表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

星のシルフロード

作者: ツキフミ

季節違いですが。

天の川には妖精がいます。

その妖精はシルフと呼ばれ、シルフは天の川の小さな村で仲良く暮らしていました。

その村はライトムーンと言います。

そして、その村に、アルンという少女とレースという少年がいました。

二人は仲良く楽しくいましたが、ある日喧嘩をしてしまいました。

「もう、レースなんて大キライだわ!!」

「こっちだって、アルンなんてイヤだね!!」

喧嘩の原因はちょっとした遊びでした。

鬼ごっこです。

やっているときに、名家の屋根を壊してしまったのです。

こっぴどく叱られ、それでこうなったのです。

それから、2日たちました。しかし喧嘩は一向になおりませんでした。

そしてその日、天の川では毎年恒例の橋渡しが行われました。

橋渡し。

それは、別れさせられた二人のための神様に宿命づけられた行事です。

それぞれの地区でヒノキで作ったブロックを持ち込み、接着剤で1日だけ持つようにくっつけ、掛けます。そうして、バラバラの二人を一晩だけ会わせるのです。

アルンとレースは同じ地区ですが、珍しく喧嘩していたのですから、親は困りました。なぜなら皆で協力せねば、ブロックは作れないのです。

ブロックはヒノキにみんなの夢の力をいれるコトでやっとできるのです。

村長は見兼ねて、こう言いました。


お前らはふざけとんのか。ならばお前らはこうだ。


そう言って、二人は別れされられた二人のように離れ離れにさせられました。

二人は嘆きます。


会わせて


だけど、その声は届きません。

二人は天の川を境に大地にあげられました。

村は川の中にあるし、それに、戻れない理由があるのです。川を渡れない、否、渡らない理由。それは、悲しいことなのです。

一方通行。

そう、一方通行なのです。川から大地に行けても、大地から川には行けない。そして、大地から川にも声は届きません。二人は会えないのです。

そう橋を渡される、橋渡しの日にしか。

とうとう橋渡しされました。

二人は会えました。

喜びました。

しかし、シルフが川の中にいるのにも理由があったのです。

シルフは、大地では消えて、星に溶けてしまうのです。

ごめんね

二人はそう言い合い、泣いて、抱き合いました。

そのときアルンとレースは、ずっと前より離された二人の気持ちが分かりました。

そして、神様に別れさせられた二人が見守る中、二人のシルフはろうそくのように消えてゆきました。

こうして、7月7日七夕の夜、二人の命が消えました。


ーENDー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ