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第115話 戦地へ

エイダイ殿に魔法を伝授する。エイダイ殿も初めは半信半疑といった所であったが、無魔法の結界から自身に地属性の適性が判明し、それが使えるようになってからは積極的に修練に励むようになり、数週間である程度の魔法が使えるようになる。


特に結界と身体強化は物になっており、自身の身体能力や武技によりかなりのレベルアップを図ることに成功する。


それを踏まえて魔法師に教えを伝授しようとしたところ、魔法師たちのプライドが高くコウの教えを受け入れず、まずは一般兵士に魔法を伝授することとなった。


一般の兵士は従順でエイダイ殿が決めた事を盲目的にこなすため、コウの教えを守り習熟することによって魔法が使える兵士が数十人誕生した。


元が農家の出が多かったせいか、使える属性は土が多く、ついで水と風が続き火が使えるのは稀であった。


そういった訓練を続けていると魔法師にも変化があった。


一般の兵士が使える魔法は属性こそ少ないにしても、魔法師よりも上手く使えるとなると、魔法師たちは慌てた。


それはしょうがないのであろう。たった数週間で自分達よりも魔法が使えるようになったのだから。


それからは魔法師もプライドを捨ててコウに教わることにより、数週間で魔法師もレベルアップすることに成功する。


「コウ殿、今回の件は誠に感謝する」とエイダイはコウの持つカップに酒を注ぐ。


「いえいえ、当たり前のことを当たり前に教えただけですよ」と酒をあおる。


2人はお互い笑いながらああでも無いこうでも無いと語らいながら過ごす。


コウにとっても良い話相手となるエイダイには好意を持って接した。


「心地よいのですよね」


とコウは酒を一口のみ隣で笑うエイダイを見る。


1ヶ月ほど魔法指導をすると殆どの者が習熟し始めて、コウの手を離れて行った。もうそろそろ魔法国に向かおうかなと思っている時に事は起きる。


何やらナルカミ家の中が慌ただしい。


どう言う事かと聞いてみると従属している隣領からの要請により討伐軍を編成するにあたり従軍を要請されたと。


それの準備や情報収集で忙しいらしい。エイダイや親父さんも砦に行っていていない。


エイダイ殿達が帰って来た。詳しい話を聞くとナルカミ家は今回は留守番になるとか。エイダイの兄であるマイドニが責任者となり砦に詰める。エイダイと親父さんはそのサポートとなる。


「コウ殿、少し良いか」とエイダイ殿が部屋を訪ねてくる。


「良いですよ」とエイダイを招き入れる。少しの雑談の後、


「それでなコウ殿、お願いがあるのだが」と言いづらそうに話をする。


「なんでしょうか?」


「今回の従軍では領主様も出征なさることとなった。此度は我が家は留守を預かることとなったが、魔法師と魔法が使える兵士は従軍させることとなった。それでコウ殿、其方にそれを率いて行ってもらいたいのだ」とエイダイはコウの目を真っ直ぐ見つめる。それを聞いたコウは少し考えて、


「良いですよ」と答える。


色々と補足の話を聞くと領主に世継ぎはいるがまだ幼く3歳で、今領主が亡くなると大変なことになる。それで虎の子の魔法師と魔法が使える兵士を出してでも守りたいということらしい。


従軍理由も請われたと言うのもあるが、主力はあくまで隣領で我々の軍は予備だと言う。


まぁ、領主様の箔付ですね。


他の3方の領とも友好関係を築けていることから問題がないというのもある。


それなら安心していけますね。他の大陸の戦闘というのも興味がありますし楽しみです。


それからは魔法師と魔法が使える兵士、魔法兵士の連携訓練と物資の調達などを行い数日が過ぎた。


まずは、領主様率いる主力軍1000が先行。続いて食料や予備の武具を積んだ荷馬車が続く。そして我々、ナルカミ軍200が最後尾につける。


良い天気で全ての兵士と魔法師が荷馬車に揺られて隣領へと入って行きます。


何かゆったりしています。


伝令が来て既に領主様は隣領の軍と合流して戦地へと移動を開始したと言われました。


まぁ、私たちは予備の予備ですからゆっくり行きましょう。


途中野営して戦地へと向かいます。そこに、


『マスター』


「どうしたナブ」


『右領が攻め込んで来ました』


「!!、それで状況はどうだ」


『現在は領境の砦を囲んでいます』


「敵の数は?」


『1500です』


「不味いな」とは思うが、どうやってその情報を得たのか説明出来ないので、誰にも相談出来ない。


出来ることは行軍を遅らせる事。


色々と理由を付けては行軍を遅らせる。すると半日経つと伝令の馬が来る。


マルノス領が攻められている。


これを聞いて先行している領主様に伝令を走らせて我々は戻る。


馬に無理をさせて駆ける。


後少しでマルノス領と言うところで、


『マスター、敵軍は領境の砦に500を残し領都へと進軍しました』


急がなければならない。 

お読みいただきありがとうございます。


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[一言] 隣敵なんやね
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