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傍観者  作者: 佐伯美鈴
第1章
7/9

アフレコしてます。

今回私がメインキャラを担当するタイトル名は、『戦場の歌姫』という。


内容は、科学技術が発達した世界に、突如として現れた宇宙外生命体の侵略者から世界を守るために戦う世界防衛本部。


戦艦、戦闘機、ありとあらゆる世界中から集められた最新技術が投与された兵器が集まり、世界屈指の優秀なパイロット、オペレーター、技術者も派遣された。


そして世界の存亡をかけた戦いが始まる。


しかしどれだけ最新技術を投与した兵器でも、宇宙外生命体には苦戦を強いられ、このままでは世界は奴らの手に渡ると思われた…。


そこに現れたのは一人の少女。


彼女は歌う時に出るある特殊な振動を利用し、増強させる機械を使い歌うと、最前線で戦う戦闘機や戦艦は表面に特殊な振動の膜に覆われ敵の攻撃から身を守れるようになった。


それにより死者は激減し、戦いは有利になり人々は少女を賞賛した。


そして彼らは少女に敬意を称して『戦場の歌姫』と呼び、世界中で憧れの存在となる。


それから5年の月日が流れ、未だに戦いは続いている最中、長期化することを想定していたは第2の歌姫を作るべく立ち上がる。


その第2の歌姫候補に選ばれた少女を中心に、物語は加速していく…。


というのが、今回の作品内容。


私はその中の戦場の歌姫役のアリアに大抜擢された訳である。


『歌姫というのは、そんなに簡単になれるものではないわ。軽い気持ちで来たのなら、即刻帰りなさい』


『そ…そんな、』


『半端な気持ちで来る所ではないの。ここは生死をかける戦いの場なのよ』


今は主人公であるミリアが歌姫候補になったことに浮かれていた所をアリアが目撃して叱咤する場面。


主人公のミリアには、人気声優霧崎ゆすらさんが役を努める。


声優にして歌手もしていることから、主人公の役のオーディションを受けたとか。


『歌姫様の言うことにも一理あるな。浮かれるのもいいが、まずはやることをしてからにして貰おうか』


『なによ、いいじゃない少しくらい浮かれたって…』


『なにか言ったか?歌姫候補』


『っ、はいはい。すみませんでした!』


不貞腐れる主人公に構うのはパイロットで主人公の恋人のマルス。


この役は祐太郎さんが勤めていて、普段の無口な自分を解放し見事に役を演じきる。


いつもながら感心する演技力です。


『アリア』


『!お父さ…艦長…。なにか御用ですか?』


『今は誰もいない。無理に堅苦しくなることはない』


『…はい、お父様』


誠さんはアリアの父親にして艦長を務めるハーバック役。


かなり役で接点があるため、アフレコには必ず共演すると知ってからの私のテンションは可笑しかったという。


他に豪華声優と共につつがなくアフレコは順調に進み、第一話のアフレコは終了した。


「お疲れ様でしたー」


「お疲れ様です。次回もよろしくお願いします」


解散したのは午後7時頃で、5月である今では時間的に真っ暗になっており、スタジオから離れた場所にある自宅に帰るために明るい道に出てタクシーでも拾おうと思っていたら近くに車が止まり、クラクションが鳴った。


「送っていこうか?お嬢さん」


車の窓ガラスが下に降りて出てきた顔は、さっきまで顔を合わせていた誠さんだった。


「誠さん!いいんですか?」


「同じマンションの住人だし、それに夜に年頃の女性が一人で帰るのは感心しないからね」


「あはは。じゃあ、お言葉に甘えます」


私は素早く車の助手席に乗り込み、車はスタジオを発進したのでした。


 


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