第134話 鉱山都市での戦闘
翌日は町を散策する。鉱山都市からの中継地点として栄えるこの街には鉱山都市から運ばれた鉱石を使って鍛治が盛んで武器防具を作り武器防具屋が多い。
それをタキノを先頭にして見ていくがタキノが師匠に譲り受けたという剣に及ぶ物はなく、ガッカリして店を出る。
タキノに何故もう1本欲しいか聞くと予備と2刀を使ってみたいと返って来た。
「タキノ、私が作りましょうか?」
とコウが聞くとどんなものが作れるのかと言うことで以前に作った剣を見せるとタキノは目を輝かせて、
「コウ、お願いする。それで武器屋で聞いた話なんだが鉱山には金を払えば採掘できるらしくてな、自分の分は採掘しにいきたいのだが良いか?」
と言われたのでサイにも確認をとり了承されたので鉱山都市へと向かうこととなった。
翌日には鉱山都市に着き、採掘現場を見学後、翌日に採掘をすることにして宿をとり休むこととなった。
翌朝、外の慌ただしさに目を覚ますと突然に鐘の音が響き渡る。なんだなんだと3人は起きて外を伺うと鎧を着た兵士が多数鉱山都市に侵入しており、建物を壊し住民を追い立てている。
3人は急いで用意して外に出ると兵士10人に囲まれる。
「その方らは何者だ」
とその中では偉そうな兵士に誰何される。コウは、
「お前らこそ何者だ」
と兵士の質問には答えず逆に質問をする。
「生意気な小僧だ。皆のもの斬れ」
と言うと兵士たちは一斉に剣を抜く。それを見たサイとタキノはニヤリと笑い、サイが
「死にたいようだな」
と不敵に言い放つと、
「死ね!」
と兵士が切り掛かって来るがタキノが低い姿勢から身体強化を効かして前進して懐に入り、
「シッ!」
と抜剣して兵士を切断して上下に別れさせる。それを見た他の兵士は一歩後退るが、
「ええい、何をしておるか斬れ斬れい!」
と偉そうな奴が唾を飛ばして叫び、それに呼応するかのように一斉に切り掛かってくるがサイの結界により阻まれる。それを見たタキノは更に加速して2人目を斬り、3人、4人、5人と切り倒していく。他の兵士もなんとかタキノを止めようとするも、サイの火の玉の援護により阻まれてタキノは兵士達を蹂躙して行く。
最後に偉そうな奴を切り伏せるとタキノは、
「こいつらの鎧の紋章からするとアの国の者達だな」
と転がっている兵士たちを観ながら呟く。
「アの国の者だとすると鉱山都市の占領が目的か」
とサイが言いコウが、
「これだけでは無いでしょう。私たちの行動を邪魔したのです。やってしまいますか」
と言うとサイとタキノはニヤリと笑い、アの国の者が侵入して塞いでいるであろう町の入り口を目指す。この都市は鉱山に囲まれており入り口は街道に面した一箇所しかなく、タキノの説明では高山を迂回してアの国の者たちは入り口を塞いでいるのではないかと予想する。
3人は並んで歩き入り口を目指す。歩いているとタキノが喋り出す、
「こんな事は20年に近く起きてい無いと聞いていたんだがな」
と言うとサイが、
「ははは、コウがいるからな」
笑いながら話す。コウは肩をすくめて、
「偶然ですよ偶然」
と力なく言うと、サイとタキノは笑う。入り口が見えてくるとそこには入り口を塞ぐように兵士が千人以上布陣していて、その奥には豪奢な鎧を着たものが2人にそれを守るように囲む黒い鎧を着た者が30人程いる。
3人を見つけた兵士が、
「止まれ!何者だ!」
と言うがタキノは構わず身体強化をして走り出す。それを見たサイも身体強化をして追随する。コウはゆっくりと歩いていく。
物凄い速さで走り寄るタキノに気がついた兵士たちが槍を構えるがタキノは構わず突っ込んで槍を剣でかち上げて、さらに加速して突っ込んで行く。
タキノは剣を振るい、バッタバッタと兵士を斬って行く。兵士もやられまいとタキノを囲もうとするがタキノの後ろから来たサイの魔法攻撃により妨害されてタキノの進撃を妨害することに失敗する。
兵士の中央部が崩れると豪奢な2人を守る30人の黒鎧がタキノの前に立ち塞がる。その30人は精鋭のようで兵士を斬ったようには進まずタキノは足を停められるが構わず剣を振るう。
サイは兵士たちを無力化していきタキノの近くまで行くとタキノの支援を始める。左右から黒鎧が斬りかかるもサイはタキノを守るように結界を展開して防御する。
「すまねえ!」
とタキノはサイに振り返らずに言うとサイはニヤリと笑い、
「貸な」
と一言。タキノは、
「チッ!」
と舌打ちをして黒鎧を斬り倒して行く。黒鎧の数が5人まで減った所で豪奢な鎧の男が前に出てきて、
「我をアの国の第2皇子と知っての狼藉か!」
と言われるがタキノは、
「知らねえなぁ」
と言いながら黒鎧供を殲滅することに成功する。サイも追いつきタキノの横に並ぶ。コウはまだゆっくりと歩きながら進んで襲ってくる兵士を地面に穴を開けては落として首だけ出して埋めていく。
タキノが剣を突きつけて豪奢な鎧二人を停めているとやっとコウがサイとタキノに追いつく、
「遅えぞコウ」
と豪奢な鎧の者に目を向けて逸らさずタキノは言うが、
「タキノが早すぎるんですよ」
とコウは飄々と言う。
「こいつらどうする」
とタキノがいい。サイが、
「殺しましょうか」
と言うと豪奢な鎧の2人はビクッとする。
「それは後で面倒になりますからウの国の者が来たら引き渡しましょう」
とコウが言うと豪奢な2人は安堵するがタキノが、
「じゃあ、逆さに吊るしておくか」
と言うとサイが、
「手足を斬って動け無いようにしましょうか」
と言うと豪奢な2人は顔を青くすると、それを見たコウ、サイ、タキノは笑う。
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