第107話 また遺跡へ
今日は朝から遺跡探索に出かけます。行く場所は未探索地域です。
数日間の準備をして出かけます。
ソーサリーアーマーに乗り大地を駆けます。天気も良いですし気分も上々ですね。ふふふ。
前に探索した遺跡を過ぎて奥へと進みます。まだ、ここら辺は探索された地域です。魔物もそれほど強くありません。順調です。
この日は順調に進み、日暮れとなり野営します。ソーサリーアーマーの周りに結界を張る魔道具を置き起動させます。これで中級レベルの魔物なら問題ありません。
適当な物を出して夕食を食べます。まぁ、ボア丼です。
最後にコーヒーを飲みながら夜空を見上げます。ああ、綺麗ですね。この世界にも月はあります。何か地球と似ていますね。でも地球では魔法は使えませんでしたし、魔物も居ませんでした。
何が違うのでしょうか?でもアレです魔物は居ませんでしたが物語には魔法は出てきました。もしかしたら実は魔法は使えたのかもしれません。
まぁ、考えてもしょうがありませんね。もう、寝ましょう。
翌朝、起きて簡単な朝食を取りソーサリーアーマーで奥へと向かいます。
中々、強い魔物がちらほらと現れます。
そろそろ、未探索地域に入ります。おお、ギガントベアです。デカいですね。
巨体に似合わず身軽な動きです。
・・・ですがそれだけです。簡単に首を落とします。一応、収納しときましょうか。
どうやらこの辺はギガントベアが多いですね。良く会います。
うん?雰囲気が変わりました。何でしょうか?何か薄い膜のような物を抜けた感じがします。
少しの間慎重に進みますが・・・・どう言うことか同じ場所をグルグルと回っているようです。何かの罠に嵌ってしまいました。
これがあるからここは未探索地域なのでしょうね。
戻ってみるとまた薄い膜のような物を抜けると通常の空間に戻れたようです。どうしましょうか?
ソーサリーアーマーの中から魔力を解放して膜があると思われる空間に放ちます。すると膜に反応が有りました。
更に魔力を強めると膜が弾け飛びます。
前に進むと膜を通る感覚はありません。進みます。
1時間ほど進むとまた膜を通る感覚がありますが何もありません。ですがしばらく進むと遺跡があります。
比較的綺麗で形があります。何かの施設の入り口ですね。ソーサリーアーマーを降りて建物の中に入ります。中には何もありません。前に扉があるだけです。
扉の右に何かコンソールがあります。でも色々と触ってみますがうんともすんともしません。もう壊れていて動かないか動力を動かす燃料がないのでしょうか?
コンソールに手を当てて魔力を流してみると、
《・・・・魔力紋を確認・・・該当者なし・・・・神気の存在を確認しました。上位者権限により魔力紋を登録します・・・・登録しました。施設を起動しますかYES/NO・・》
驚きましたね。動きましたよ。神気とは何でしょうか?まぁ、後でも良いでしょう。施設の起動ですか勿論、YESです。と選択すると扉が左右に開きました。
照明が点いて中にはもう一つ扉があり中に入ると扉が閉まり動き出します。勿論、下へと動いていますエレベーターです。
目標の場所に着いたのか扉が開きます。暗いですね。と一歩踏み出すと照明が点きました。
廊下というか通路を歩きますが左右には扉などは有りません。ただ、真っ直ぐな通路が続きます。
10分は歩いたでしょうか、やっと扉が見えます。
この扉は自動では開きませんね右にまたコンソールがあります。魔力を流すと、
《魔力紋を確認・・・・該当者あり。扉を開けます》
と扉が左右に開いていく。そこには・・・・、
「これは凄い」とコウは呟くと明かりに照らされた大きな物体を見つめる。
某所。
「先輩、調べてきましたよ」
「ああ、それで結果は?」
「該当者有りです」
「何もんだ?」
「それが確かに指紋は一致していたのですが・・」
「おい。勿体つけるな」
「は、はい、それが該当者は既に死んでいたのですよ」
「何だと!死んでいるだと。それで名前は?」
「有元 航平です。鉄道事故により死んでいます」
「確かなのか」
「はい、確かです」
「と言うと指紋が同じ別人ということか・・・例の件もあるしな」
「はい、ですがその件は国の上層部預かりとなったのでは?」
「そうだが調べるのは良いだろう」
「ですが・・」
「空想では無く集団誘拐とも言える召喚による異世界転移。そそられるだろう」
「そうなんですが。良いのですか?」
「問題無い。もう少しその有元の事を調べてくれ」
「はい、わかりました」と男は部屋を出ていく。
「ふふ、バーガーセットが袋ごと突然消えて金貨が残るとかな。これも異世界絡みだろうな。それにしても有元か。死んでいるとかラノベとかなら死後に異世界転生か転移か?死んでいるから転生か面白いな」と男は窓の外を眺める。
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