私は、異世界転生好きですよ
え、本当に読むの?
目を開けると、そこは真っ白な世界だった。いや、足元を雲が流れているから天界と言ったところだろうか。とにかく、そんな場所で目覚めた俺の目の前には細い身体をした老人がいた。
「誠に、申し訳「あの、これって何のなろう系ですかね?」」
老人が、言いづらそうに話し始めたのを割り込み、俺は言った。だって、先が読めたから、空気は読まなくても別に良いかなと思って。
まぁ、本当になろう系な訳ないのだけれど。因みになろう系とは、なろうに多く存在する異世界転生ものを称してそう呼ぶ。もちろん、悪い意味で。
「どうせ、手違いで死んでしまったとかでしょう?」
「!」
「ほらね」
やっぱりだ。小説としてならば、自分の命ではないので楽しめるが、現実となれば堪ったものじゃない。いや、ここは少し可哀想とか言っておけば読者からの好感度が上がるのではないだろうか?
「おーい、作者。いるんだろう?」
「おいおい、君。自分の死を知っておかしくなったのかい?」
どうせ目立ちたがりの作者に決まっている、と思い探してみるが見当たらない。あと、神様が意外と失礼だった。自分達が、殺したのに。さらに言えば、ありえないだろう、死神を兼任している訳でもないのに。
「出てこいよ、こんなくだらない企画考えた奴!せめて神様を出すなら、神々しさをプラスさせるとかしてみろよ!」
『分かった。やってみよう』
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目を開けると、そこは絶景が広がっていた。なんと言えばいいのか、現実では不可能といえるそんな光景が広がっていた。
「おう、目覚めたかい」
視線を抜けると、後光に照らされた男がいた。若く引き締まった身体を持ち、手に八俣の槍を持って仁王立ちを決めていた。そんな彼が漂わせる雰囲気は決して他者を脅かすものではなく、暖かく見守るような感じがした。
「すまねぇな、色々びっくりしてんだろ?」
男が、こちらを気遣うように言う。そんな、彼もまた素敵で特に、服の合間から見える鎖骨がなんとも言えなく。袖から、はち切れんばかりの二の腕には惚れ惚れしそうになる。あぁ、こんな男が欲しいと思ってしまうーーーー。
「って、いやならねぇよ!?」
「む?」
「いやさ、前半は拙さがあれど良かったよ。神様が、神々しく見えてたよ。でもさ、なんで急に俺がホモってるんだよ!おかしいだろ!絶対、テキトーか悪ふざけだろう!?」
『いやさ、主人公が作者を呼ぶ時点で物語が崩壊しているわけですよ。そこで、主人公には崩壊した物語のテーマを確立する義務があると思うのですよ」
「それで、BLだってか?」
『ウケるかなぁ、と』
結果、作者の悪ふざけだった。というか、原因をなすりつけようとしてきた。これ、作者が昨日の夜に閃いて書いたやつなのに。てか、なんで俺がそんな事を知っているんだろう?あれぇ?
『と、いった感じの暴走フルスロットル(?)な主人公の異世界転生を題材とした話になるかと』
作者が、良い感じに終わらせようとしたのが納得がいかない。そんな、感覚を覚える主人公だった。
「うむ、何か置いて行かれている気がするな」
と、言う彼の声は誰にも聞こえていなかった。
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あの、責めないでね?
作者、気弱だから。
それと、不定期で更新します。理由は作者が、書くことに慣れてないので。