表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

128/290

第128話 小国郡へ

コウ達はナブの情報により、この大陸にある小国群を巡ることにする。


この大陸は然程大きくはないが、この山々に囲まれた魔物使いが住んでいる地域を山を越えて行けば、そこに8つの小さな小国家がある。


先ずは森を抜けて山を越えるのだが、飛空艇では無くのんびりと徒歩で向かうこととなった。


コウ達は野営をしながら進む。


夜は焚き火を囲み、寝るときは結界を張って寝る。


焚き火がパチっと弾けて火の粉が舞う。木々の隙間からは満天の星空が見える。2人は焚き火に当たりチビチビと酒を飲みながらくだらない話をする。


それもまた面白い。


風魔は風魔でコウの近くで焚き火に当たり寝ている。気持ちよさそうだ。


そんな移動を続けること1か月かけて山を越える。山頂では平野が広がっているのが見える。それ程文明が進んでいるようには見えない。


更に半月をかけて山を降りると疎に森があり川が山から流れて豊かな平野が続く。この近くにはまだ街などは見えない。


2人はゆっくりと平野を歩く、その上空では風魔が気持ち良さそうに旋回している。


さて、日も落ちて来た事だし野営の準備でもしようかと考えていると、


「キュウ!」と風魔が鳴く。そして風魔が飛んでいく方を見ると町の物と見える外壁が見えた。


流石に今から向かうと日が暮れるので今日はここで野営となる。


翌日は朝から街へと向かう。ゆっくりノンビリと移動したので2時間掛かった。だが、目の前の外壁には小さな扉しかないし門を守る兵もいない。


仕方がないので外壁沿いに歩いて行くと到達した外壁とは反対側にある門に着く。ここの門は既に開いており門を守る兵士もいる。


街に入る時に何か調べられるかと思ったが何も無く入れた。警備が緩い。


中に入ると意外に大きな街なのだが活気がないし、人も少なく感じる。疎に開いている商店に寄り色々と聞きながら町を歩く。とりあえずは商店で聞いたオススメの宿に行き2人部屋を取り部屋で作戦会議。風魔は街には入れずに外で待機。


「どうしますかね。何かこの街は活気がありません」


「そうだな俺もそう思う」とサイは小腹を埋めるために唐揚げを食べる。


「各種ギルドもこの街にはありませんし、少し情報収集したら街は出ましょう」


「じゃあ、今日は情報収集だな」と言いながら唐揚げをパクリと食べてジンジャーエールを噎せながら飲む。


休憩を済ませて情報収集の為に街に出る。数時間の調査の結果、色々とわかってくる。


先ずはこの国の名前をイの国。そしてこの街は果ての町ルギア。昔は魔物から国を守る防波堤として機能していたが年が経つにつれて魔物の数が減り、魔物素材も取れなくなり他の産業も何もなく寂れた街となった。昔は冒険者ギルドや商業ギルドもあったが今では閉鎖されて次の街まで行かないと無い。


今回は商店にて素材を売った為にこの大陸の貨幣を手に入れたが、持ち手が少ないので直ぐに次の町に行くこととなった。


翌日は朝早くから宿を出て移動する。


夕方には次の町ランドアに到着。門兵にオススメの宿と商業ギルドの場所を聞いて、先ずは商業ギルドでお金を調達する。それが終わるとオススメの宿を取り泊まることとなった。部屋に入ると、


「済まんなコウ」とサイは肩を落としている。


「お金ですか?それは良いですよ。無駄に有りますしね。それにサイには働いてもらいますし。取り敢えずは我が商店の番頭としましょう。それと念の為に商業ギルドに登録もしましょうか」


「そうか。登録するのは構わん。冒険者の方は良いのか?」


「どうやら大陸全体で魔物の数が減っていて冒険者の需要が激減していると商業ギルドで聞きました。ほぼ、商人の護衛しか無いみたいですね。盗賊は何処にでもいるようですが」と苦い顔をする。


「明日は情報収集か?」


「そうですね」とコウはベッドに寝転ぶ。


「コウ、夜飯はどうする?」


「折角ですので外で食べましょうか」とコウは起き上がる。


「ふふふ、初めての大陸での食事か美味しいものがあれば良いな」とサイも立ち上がり宿を2人でる。


翌日は朝から情報収集に出かける。


「昨日の夜飯は参ったな・・芋芋芋だったからな。不味くは無いのが救いだが流石に飽きる」とサイ。


「ふふふ、多分この大陸での主食が芋なのでしょうね。お店の人に聞いたのですがもう少し進んだ町は畜産が盛んで腸詰が美味しいらしいですよ」とコウはニコリ。


「うん?腸詰?」とサイは首を傾げる。


「ソーセージですよ」


「そうかソーセージか。それは楽しみだ」と笑顔でサイは答える。


色々と調査の結果。この町では農業が盛んで次の町は畜産が盛んで良い水も摂れて美味いエールやラガーが飲めるという事が分かった。この情報により直ぐに次の町に向かう事が決定。翌日の朝には次の街へと向かう。


街を出ると風魔がコウの方に舞い降りる。


「何も有りませんでしたか」とコウは風魔を撫でると、


「キュウ」と風魔は鳴く。


「そうですか。それでは警戒を頼みますね」とコウが言うと風魔は、


「キュウ!」と鳴き上空へと羽ばたく。


今日も良い天気です。直ぐ後ろにはサイが眠そうな顔をして歩いています。


しばらく歩いていると上空の風魔が、


「キュウ!」と荒々しく鳴きます。


ふむ、盗賊ですか。


「コウ、盗賊だな」とサイも気が付いたようで臨戦体制です。


少し歩いていくと、


「お前ら身包み置いていけ」と貧相な男達が10人ほど茂みから出てきた。 

お読みいただきありがとうございます。


少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ