コトバのカケラ
哀しい眼の黒猫が
悲しい目で見ていたよ。
哀しい眼の黒猫が
悲しい目で見ていたよ。
無知の知があるのなら
無意味に意味もあるだろうと
考え続けた時間。
やっぱり答えは、出なかったよ。
「大好きっ」と昼間にはじけた言葉が
「すき……」と夜に溶け
「こんなものか」と朝になった。
あの時の落ち葉は
もう土に戻ったかしら。
記憶と一緒に。
常識や普通は人の数だけある。
最近知りました。
「愛している」と百万回叫んだところで
次の言葉が同じとは限らないんです。
現実から逃避した夢は
逃げられない夢と同じくらい
苦しいよ。
確かに明けない夜はないよ。
でも夜にならない朝もないんだよ。
何げない
コトバのカケラが突き刺さる。
心が泣いて血を流す。
薬をつけてあげたいけれど
ココロの居場所がわからない。
くよくよくよ
嘆くのは身体に悪いね。
でももし本当に後悔しない人がいたら、私は驚くよ。
そして怒鳴るよ。
「どこでアンタは自分を落としたんだ」ってね。
いいんじゃないかな、泣いても。
いいんじゃないかな、笑っても。
いいんじゃないかな、忘れても。
いいんじゃないかな、覚えていても。