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進行:解説開始

「ぐぅ……」

両腕にビリビリと衝撃が来る。

 しかし、ここで怯むわけにはいかなかった。

「おッ、らぁ!!」

思いっきり力を込めて、敵の剣を跳ね飛ばす。

「そこまでッ!!」

声が響く。

「両者武具を収めろ!」

すっ、と部屋にスカアハが入って来る。

 少女が右腕を下すのを認め、統矢も下ろす。

 ……? 下ろす?

 統矢が右腕を見やると、

「……ッ、な、何だこれ!?」

彼の右腕には、1振りの剣があった。

「なんだこれ……?」

「なんだこれとは……無意識とはいえ、君が出した武具だろう?」

武具……?

「武具って……あいつみたいな?でもこれ、科学で作られてる物には見えないんですが?」

彼が訝しげに眉をひそめると、

「そうだろうね、それは科学で造られた物ではないし」

「武具は、科学で造られた物ときいたんですが……」

「いや、そんなことはないよ?」

ケロっとした顔でスカアハは言う。

「まぁいい。君が戦わせられた理由も含め、私なら銀芽(ぎんが)君よりは詳しい説明ができるだろう」

ついに名前が知れた、銀芽というらしい少女は、全身を覆っていた鎧を虚空に溶かしていた。

「ええっと……これはどうすれば?」

彼が、右腕の剣を手持ち無沙汰に見せると、

「君が消そうと思えば消せるよ。君の道具なんだからね」

試してみると確かに、彼の手のひらからその剣は、虚空に溶け込むように消えていく。

 スカアハはそんな彼を尻目に、

「ついて来なさい、しょうがないから1から説明してあげるから」


「ここは?」

統矢がいるのは、異質な部屋だった。

 機械的な、というかまさに機械に包まれた部屋。

 統矢はもちろん、こんな部屋に入るのは初めてだった。

「私の自室だよ」

スカアハは、奥にある椅子にストンと座り込む。

 音も立てずに椅子が滑り出てきたので、統矢はありがたく座らせてもらった。

「説明してやるよ。大体の事は銀芽から聞いただろうが、完璧ではないみたいだしね」


「まあ、自己紹介から入るのが筋だろうね」

機械から出てきたコーヒーを飲みながら、スカアハが言う。

「私のことはスカアハと呼んでくれ。日本の『デュエル』用チームであるチーム『アルスター』の監督役を任されている。次は義人君、頼む」

今まで完全に空気だった義人が、

「はい……まぁ、ご存知のとおり、彼とは知らぬ中ではないですが。

えー、改めて、名前は片葉義人。自分で言うのもなんだが、お前の友人のつもりだ。『アルスター』には、お前と知り合う……3、いや2?年前に入った。改めてよろしく頼む。あ、それと今朝は騙したりして悪かったな」

「気にしてないよ」

統矢の手がひらひら振られる。

「よし、続いて銀芽君」

「はい。

私は、春馬銀芽(はるまぎんが)と申します。『アルスター』に入って……何年でしょう。よくわかりません。よろしくお願いいたします。あ、それと先程は殺そうとしたりしてすみませんでした」

「そればっかりはめちゃくちゃ気にしてる」

統矢の頭がブンブン振られる。

「はいはい、その話はそこまでだ。話さねばならないことはまだまだあるんだからな……さて、長い話になるが、自身の命のためだ。聞いていくがいい」


 果たして、それは遥か昔の話。

 だが、まるで真実とは信じられぬ話。

 そこには、科学が栄えたことがあったという。

 そして人類は、かつて何度も滅んだと。

「とても信じられる内容ではないんですがそれは……」

「まあ黙って聞いておけ」

人類は生まれ、何らかの原因によって滅び、同じく何らかの原因によって再生した。

「おっしゃる意味がわかりかねます(´・ω・`)」

「君は話の腰を折る職人か何かか?」

とにかく、そういう人類は、突然再生し突然滅ぶというかなり理不尽なループに置かれているらしい。

 統矢が今いるこの世界も決して例に漏れず、いつか再び滅ぶと。

「証拠はあるんですか? ずいぶん荒唐無稽に聞こえますが」

「まぁ証拠はあるっちゃあるんだが、すまないが見せるわけにはいかないよ。国家機密どころか世界機密だからね。いかに科学者の1人である君にでも、やすやすとは晒せない。というか、この世界にあるはずのない科学の鎧は証拠になるんではないか?」

「……それもそうですね」

とにかく今はそういうことにしておこう。

「で、我々科学者一同の目的は、1つは戦争の代行。もう1つが、人類が滅ぶ、そして再生する理由の解明。そしてそれが不純な物であれば可能な限りそれを止めることなのだ」

「……うーん、まぁ覚えておきます」

「うん、すぐには理解できないだろうしそれでいいよ」

「わかりました」

「まぁ次だ。我々科学者がどういう存在かだな」

よく進行遅れるのはごめんなさい

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