番外編*芸能界にようこそ!!
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『あ、そうだ。これ見てみなよ』
さあいざ転生をするぞ!という時に、そう言って神様に渡されたのは一枚のDVD。
「…なに?これ」
『見てみれば解るよ。さあ、再生してみようか!』
言われるがまま、何故かそこに存在するDVDレコーダーへと入れてみるのだった。
そこに映し出されたのは……
*****
私は桐生美咲。
高校2年生に晴れて進級した私の両親に突然の海外赴任が決まり、日本を離れたくなかった私は叔父の所にお世話になることになった。
そんなある日のこと、私は普段の生活をしていたんだけど叔父が驚くべき事を言ってきた。
「美咲!君には無限の可能性を内に秘めている!このまま眠らせておくにはあまりにも惜しい。君には是非私が理事長を勤めている“桜華芸能学園”に転校して欲しい!」
「え、えええ!?私があの学園に!?」
桜華芸能学園とは、数々の未成年芸能人が通う小学校、中学校、高校、大学が全て集まる学園で、その学園に入るということは芸能界に入ることと等しい。
つまり…私は、芸能界に入るってこと〜〜〜!!?
学園に入ることが決まった私は、沢山ある専門科を順に周りながら、私に合った職業を選択することになった。
そこで巡り合う、沢山の男性達。
「おまえは芸能界を甘く見すぎだ」
俺様アイドル
矢吹 葵
「あんたには向いてないよ、この世界」
気苦労モデル
唐沢 紫紋
「……辞めれば?」
無口声優
柊 祐太郎
「めんどくさっ。どーでもいいし」
生意気タレント
水上 隼人
「無い物ねだりだね。君は何をしたいの」
毒舌俳優
速見 光一
一癖ある彼らと反発しながらも友情を育み、いつしか恋に発展していく。
私は何を目指し、誰と恋に落ちるのか…。
恋愛シュミレーションゲーム
『芸能界にようこそ!!』絶賛販売中!
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映し出されたのは、今から私が転生する世界である芸能界へようこそ!!のゲームのPVだった。
恋愛シュミレーションゲームならではな展開にして、無駄に美形で個性豊かな登場人物達。
背景はピンクで彩られ、まさしく乙女ゲーム!な雰囲気を醸し出していた。
しかし、私はこれを見て思うことが一つある。
「ねぇ、なんで男性陣の重要な一言が全部辛口な毒舌なの?普通ここはピンクな台詞を言わせる所じゃない?」
ここは重要な筈だ。
何といっても美形男性の豪華声優陣に胸トキメク甘〜い台詞を吐かせて、声優好きもこぞって買うように仕掛けて売り上げ倍増にするんじゃないのか?
こんな最初の印象が大事なPVでまさかのしくじりかたするなんて…。
いや、待てよ?
このゲームって全世界話題沸騰の超大人気作品なんだよね。
だとしたら、これを見て買った人は少なからずいる筈だ。
『我も驚いたよ。なんでもこの乙女ゲームの最初のターゲットがドがつく程のMな人だったらしいから、こんな台詞がチョイスされたんだってさ。因みに、全員落とす小悪魔ルートはSな人の為に作られたルートで、両方のニーズにあったものに仕上げたとか』
そんなこんなで有名になり、マニアックに見えたこの乙女ゲームは一般の人にも知れ渡るようになり、一躍大ヒットになったのだとか。
「ふーん。全然知らなかった。この頃仕事が忙しくて外に目を向けてなかったからなぁ」
『そっか。そういえば、君は枯れた人生を送ってたんだよね。知らないのも無理ないか』
「………」
『ま、まぁ、とにかく!大体の世界観は掴めた所で、転生しておいで。他の資料は定時連絡の時にでも見せるから』
そうして、私はやっと無事に転生を果たすことが出来た。
後に見せて貰った資料も合わせて、私はやっとこの世界について理解していくことになるのだった。