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傍観者  作者: 佐伯美鈴
第1章
1/9

選定されました。

ゲームは私の勝手な妄想で生み出された産物です(笑)

二次創作じゃないですよ~。

『君、一から人生やり直してみない?』


軽い口調でいきなり大胆発言した美形さんにビックリ。


と同時に、私は自分に体の感覚がないことに気付いた。


あれ?

よく考えると何にも見えない真っ暗だ。


『あー自分の状況を理解してないみたいだね。それも仕方がないか。君、ついさっき死んだばかりだから感覚が掴めないんだよ』


はい…?

死んだって、私が?


『そう、君。金田真由、年齢25歳、派遣社員、彼氏無し、極々平凡な一般女性』


……自分の説明をかなり簡潔に言われてしまった。


しかも聞く限り超がつくほどの平凡人生を送っていたのだと気づき、少し悲しくなる。


『今日午後5時43分、横断歩道に赤信号で進入してきたトラックに轢かれて全身を強打。頭の打ち所が悪かった為にそのまま帰らぬ人に。…ってニュースでやってたよ』


ニュースで見たんかい!!というか、完全に私被害者じゃん!!


沸々と怒りで頭に来ている私に、例の声が最初の質問をしてきた。


『だから、一から人生をやり直してみない?理不尽だろう?いきなり死んでまだやりたいことがあっただろう?しかも叶う筈がないと諦めていた夢もやり直せば可能になるかもしれないよ?』


…諦めていた夢…。

確かにあった。

でも年齢的に挑むことが出来なかったあの夢も、やり直せば出来る…?


本当に?と問えば、声は高らかに是と答えた。


『君は転生選定に選ばれたからね。ただ定期的に我らに連絡をして欲しい。それさえ守れれば転生後は君次第、好きなことをしてくれて結構だ』


なんともこっちに好条件な話だろうか。

でも、こういう話には必ず裏があると相場が決まっている。


『うーん、察しがいいね。うん!実はこれ試験的なものなんだよね。世界を作るのは簡単なんだけど、安定しているのかは我らにもよく解らなくてね。異物が入っても変化せず安定してるか知りたいんだ。まあ、言ってしまえば…人体実験?』


……は、ええ?

世界を作るとか、なんか簡単に言っちゃうし、しかも人体実験って…。


『あれ?…言い忘れてたっけ、実は我は神様なんだよね!!』


え、ええ!?

神様!?神様なんて本当にいるの!?


『うん。今まさにここにいるんだけど。だから世界だって作れちゃうし、転生なんて出来るんだよ。じゃなきゃ、すごく痛い人だよ。厨ニ病患者だよ』


うん…、確かにそうだよね。


『それで話を戻すけどね。実は神様の間である計画が持ち上がっててね、それの実現の為に君には転生して欲しいんだ』


計画ってなに?


『ずばり聞くね。えっとね、“ドリームワールド!好きな世界を体験してみませんか?ご案内ツアー!!”だよ』


………。

もう何も言うまい。

この人、いや神様達は馬鹿ではないだろうか。


『ええっとね!べ別にこのタイトル考えたの我じゃないからね、結構親父の年代の人だから!下は上には逆らえないだけだから!!…ごほん、つまりは巷で流行ってる夢小説なるものはご存知かな?漫画などの二次創作なんだけど。それには多々あるジャンルの中にトリップというものがある』


ああ知ってる。

漫画の世界に行くって話のやつだ。


『そうそう。それに目を光らせた我らは無数の漫画やアニメなどの世界を作って、夢見る乙女達に夢を見させてあげようとしてるわけ。でも初めての試みだからね、一応試験してみないとってことになって…』


それが転生選定で、私は見事にその計画の被験者になった訳ですか。


『いい話だと思うよ?上手く行けば君は新たな人生を生きれるし、我らは実験結果を得られる。どうかな?』


…どうせ私は死んでるわけだから、これより不幸にはならないし。


いいですよ。


『ありがとう!!じゃあ早速君には“芸能界にようこそ!!”の世界に行ってもらうよ!!』


はい?

なんだそのタイトル。


 


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