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第102話 ロラン

その日の夜はドラガンと飲みながらファントムアーマーや色々な事について話をした。


とても有意義な夜でした。


ドラガンとはたまに飲み、情報交換しようとなった。


今日は朝から素体となるファントムアーマーを分解して調査する。どこが変わっているのでしょうか?


ドラガンの話では、この素体が使えるようになったのは5年前から。それまでは魔獣の皮を装甲で挟んだものが使われて来たが、値段が高く上級の探索者しか手に入れる事が出来なかったと聞いている。


それが軍から魔獣の皮を使わない技術が使われているファントムアーマーの素体が提供されることとなった。これは探索者に魔物対策の戦力として活躍してもらえるようにと国が考えて提供したようだ。


殆どの遺跡は発掘済みだが、まだ手付かずの領域が存在している為に探索者に魔物の討伐をさせたいのだそうだ。


私の住んでいる大陸で見た魔法陣と比べても、かなり洗練されて効率化されている。これにより稼働時間も伸びているようだ。


更に装甲部分には魔物の皮は使われておらず、数種類の魔法陣で防御力を上げている。


物理耐性魔法陣、魔法耐性魔法陣、硬化魔法陣の3つ。この3つの魔法陣が各装甲に刻まれており機能している。


どれほどの効果があるか分からないが、普通に使われている事からある程度の効果はあるのだろう。


内蔵している燃料魔石も大きい。これは錬金術で合成されたものだ。かなり魔導国は進んでいる。


魔石への魔力補充は探索者ギルドやファントムホースの物であれば商業ギルドで補充が行える。かなり安価だとか。素晴らしいね。


中には専属の魔法師もいるらしいが、それは一部だとか。


素体ファントムアーマーからの新しい技術、主に魔法陣をソーサリーアーマーへとフィードバック。物理耐性魔法陣・魔法耐性魔法陣・硬化魔法陣を刻む。


多分だが軍のファントムアーマーも魔獣の皮と魔法陣の両方を使っていると思われる。


何処かのタイミングで探索者として遺跡に行ってみるのも良いかもしれません。というか絶対に行きます。遺跡とかロマンです。


う〜ん、もう少し情報が欲しいですね。図書館にでも行ってみましょうか。場所は商業ギルドででも聞いてみましょう。


商業ギルドで図書館の場所を聞いて来ています。


数日かけて図書館で調べましたが、それ程の情報はありませんでした。何か良い方法でもあれば良いのですがドラガンにでも聞いてみますか。


ドラガンに聞いたところ第2層の城壁内の工房兼研究所に知り合いがいると言う。そこを紹介してもらう事となった。


数日が経った頃に連絡があり第2層の壁を越える許可証が送られて来た。来る際にはソーサリーアーマーを持って来てくれとの事だった。


一度、連絡を入れてから行く日を確定してから行く事となった。


荷馬車にソーサリーアーマーを乗せて第2層の門へと行く。到着して許可証を見せるとあっさり通る事が出来た。


あとは案内書の通りに道を進み工房兼研究所を目指す。


この第2層は大きな建物が多い。ある大きな建物の前の広い敷地にはファントムアーマーの素体がずらりと並んでいる。ここは最終組み立て工場かな?興味は尽きない。


見る物すべてが新鮮だ。


工房兼研究所の前に着いた。ここも大きな建物と広い敷地がある。


入り口の警備の方に案内書を見せると中に通された。指定の場所で待っていると白衣を着た男が歩いてくる。何か目の下に隈がある。


「あなたがドラガンの?」


「はい、コウです」


「ふむ」と荷馬車をみるとソーサリーアーマーへと近づいていく。一通り見た所で、


「ここでは何ですからあちらから回って工房搬入口まで移動してください」と言って建物の中へと入って行く。


搬入口に近づくと先ほどの男が搬入口を開けて待っていた。少し息を切らしているようだ。肩で息をしている。


工房へと荷馬車を入れてソーサリーアーマーを降ろして荷馬車を外に出すと男が近寄ってきて、


「私はこの研究施設で主任研究員として働いているロランだ」


「私は探索者で商人のコウです」


「これはファントムアーマーではないんだな」


「はい、死霊魔術で動いているわけではありません」と言うとロランは目を見開く。


「死霊魔術だと何処で」


「え〜と魔法陣を読めますから」


「まさか古代魔法陣を読み取れるのか?」


「ええ、全てではないですが読めます」


「そんなことが有り得るのか・・・」


「かなりの数の古代書を読みましてそこから読み解いた物です」


「うん?この国では古代書は国で厳重に保管している。見れるはずはないのだが・・」


「ええ、私はこの大陸の人間では有りませんよ」


「という事は他の大陸から」


「そうです」


「だがファントムアーマーのことも詳しいと聞く。まさか難破した魔導船が他の大陸で修理した際にファントムアーマーの技術を教えたという話を聞いたことがあるが・・」


「はい、その大陸から来ました」


「成程な、ではこれはファントムアーマーを参考にして作られたという事か」


「はい、ですが中身はファントムアーマーとは別物です」とメンテナンスハッチを開けて内部構造を見せる。


「これは」とロランは目を剥く。

お読みいただきありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 一人称でドラガンと紹介されてある人物名が白衣を着た男からドルガンと呼ばれています
[気になる点] サブタイの話数が今回のみ全角英数表記になってます。
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