第120話 領都ライバーンとギルドマスター
魔法国内も関は多かったですが魔法ギルドカードによりお金も払わずに通る事ができました。目の前には領都が見えます。
大きいですね。
魔法国ライネリオン領都ライバーン。街の中に入りました。中々大きな都市です。
ローブを着て杖を持つ者が多いですね。
アレンから事前に聞いていた情報だと、今入って来た門を起点にして下とすると、上部が国管轄の敷地となる。その範囲は都市の4分の1になる。
そこに魔法師達が引き篭っているという。
先ずは魔法師ギルドに行きます。アレンから預かっている紹介状を持って行きます。
魔法師ギルドの中に入り受付に魔法ギルドカードとアレンからの紹介状を受付嬢に渡すと、
「少々お待ちください」と受付嬢が奥へと入っていく。暫くすると、
「アレンからの紹介状を持って来たのは貴方ですか?」と魔法師にしてはガタイの良い男が受付嬢を伴い聞いてくる。
「はい、商人で魔法師のコウです」
「ふむ、紹介状は読ませて頂きましたが、俄かには信じ難い。出来れば直ぐに演習場で魔法を見せてもらえないだろうか?」
「良いですよ」とコウは答え、男を先頭に演習場へと移動する。
「名前はコウさんでしたか、ではあそこの的に適当な魔法を撃って下さい」と後ろに下がる。
「では」とコウは一歩前に出て右手を前に出して魔力を練ると5つの火の玉を浮かべて、それを的に向けて撃つ。
ゴウっと言う音と共に火の玉が飛翔して的に着弾。
バガァーンと的を弾け飛ばす。
それを見た魔法ギルドの男は口を開けて惚ける。
「これで良いですか?」と振り返りコウは問いかける。
「あ、ああ、問題ない。では応接室で少し話をしたいのだが良いか?」と男は頭を振り答える。
「大丈夫です」とコウは言い、男の先導により応接室へと入りソファーに座る。
「そういえば私は名乗ってなかったな。私は領都魔法ギルドのギルドマスターで有り、この国ライネリオン内の魔法ギルドを統括するグランドギルドマスターの魔導師ルークだ」
「はい、繰り返しになりますが商人で魔法師のコウです」
「アレンからの紹介状には書いてあったが、俄かには信じられなかった。だが、目の前で見させられてはな。コウさんで良いか」
「はい、構いません」
「もし可能ならば、コウさんの魔法を教えては頂けないか?勿論、報酬は出す」
う〜ん、どうしますかね。無詠唱魔法をギルドに教えていればその内国から何らかのアクションがありますかね。では受けましょうか。
「分かりました。受けましょう」
「そうかそうか!受けてくださるか!宿はもう決めたかね?」
「いいえ、まだです」
「では宿もこちらで用意しよう。それとギルドカードを出してくれ。教師役がC級と言う訳にも行くまい。特例だがA級とさせてもらう」
ギルドカードを渡すとギルドマスターは一度部屋を出るが直ぐに戻ってくる。カードが出来るまで魔法の事を話していると女性が入ってきてギルドマスターにカードを渡す。
「コウさん、これが新しいギルドカードです」少し豪華になったカードを渡される。
確認すると確かにAと書いてある。これで良いのかとは思うがくれるというので貰っておく。
その部屋でギルドマスターとは別れて女性の先導で再び受付にいく。そこでギルドが用意した宿の場所を聞き、宿に渡す書面を渡されて宿へと向かう。
空を見上げると青空が広がる。良い天気です。
街中を歩くととても活気が有ります。ある商店では新鮮な魚介類が置いてありますね。確か近くに港町があるとか言ってましたね。
時間がある時に行って見ましょうか。暫く歩くとギルドで教えて貰った宿の前に着きます。宿をコウは見上げる。
「これはギルドも奮発しましたね」とコウは呟く。宿は5階建ての豪奢な宿。とても一般の者が泊まる宿では無い。
中に入り受付へと向かう。中も豪華ですね。スタッフも背筋が伸びてキリキリと動いています。
うん、良い宿だ。
「いらっしゃいませ。お客様」と言われたのでギルドからの書面を渡すと、
「伺っております。ではこちらにお名前の記入をお願いします」と言われて記入する。それが終わると、スタッフが現れて部屋へと案内してくれる。
部屋は4階だ。それも広い部屋だ。スタッフから部屋の使い方や宿の説明を聞く。うん、設備も充実している。部屋にはトイレ(水洗)、シャワーが付いている。何ヶ所かボタンのようなものがあり、それを押すとスタッフが来ると言う。5階にはレストランとバーがあるのだとか。これはいくしかありませんね。
そう言えば魔法を教えるという事でしたが、どういう予定になるのでしょうか?聞いていませんね。まぁ、その内連絡がくるのでしょうね。と考えてベッドに寝転ぶ。
目を瞑るとどうしてもエイダイ殿と親父殿の事を思い出してしまう。もう少し早く着く事ができなかったのかと。
考えても仕方がないとは言え、どうしても考えてしまいます。
あの時は私も冷静では無かった。どうして生命の実を使わなかったのかとか考えてしまいます。多分、あの調子では生命の実を食することは出来なかったと思います。でも液体状にすりつぶした物であれば・・・。グルグルと考えてしまいます。
考えてみると親しかった者を失ったのは初めての経験でした。
苦しいですね。
とても苦しいです。
私が出来る事なんて高が知れています。でも私の手が届く範囲で親しい者を守りたいです。失いたくないです。
今度、今度、親しい者に何か有りそうな時は自重しません。宇宙船でも何でも使います。
もう、こんな苦しい思いをするのは嫌です。
お読みいただきありがとうございます。
残念なお知らせです。ストックが尽きました。何とか数日は自転車操業の様に文字を投げ込んで書いていましたが、これは良くないと判断しました。通常でもミスが多いのに更にミスが多いです。
そこで完全に更新を止めるには話が中途半端なので出来れば3週間程は水曜日と日曜日更新としたいと思います。
少しでも楽しみにして頂いている方達には申し訳ありません。何とかストックを1か月以上分を確保して、1日1話に戻りたいと思います。
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