第14話 冒険者ギルド
兵士に連れられて大きな建物の前に来た。看板に冒険者ギルドと書いてある。
「ここだ。手続きが終わったらまた門までくるんだぞ」と言い兵士は去っていく。
ふと思う。看板を見て確信。普通に現地人と喋ったけどおかしいよね。文字も読める。これは創造神のお詫びに含まれているのかな。
まぁ、考えるのは後だ色々やってしまおう。と扉を開けて冒険者ギルドの中に入る。
左に酒場?食堂?。前に受付。左後ろの掲示板に色々と紙が貼ってある。あれが依頼票とかなのだろう。
受付に並んでいる者はいない。1番近い右端の受付にいく。若い女が座っている。
「何か御用ですか?」と微笑みつつ聞いてくる。
「登録お願いします」と言うと途端に女は態度を変える。
「魔力を感じられませんがダメなのでは?」
「無料と聞いていますが」
「では銀貨3枚で良いわ」
「魔力があれば良いのですか」と聞くと鼻で笑われたので前のみ体表の結界を解除。
「ヒィィィ!」と女は椅子を後ろに倒して尻餅をつく。そこに、
「クレアちゃん、どうした?」と冒険者らしき男が近づいてくる。航平が振り向くと、
「お前!クレアちゃんに何をした!」と航平の肩を掴もうとしたところで航平は全周囲の体表の結界を解除。辺りに濃密な魔力が発散される。
「ぐぅぅ」と男は尻餅を付き汗をダラダラと流し始める。すると2階からバタンと音がすると階段をダンダンと音をさせて降りてくる男が1人、
「何事だ!」と声を上げるので説明する。
「そこに転がっている女の受付が登録しようとしたら魔力が無いから登録出来ない、したかったら3銀貨払えと言って来たので、お望み通り魔力を解放したのですが」
「本当か?」と隣の受付の女性に尋ねるとコクンと女性は頷く。
「またお前か。今度何か起こしたら首と言っておいたよな」と転がっている女性を睨む。男は溜め息を吐くと、
「クレア、お前は今日で首だ。今すぐ出て行け」
「そんな、私はトルド商会の娘ですよ。そんな事したらどうなるか分かっているのでしょうね」と女は男を睨む。
「おいおい。高々辺境の商会が冒険者ギルドに何が出来ると思っているんだ」と睨む。女は、
「ふんっ!」と言ってこちらを睨みつつその場を後にする。
「おい、それとお前。もう魔力を引っ込めろ」と言われたので体表に結界を展開する。すると周りはホッとしたような雰囲気になる。
「それで登録だったか?ミリー、登録してやってくれ」と隣の受付の女性に声を掛ける。
「こちらへどうぞ」と言われて横に移ると、
「登録で宜しいですか?」
「はい」
「ではこの紙に必要事項を記入をお願いします。もし書けなかったら代筆もしますよ」とニッコリ笑う。天使か。
「いえ、大丈夫だと思います」とペンを取り書き込んで受付に渡す。受け取った受付は魔導具に紙を挟み、
「ではこちらの水晶に手を置いてください」と言われて水晶の上に手を置く。手を置くと少し光る。
「もう良いですよ」と言われて手を離すと、
「ギルドプレートです」と銀色のプレートを渡される。
「このギルドプレートにはコウ様の魔力が登録されておりコウ様しか使うことが出来ません。無くしますと再発行に銀貨10枚かかりますのでお気をつけください。後の細かいギルドのルールはこちらに書いてありますのでご確認ください。文字が読めない場合は代読しますので必要な際はお申し付けください。宜しいですか?」
「大丈夫です。あと買取をお願いしたいのですが」
「1番左の買取カウンターで買取希望の物をお出しください」とペコリと女性がお辞儀をする。反射でこちらもお辞儀を返す。こんなところは何か日本人だな俺。とか思う。
言われた左はじのカウンターにいくと、
「買取か」といかつい親父が聞いてくる。
「はい」
「じゃあ、ここに出せ。足りるか?」
「多分」と収納からホーンラビットを6羽出す。勿論、頭も。
「おお、状態が良いな。身体に傷ひとつねぇ。血抜きと内臓の取り出しも問題ねえな。魔石はねえのか?」
「あります」と6つ出す。
「よし、待ってろ」と親父は裏に物を運んで行く。
「おお、状態も良いし角の欠けもねえな。少し色を付けて7200リルで小銀貨7枚と大銅貨2枚だな。良いか?」と言われて答えようとすると後ろから、
「おい、親父!俺らが納品した時と大分違うじゃないか」と若い冒険者が怒鳴る。
「ああ?文句あんのか?お前らのはこれだろ」とボロボロに刻まれたホーンラビットが机の上に出される。
「おい、こっちを見ろ。これが同じとでも言うのか?少しの金になっただけでもありがたく思え」と若い冒険者を睨む。するとなぜか俺を睨んでからすごすごと下がる。
「悪かったな。近頃の奴はダメでよう」と悲しそうな顔をする。買取出来ない物でも買取っているのに文句を言われ切ないのだろう。お金を受け取り、
「これからもよろしくお願いしますね」と頭を下げると、
「おう」とおっちゃんは笑顔で答えてくれる。
受付の女性の所へと戻り、
「あのこの辺で値段の割に良い宿はありますか?」と聞く、
「そうですね。ここを出て左3軒隣に夕暮れ亭と言う宿兼食堂があります。そこでどうでしょうか?お値段も安いですし設備も値段の割には整っています。後、1階にある食堂も安くて美味しいと評判ですよ」とニコリと教えてくれる。
「では行ってみます。ありがとうございました」とギルド出る。暫く歩くとー男3人に囲まれる。
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