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第127話 新たな仲間

ナブの情報により地上には降りずに内陸部を飛んでいく。ナブの情報によると、この地域には大きな町などは無く、道さえ整備されていない。所々に集落が点在しているだけだと言う。


その為に先ずは転移の魔法陣がある場所まで移動する。


数時間で魔法陣上空までくると降りて飛空挺を収納に入れる。


「少し蒸し暑いな」とサイは不快げに言うと、


「水魔法で薄く冷えた水を纏うと良いですよ」とコウが気軽に言う。


「そうかそんな使い方も出来るのか」とサイは納得して体に薄く水を纏い始める。数分もすると慣れたらしく平然とコウの後ろを付いてくる。


「ここですね」とコウは隠蔽された魔法陣を見つけると手慣れた手付きで魔法陣を調べていく。魔力を薄く魔法陣に浸透させて下に隠れている魔法陣を調べていく。


「ふむ、分かりましたよ」とコウは呟くと、


「そうかそれで何処に繋がっているんだ?」


「そうですね。これは他の大陸ですが私は行ったことがありません」


「まだ見ぬ大陸か」とサイはニヤッとする。


「そうですが実はここの集落に住む魔物使いが誘拐されて奴隷にされるという事がありましてね。この魔法陣はその誘拐した奴らが使っていた可能性があります」


「そうすると悪人ということか」とまたもやサイはニヤッとする。


「そういう事になりますね」とコウもニヤッとする。暫く2人でクックックと笑い合った後、近くの集落を訪れて見ることにする。


ナブの誘導のもと集落へと歩く。


2時間ほどで集落に着くがサイは肩で息をしている。どうやら身体強化を使わなかったようだ。それを言うとサイは「そうだった」と肩を落とす。まぁ体力が付くから良いのではと慰めておく。


気を取り直して集落に近づくと集落の入り口を守る男2人が槍をこちらに向けて、


「お前らは何だ!」と誰何してくる。


「怪しいものでは無いです」と言ってみたが2人で格好を見ると、まぁ不審者だ。どうみてもこの辺に住んでいる者の格好ではない。という事で、


「あのお聞きしたいのですが、この辺に住む魔物使いの方がいなくなるという事がありませんでしたか?」と聞いてみると相手の態度が変わる。


「お前らが拐ったのか!」と怒気を上げるが、


「いえ、偶々ですが魔導国という所で攫われた魔物使いの方と喋る機会がありまして」というと1人が集落の中に走っていく。暫くすると1人の老人を連れて男が戻ってくる。


「ワシはこの集落の長だ。それでお主達が攫われた魔物使いにあったという者かの」


「はい、正確には私です。言葉が通じなかった為に通訳をしました」


「それで連れさられたものは無事かの」


「いいえ、数人の魔物使いがいたと証言されましたが見つかったのは1人だけです」


「そうか」と長は沈痛な顔をする。


「それでどんな者たちが連れ去ったので?」


「ああ、あれはローブを着ていて風体は分からなんだが、恐ろしく魔法に長けた者たちじゃった。詠唱も短くてな。こちらが従える魔物たちで対抗したがヤられてしもうた」と悔しさを滲ませる。


「その者たちはその後現れましたか?」


「いいや、他の集落も襲ったようだが最近は現れておらんよ」


「そうですか、実はその者たちは拐った魔物使い達を使い国を襲いました。何とか食い止めることが出来ましたが気づかなければ国が滅びるほどの魔物の軍勢でした。私はその者達を追っています。見つけ次第殲滅しようと考えています。これで私たちは去りますがまた来ます。その時に何かあれば教えてください」


「おお、わかり申した。何かあれば来た時に伝えよう」と長がいうと突然目の前に大きな鳥の魔物が降りてくる。


「おお!」とサイが驚くが長は、


「これは珍しい。ウィンドバードか」と嬉しそうに話す。そのウィンドバードはコウを見て「キュウ」と鳴く。


「おほほ、これはこれはお主。このウィンドバードに好かれたの」と楽しそうに長は言う。


コウは収納からソーセージを出して与えると、こちらを見て食べていいのかと首を傾げてこちらを見るとコウは、


「良いぞ」


と声をかけると美味しそうにソーセージを食べる。すると食べ終わるとウィンドバードはコウの肩に乗る。


「これ程に好かれるとはの。お主、そのウィンドバードが気に入ったら魔力をウィンドバードに注いでみると良い」


コウは撫でるようにウィンドバードに魔力を注ぐと一瞬光り何かウィンドバードとの間に絆を感じる。


「ウィンドバードも受け入れたの。これでそのウィンドバードはお主の獣魔となった」


コウはウィンドバードを見ると


「そうだな」と呟き考え込むと、


「お前の名前は風魔だ」とウィンドバードにいうとウィンドバードは嬉しそうに、


「キュウ!」と鳴く。


それを見終わると長は、


「ではの」と集落に戻って行く。


体長が60㎝のウィンドバードは風魔法が使えて飛行の補助や敵からの攻撃の妨害や風の刃を飛ばして攻撃するという小さいながらも有能な魔物だ。


それに可愛い。


「良いな獣魔か」


サイはナブの端末により言葉を聞き取りは出来たが喋ることが出来なかった。そしてコウが獣魔を得たことを羨ましいグチグチと言っている。


ふふふ、新たな仲間ですね。 

お読みいただきありがとうございます。


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[良い点] ここに来て従魔が。いいね
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