のシールドが消滅していきます!」
「な、何が起きている!」
「ふふふ、敵のシールドを中和をする事に成功ね。このデータを各機に送りましょう」とルカは笑う。
『ねえ、ルカ。』
「何!ヘルミナ」
『装備を変えたいんだけど』
「了解。と言うことは対艦船用装備ね」
『そうよ。お願いね』と通信が切れるとルカはタッチパネルを操作。
「No.5コンテナパージ・・・展開と・・ヘルミナ。コンテナを展開したわ受け取って」
『了解。確認したわ』と機体装備を交換していく。
「さてと交換は済んだわね」とヘルミナは装備を確認していく。
「エネルギー供給ケーブル接続・・・完了。エネルギー充填開始・・・完了まで10、9、8、7、6、5、4、3、2、1・・完了」
ヘルミナの機体の前方には長さ30mの砲身が的に向けて準備が完了している。ヘルミナはルカから送られたシールドを中和された船のマーカーを見て目標を選択する。
「初めての使用ね。何かワクワクするわ」
と引き金を引く。すると砲身が帯電して光り魔法加工された実弾を発射。所謂、レールガン。魔導レールガンである。
一瞬の閃光と共に敵艦に命中して内部で爆発。一瞬にして敵駆逐艦級の船を撃沈させる。
◇????宇宙戦艦内。
「提督!駆逐艦が敵の攻撃により撃沈されました!」
「何!」
「提督!艦隊直上より接近する敵影あり!ロストしていた5機目です!」
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