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12話 超ベリーバッド

ひねくれ卑屈主人公の、人間が出来ていない言動が続きます。

合わないと思ったそこのあなた。今からでも間に合う。他の小説に移るんだ。

 最悪だ…。



 別に昨日の発言を、後悔している、訳じゃない。


 あれは私の本心で、ほとんど事実だ。周りに深刻な被害を出す前に離れるべきなんだ。 


 なのに、なんだって、このタイミングで、



 風邪、引くかなぁ…。



 いや、原因は分かる。あの後ハロルドさん家に行くのも食堂に居るのも避けて、そこら辺の地面に鉄テント作って寝たからだ。


 戦いの疲労に加えて、風呂の後に髪の毛をちゃんと乾かしてなかったせいで多分冷えた。いつもなら太陽が出てる間にお風呂上がって鉄の鏡で太陽光を集めて髪を乾燥させてた。今回出た時はけっこう日が傾いてて熱量不足だったかな…。 


 あとはスティちゃんにキツイこと聞かせて、自己嫌悪ストレスがかかったのもダメだったか…。自業自得、ここに極まれり…。



 咳とか鼻水はそうでも無いけど、熱が凄い…。多分38℃は超えてるか? 体感?



 これ、は、移動できんでしょ…。


 情けなさ過ぎんよ…。“チョベリバ”よ…。

 懐かしいな、チョベリバ…。



 くそう、魔力があれば、一生風邪を引かないでも生きていけるくらいなのに、なんだって私は…。


 そうですか、天罰ですか。そうですね。

 イエス、アイ、ドゥ。ド畜生…。  



 …。



 とりあえず、水…。


「アクアァ…、お水、下さい…。」




 ──────────




 コンコンコンコン

 コンコンコンコン


 …ん?何の音…??



 ノックか?

 ノック4回を繰り返し? どこのホテルだ…、



 ──スティちゃんか?



 鉄テントの中で体を起こす。密閉してあるから日の光が無い中、ぼんやり緑色に光らせてる髪留めを掴んで壁際に寄る。


 あ、一応マスクしよ…。非魔種(わたし)ごときの風邪が一般魔力持ちにうつる訳無いけど…。



 鉄出して適当に顔半分を覆う。壁に手を付いて穴を開ける。


 うおっ? まぶしっ。



「スティちゃん?…何のよう?」

「お姉ちゃん…、どうしたの?」

「…いや、ちょっと風邪引い、た。近づかない、方が──」


 ──いいよ。と言おうとして、スティちゃんの手が額に伸びてきた。



「熱凄いよ!? お水取って来る!」

「水はあるからいい。いや、だからある、いいって! っえほ!」

「病気の時はちゃんと休まなきゃダメだよ!」


「ほっといたらなおるから、ほっといて。ねつ、ひ、ひいたらすぐどっかいく、から。」


「~~っ!! 分からず屋の! バカお姉ちゃん!!」


 すっごい大声で怒鳴ったスティちゃんは戻っていく。傍らにはワタワタしてる連絡員君が居た。何このペア?


 まあ、いいや。ねてよ…。


 マスクじゃま…。てつで顔おおうとかバカだよね…。  




 ──────────




 ガン!ガン!ガン!ガン!


 なに!?なに!?てきしゅう!?!?



 ガン!ガン!ガン!ガン!


 うるさっ、い! 鉄、槍、きど──



 ──待て待て待て!スティちゃんか!?




 念のため側面の方に穴を開けて顔を出す。


 スティちゃんが擂り粉木?で鉄テントをぶっ叩いてた。

 スティちゃんの後ろには鍋を持った人とか水差し?を持った人が居る。つーか、山賊顔さんも居るじゃん。 


 誰か止めろよ…。




「なにごと?」

「バカお姉ちゃんに! ご飯と! お水! あと薬!」


 擂り粉木を私の顔面に突き付けるスティちゃん。


 ええぇ、要らないって言ったじゃん…。つーか近づかないで、って言ったじゃん…。



「だか──」

「病人は!!! 大人しく! 看病されてろぉ!!」


 スティちゃんがなんかこわい!?


 なにこれ?ゆめ??



 私が開けた穴からテントの中に入ってきたスティちゃんは無理矢理私を横に寝かせて看病を開始する。

 私に薄味のスープをよそって飲ませて、疲労回復薬的な薬液を流し込んで、水で濡らした布をおでこに乗せてくる。


 頭回んない私は抵抗しようと、鉄テントを操作して穴を塞いだり外に出そうとしたり、

 するつもりだったんだけど…。



 穴は山賊顔が体を入れて抑えてきて、全体操作は大声で叱られて止められた。


 いや、もう何言ってるか聞き取れないよ…。



 何でももういいけど、ねれないからはやくどっかいって…。 


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