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傍観者  作者: 佐伯美鈴
第1章
3/9

学園生活について。

最近の未成年の芸能人は、多忙な芸能活動により学校に通うのが困難になり、それによる学力低下が懸念されていた。


そこで各事務所と大手企業により創られたのが、未成年の芸能人だけが通う“桜華芸能学園”。


芸能界に名を轟かせている芸能人は勿論、芸能人予備軍である育成中の人達が一同に勉学に励む。


普通の勉強は勿論のこと、専門知識、専門技術なども一度に学べることがこの学園の魅力だ。


普通授業は普通の学校と同じ、1学年に3教室ある教室で学び、専門知識などは、アイドル科・モデル科・声優科・タレント科・俳優科といった自分の所属の科に入り学ぶことができる。


しかも学園内には全ての事務所のスペースがあり、無駄な移動がなくスムーズに仕事へと向かえるというシステムもある。


当然警備体制も万全で猫一匹敷地に入ることはない。


だから必然的に芸能人達はこの学園に通い、知識をつけるのだった。


…と、説明はここまで。

つまりは、首都にいる全ての未成年芸能人と予備軍がこの学園にいるのです。


所属や科がないなんてあり得なくて、例の主人公はどうするのかというと…全部の科、そして職業をこなさせて彼女に一番合う職業を選ばせるのだとか。


まあ、この世界では恋愛相手のアイドル科になりそうだけど、それまでの過程がハードで大変そう。


私は声優一筋で良かったよ、本当に。


「みんなー!おっはよーん!!今日もいい天気だね!あ、真由ー!!」


ガラッといい音を立てて入ってきた超絶美形の美人様は、窓際で校庭にいる主人公を見ていた私に体当たりをしてきた。


ポヨンと頭に当たる柔らかくも豊満な胸の感触に、何回自分の胸を見て涙を滲ませたことか…。


「おそよう。もうお昼だよ。しかもいい天気じゃないし」


「む〜!真由ノリ悪〜い!最初の挨拶はおはようが芸能人には当たり前だしぃ、天気は気分!せっかく朝一の仕事をこんなに早く終わらせてきた親友に言うことは?」


「はいはい。お疲れ様。今日も美しいよ」


「ふふ♪ありがとう」


押し付けていた豊満な胸をどけてから、計算された姿勢で笑顔を見せる彼女はプロモデル。


数々の雑誌の表紙を飾る今売れに売れている人気モデル、唐沢紫苑。


整った顔立ちに、ふんわりウェーブしたハチミツ色の長い髪、豊満な胸にスラリと伸びた足、全てが完璧な彼女。


実はゲームの登場人物でかなり重要なキャラクターであったので、傍観する立場の私としてはあまり仲良くする気はなかったんだけど、あるキッカケにより1年の頃には捕まり今では何でも話せる親友です。


「それより何見てたの?」


「桐生さんを、ね。今、アイドル科の体力作りに奮闘中みたい」


「あ〜大変そうだねぇ。アイドルって歌とダンスでかなり体力使うから、アイドル科はかーなーり運動中心なんだよね」


ぜぇはぁと息を切らしている主人公に小さくエールを送りながら、私は次の授業の教科書を机に出した。


 


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