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別に。

作者: おすず

「一人で生きていけそうだよね。」

 よく人から言われた。確かに、私は別に一人でも生きていける。

 あなたがいなくても。


 でも、一人で生きていけるようにならなければ、あなたと二人で生きていくのは到底無理なことだと思ったの。あなたに何かあった時に、支えられる人になりたかったから。

 

 それにね、あなたがいなくても生きていけるけど、私の人生にあなたがいつも傍にいてくれたら、きっと毎日が楽しくて、幸せだと思う。

 朝が苦手なあなたの寝顔を、こっそり覗いた時に生まれた優しい気持ちのまま、あなたの肩をゆすり起こして、用意しておいた朝食を一緒に食べる。

 短気なあなたの愚痴を聞くのも胸の奥がくすぐったくなるくらい心地良いし、子どもみたいな小さなわがままに、口先だけの文句をいいながら応えるのも楽しい。

 

 別に、それらがなくても問題はないけれど。

 

 ただ、あなたが傍にいてくれない人生は、つまらないだろうな。

 一人で目が覚めるベッドはどこか冷たく感じるし、ご飯の味がまたわかるようになるのには、あと何年かかるんだろう。

 その横顔も、返事の代わりに眉を上げる仕草も、優しい声も、毎晩夢に出てくるから、一生忘れられないだろうし、誰とどんなに腹を抱えるほど笑っても、どうしても何か足りなく感じるの。

 別に、あなたがいなくても、生きてはいけるけど。傍にいて欲しいな。


読んでいただき、ありがとうございます。

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