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異世界恋愛【短編】

ドジっ公爵さまに嫁ぎました!~冷淡公爵の正体は歩く災害でした~

作者: 猫じゃらし
掲載日:2026/05/28


 王宮騎士団に精鋭を輩出するのは、辺境にある国王お抱えの名門――ウィリアーズ公爵家。

 名門でありながら、公爵家はなぜ辺境の領地しか与えられていないのか。その理由は、公爵家の当主にあった。


「リリシャル・ルーです。本日より、お世話になります」


 カーテシーで公爵家の面々に挨拶をする。面々といっても、この場にいるのは当主のアルフ様と使用人たちだけだ。

 険しい表情のアルフ様はアイスブルーの瞳で私を一瞥し、後ろで束ねた銀の髪をひるがえすと、冷たい言葉を吐き捨てた。


「俺に関わるな」


 ちなみに、私とアルフ様は初対面だ。さらにちなみに、私のこの挨拶は嫁入りのものである。

 冷淡と噂されるアルフ様は社交界にほとんど姿を見せず、引きこもり公爵とまで言われていた。かつて国王から一等地を授けられたのに、それを蹴ってこの辺境にこもっているのだから、そんな噂が立つのも無理はない。

 婚姻式も蹴られ、身ひとつでやってきた私は、すでに目の前からいなくなってしまったアルフ様に深く息を吐いた。


「お部屋へご案内いたします、奥様」


 使用人がみんな、気遣いの目を向けてくれるのが救いだった。もし使用人たちまで主人を模して冷たかったら、私はこの瞬間に挫けていただろう。

 侍女に導かれて玄関ホールから続く階段を上がると、階下からアルフ様の叫び声が響いた。


「あああああ!」


 ガッシャーンと、何かがひっくり返る音。


「な、何?」


 手すり越しに覗くが、階下の状況はわからない。物音が続き、「落ち着いてください!」と使用人の声が飛び交っている。

 もしかして、暴れてる? 嫁いできた私のことが気に食わなくて、部屋の物を壊してる……?

 私を案内してくれている侍女を見ると、青ざめていた。


「……参りましょう」

「こ、公爵様は」

「お部屋はこちらでございます」

「でも……」


 これ、絶対に私、歓迎されてないよね……!?

 部屋へ案内されると、「奥様はごゆっくりなさっていてください」と侍女は階下へ走っていってしまった。私はベッドに腰を落とすと、心の底から後悔をした。


「冷淡なのは噂で聞いてたけど、暴力的なのは聞いてない……」


 物を壊すの? 物を壊すだけで済むの? 人にも、暴力的なの?


「聞いてませんよ、国王様ぁ……!」


 部屋にひとり放置された私は、ここにはいない元凶に小さく叫んだ。



 アルフ・ウィリアーズ公爵との婚姻は、王命によるものだった。

 父には莫大な借金があり、それをめぐって母は家出した。借金を放棄した父が母を追ってしまったことで、その借金が私に降りかかってきたのだ。

 資金繰りをどうしようか、まともな仕事だけで果たして返済は間に合うのか、十六歳にして抱えきれない負債に憔悴している時だった。

 王宮へ呼びつけられ、国王に言いつけられたのが、アルフ様との婚姻話だ。


「アルフの妻となれ。そうすれば、借金は私が肩代わりしてやろう」


 なぜ国王が、父の借金を知っているのか。しがない伯爵家の私に「引きこもり公爵」との婚姻話が上がるなんて、借金に次ぐ不運だわ……。そう憂いたところで、国王からさらに追撃を食らった。


「お前の父が、担保にとお前を指名したぞ」


 ……え、父? 返すアテはあるからと言っていたのは、もしかして国王様のことだったの? お金持ちだから大丈夫って、そういうこと?


「しかし、お前の父は阿呆だな。愉快な商人だと気に入って爵位を与えたが、あれでは家門は続いてゆかぬ。貴族らしく振る舞う術を身につけねば」


 それは……愉快だからを理由に簡単に爵位を与えてしまった、国王が言えることなのだろうか。

 「そのわりに、お前はよき教育を受けているのだな」というお褒めの言葉には、愛想笑いで返した。


「アルフと婚姻しろ、リリシャルよ。社交界に、あやつを連れ出してきてくれ。これは王命だ」

「拝命いたします」


 断ることなどできるはずもなく、抱いた疑問は口にもできず。借金のかたに嫁がされた私は、身ひとつで辺境までやってきたわけだ。



「あぁー……」


 風を取り込むために開けられた窓から、まだ使用人たちの悲鳴が聞こえ続けている。

 私は本当にここで、アルフ様の妻としてやっていくのかな……。





 私は、社交界にはよく顔を出していた。

 「家柄は関係なしに、伝手は作っておいたほうが良い」

 元は商家生まれの父のそんな教えで、私の意思など関係なしにパーティー会場に放り込まれていたから。

 父のように媚びへつらうのは面倒で壁と化していたけれど、おかげで私は図鑑かというほど貴族の顔を記憶していた。けれどその中に、レア度の高いアルフ様の記録はなかった。


「ウィリアーズ公爵はまた国王陛下の招待を蹴ったそうだ。陛下の亡き弟夫婦の忘れ形見にしても、わがままがすぎる」


 よっぽどのことがなければ領地から出てこないアルフ様は、どうやら国王にとっても曲者らしい。だから社交の場では、そんなアルフ様の噂だけ耳にしていた。


 国王の弟夫婦、アルフ様の両親は、アルフ様が乳離れをする前に亡くなってしまった。両親亡きあとは王宮で育てられ、社交界デビューのお祝いにと国王から贈られた一等地を「いらない」し、せっかくデビューしたのに辺境に引きこもってしまったとか。

 アルフ様は今、二十歳になっているはずだ。華やかさのかけらもない結婚適齢期を過ごすアルフ様を、国王は我が子のように心配したのだろう。


 ――その結果が、(これ)である。



 夜は止まらぬため息と過ごし、爽やかな朝を憂鬱に迎えた。

 侍女の迎えで部屋を出た私は、朝食が用意されているダイニングに向かう。侍女からなんの説明もないということは、アルフ様は当たり前にいないということだ。

 昨日、関わるなって言われたもんなぁ……と考えていると、通りがかった部屋の中から叫び声が響いた。


「アアッ公爵様ぁ!」


 バリィッ。

 何かが弾けた音。いや、破けた音……?


「公爵様、落ち着いてください!」

「お、俺は落ち着いている……!」


 わずかに開いた扉の隙間から、二人のシルエットが見えた。

 ソファに折り重なるように倒れ込んだ、侍従とアルフ様の姿。アルフ様の手には、引き裂かれたシャツの布があって。


「すまない、すまないっ」


 アルフ様は謝りながらも、侍従に覆い被さっている。侍従は「僕は大丈夫ですから、ゆっくり……お願いします……」などと言っている。

 もしかして、男色なの……? あまりの衝撃に口がはくはくとし、今度は私の様子に気がついた侍女が叫んだ。


「見てはいけません奥様!」


 やっぱり、そうなの……?

 私が確信を得る前に部屋の中が慌ただしくなり、侍従の「アアッ!」という憐れな悲鳴が続く。扉に駆け寄ってきたアルフ様がものすごい剣幕で「見るな!」と怒鳴り、扉がけたたましく閉じられた。

 大きな音に身をすくめた私は、困惑しながら侍女に連れられるがままにその場を後にした。



 それからしばらく、公爵邸の中でアルフ様を見かけるたびに何かしらの出来事に遭遇した。


 相変わらず侍従の服を破いていたり、お茶をかけて侍従の服を透かしていたり。壁に追い詰めていることがあれば、そこかしこの床で押し倒していることもある。

 そのたびに侍従が羞恥の悲鳴を上げているものだから、私はだんだん「あの二人はそういう関係なのかもしれない」と思い始めていた。


 男色に偏見はない。ない、けれど。

 公爵家に嫁いだ身からすると、無視することのできない重大案件だった。

 だから私は、できる限り空気を読むことにした。


「侍従さんも、大変ですね」


 ある日、私はアルフ様のいない隙を見計らい、侍従にそっと声をかけた。


「え?」

「いろいろと」

「なんのことですか……?」

「公爵様のこと、よろしくお願いしますね」


 意味深に微笑む。侍従は、なぜか顔が青くなった。


「奥様。何か、勘違いをなさっていませんか?」

「安心してください。ちゃんと、応援していますから」


 侍従を応援し、私は山場を一つ越えた。

 政略結婚で愛がないことは明白なのだ。アルフ様だって、そこの自由は確保したいだろう。


 しかし、問題は男色だけではない。

 食器を叩き割ったり、何もないところで激しくつまずくアルフ様の姿もよく見かける。手に持った書類をことごとく風に飛ばしていれば、噂とは程遠いアルフ様の姿に、おかしいなと思うのが当たり前だ。


 でも、よく考えてみれば「引きこもり」くらいしかアルフ様についての正しい情報はなかった。冷淡な態度も、身勝手な振る舞いも、アルフ様と直接の関わり合いがないにしろ、この屋敷に来てから私は見ていなかったのだ。


 ――アルフ様って、もしかして……。


 浮かび始めたその疑念は、早々にアルフ様のほうから解決してくれることになる。



 暇をした私は、公爵邸の書室から本を数冊借りて部屋に戻るところだった。廊下を曲がろうとしたその時、アルフ様と侍従の声が聞こえた。


「聞いてくれ。今日の俺は何も壊してないぞ」

「素晴らしいです、公爵様!」


 どういう会話なの……?

 そんなことを思ったうちに、目の前にアルフ様が現れた。


「うわっ」

「きゃっ」


 曲がり角で避けきれず、私は思いきり体当たりを受ける。抱えていた本が宙に舞い、床にばさばさと落ちた。

 目を開けると、目の前にはアルフ様の顔があって。……ものすごく近い。


「す、すまない!」


 慌てて離れようとしたアルフ様の体が、廊下の花台にぶつかった。花瓶が傾く。それを支えようとしたアルフ様の手が、今度は壁の燭台を弾いた。

 「あっ」と、アルフ様はさらに燭台を受け止めようとして、なぜかそこで足をすべらせた。そしてとっさに掴んだのが、侍従のズボンだった。


「キャーッ!!」


 侍従の悲鳴が響く。花瓶は割れて、燭台は落ちて。アルフ様は、青ざめて完全に固まってしまっていた。



「……見損なったでしょう。俺は、何をしてもこうなんです」


 散乱した本や花瓶、蝋燭は、使用人たちによって片付けられている。

 見られてしまっては仕方ないですよ、と侍従に諭されたアルフ様は、今は意気消沈して私の前に座っていた。


「何をするにもうまくいかず、物を壊したり相手に怪我を負わせたり。おかげで威厳を見せられず、社交界にも出られない」


 城の優秀な騎士はここから輩出されている。堅実で真面目な騎士が多く、もちろん口の堅さもお墨付きである。

 その理由が、まさか公爵家の主人にあったなんて。


「こんな俺に、あなたを縛るつもりはありません。どうぞ、離縁していただいて結構です」

「そんな……」


 この婚姻は王命だ。そして、私の任務はアルフ様を社交の場に連れていくこと。

 これを放棄したら、家の借金がまた私に降りかかってきてしまう。それこそ危険な身売りでもしないと、返していくことはできないだろう。


 私が悩んでいるうちに、アルフ様は用意されたお茶に口をつけた。すかさず「あつぅ!!」と声を上げ、ベチャアッと湯気の立つお茶がこぼれた。

 侍従が「公爵さまぁぁぁ!」と叫んだが、動きに焦りはない。片手にタオル、もう片手には替えのカップまですでに準備済みだった。熟練の動きである。

 騒がしいけれど、ここの使用人はみんないい人だわ……。


「わかりました」


 私が口を開くと、使用人が一斉に私を見た。みんな、子犬のような瞳で私を見つめてくる。見捨てないで……と切に訴えられているようだった。

 私は咳払いをして、足りなかった言葉を付け足した。


「公爵様がドジっ子なことが、わかりました」


 アルフ様が私を冷遇するつもりなら、死に物狂いで父を探し出して国王の前に引っ張り出すつもりだったけれど。

 そうじゃないなら、私は自分を守るために王命を貫くのみよ。


「公爵様、私はあなたと離縁はしません」


 このドジっ子公爵様を、社交界に必ず立たせてみせるわ。





「今度のダンスパーティーに出席しましょう、公爵様!」

「嫌です」


 それから私は、何度もアルフ様をダンスパーティーに誘った。しかし返事はいつも即答で、取り付く島もなかった。

 ダンスが苦手なのかしら? と練習に誘ってみるも、それも「嫌です」の一点張り。過ぎ去りゆく、いくつもの華やかなパーティー。

 アルフ様はそのうちに、私の顔を見るだけで「嫌です」と言い出すようになってしまった。どうして。

 朝や夜の日常の挨拶すらままならなくなり、私は挫けそうだった。


「パーティーに行きたい……ダンスしたいです……」


 前途多難。けれど、ここで負けては借金地獄。

 私はアルフ様の執務室でしょんぼり駄々をこねた。アルフ様もあらゆる失態を私に毎日見せているのだから、これくらいは可愛いものだろう。

 それに、今度の招待は国王からのものである。婚姻してから招待までが早すぎる。と思うものの、国王にも何か理由があるようで……?


 詳細はわからないが、そのため私もアルフ様の拒絶を今回ばかりは簡単に受け入れるわけにはいかなかった。


「ダンスパーティー、いいなぁ……」

「そんなに、ダンスパーティに参加したいのですか」


 王命だからね……。

 久しぶりにアルフ様から噛み合った返事を聞けたが、私はしょんぼりを続けた。


「私はしがない伯爵家の娘。華やかな場は、憧れがあるのです」


 嘘だけど。めっちゃ行ってたけど。見栄っ張りなお父様のせいであの場の雰囲気は嫌というほど知っている。だってめっちゃ行ったから。


 アルフ様はしおらしい私の姿に引け目を感じ始めたのか、苦悶の表情で頭を抱えた。今まで一度でもたりとも首を縦に振らなかったからね。そろそろ、私に融通してくれてもいいのでは?


 期待を込めてそっとアルフ様を見つめると、「うっ」と大きく息を吐かれた。


「わかりました。ですが俺は、ダンスが得意ではありませんから……」

「大丈夫です。練習しましょう!」


 よし! 言質を取ったわ!

 前言撤回させないために勢いよく答えた私に、アルフ様は慎重に言葉を重ねる。


「本当に大丈夫ですか?」

「もちろんです!」

「俺はきっと、あなたが思っている以上ですよ」

「心配ご無用です! 最後までお付き合いします!」

「……では、はじめに言っておきます」


 すると、アルフ様が椅子から立ち上がった。私の前に歩み寄ったかと思うと、その場で膝をついて頭を下げた。


「多大なるご迷惑をお掛け致しますことを、ここに懺悔します……」

「えっ」

 

 ざ、懺悔? 何かあること前提なの? そんなに下手なの!?


 慄く私を尻目に、侍従がすかさず執務室の扉を開けて移動を促す。使用人が一定間隔に廊下に立ち、「こちらです」と微笑ましく私たちを案内しはじめた。

 私を見つめる瞳からは「ありがとう、奥様!」や「頑張ってください!」というメッセージを読み取れた。

 やっとパーティーの誘いに頷いたアルフ様はもちろん、私のことも逃さないという気概をものすごく感じて、ちょっと怖かった。


 案内された一室には家具が置かれておらず、ダンスの練習にぴったりな広い部屋だった。

 侍従に「失敗しても大丈夫ですから!」と励まされたアルフ様は、意を決した様子で私の前に立つ。身長の差から、私は自ずとアルフ様を見上げる形になる。私は、こくりと唾を飲み込んだ。


 ……失敗しても大丈夫って、もしかして、言質を取られたのは私のほうだったりする……?


 緊張の面持ちで、アルフ様にそっと手を差し出される。大きな手のひらには意外にも剣だこがいくつもできていた。私を見つめるアルフ様に、息をのむ使用人たちに、私も覚悟を決めた。


 ――でも踊ってみないと、わかるものもわからないわ。


 音楽が流れ始めると、私たちはぎこちなく踊り出した。

 私は社交界に出入りしていたので、ダンスはそれなりに踊ることができる。

 アルフ様は……ステップは頭には入っているようだけれど、必死に思い出しながら、という様子だった。長年相手もいなかったでしょうし、それはそうよねと、そこは納得した。


 が、動きがどうにもおかしい。おぼつかないのではなく、おかしい。タップダンスのごとく足を間違えて出し入れされては、私もアルフ様の足を踏まないようにタップダンスをするしかない。

 こんな動きをしていたら、いつか足が絡まって転んでしまうわ――と、考えた時だった。アルフ様にお手本のように足を踏まれ、私たちは一緒に転がった。


「きゃあ……っ!?」


 幸い、アルフ様が受け身をとってかばってくれた。そのおかげで私はどこも打ちつけず、ただ転がっただけで済んだ。けれど、あまりの展開に理解が追いつかなかった。

 足を踏まれた私が転ぶのはともかく、アルフ様が転がった理由は……?


「大丈夫ですか!? お、お怪我は……」

「いえ、大丈夫です。怪我もありません」


 一体、何が起こったの?

 ふと周りを見ると、使用人たちがうんうんと頷いていた。「わかる」と共感しているようだった。

 あぁ、わかるんだぁ……と私も妙に納得してしまった。日々、こうしてみんなドジに巻き込まれているのだろう。


「申し訳ありません……。俺は、ダンスは本当に得意ではなくて」

「得意ではないというか……」

「……下手ですよね。わかっています。申し訳ありません」

「いえ、下手という問題でもなく……」


 人を巻き込んで転がるなんて、もはや災害よ。

 そんなことは口にはできないけれど、アルフ様のポテンシャルに改めて慄いた。

 呆然とする私を見て、アルフ様は静かに息をつく。


「……やはり、やめましょう。俺がダンスパーティーにいっても、あなたに迷惑しかかけません」

「で、でも」

「俺のダンスに付き合わせて、怪我をさせたくありません」


 諦めモードなアルフ様に、私はなんとか言葉を探す。使用人たちもハラハラしていた。


「でも公爵様、身のこなしは素晴らしかったです」

「身のこなし……?」

「一緒に転がった際に、とっさに受け身をとって私をかばってくださいましたよね。それができるのに、ダンスができないなんてことはないはずです」


 うん、たぶん。きっとね?

 私の言葉に照れたのか、アルフ様はもじもじとしはじめた。


「もう一度、踊ってみませんか?」


 そうして再び手を取り合った私たちだが、アルフ様の巧みな足捌きにより今度はスカートを踏まれた。ビリィッと音を立ててスカートは豪快に裂け、私たちは呆気なくまた床に転がった。


「す、すすすすまない!!」

「なにをどうしたらそうなるんですか!?」


 本当に、何をどうしたら! 獣なの!? 鋭い爪でも引っかけたっていうの!?

 私とアルフ様が慌てふためき、予想以上の出来事に使用人も慌てふためき。

 その場は、てんやわんやでお開きとなった。





 大事なことなので何度も言うが、ウィリアーズ公爵家は王宮騎士団に腕のいい騎士を輩出している名家だ。

 国王が目をかけているとはいえ、アルフ様が辺境に引きこもってたったの数年でなぜ成果を出せたのか。

 もしかしたら公爵家の騎士団に、ものすごい師範がいるのでは? と思い立ち、私は訓練場にはじめて足を運んだ。


「その方に、公爵様の指導をしてもらえばいいのよ」


 ダンスの指導ではない。もっと初歩的な、体の使い方の指導だ。ひとり歩きを覚えた赤子レベルのアルフ様には、そのレベルから指導が必要だ。

 そんなことを考えた私は、しかし訪れた訓練場で、驚きの光景を目の当たりにした。


「公爵様が、剣を握るの……!?」


 見習い騎士を相手に、稽古をつけているアルフ様がいた。身のこなしは軽やかで、わざと剣を打たせる余裕がある。指導者として立てるということは、剣の腕がそれなりにあるということだ。

 人間らしくまともに動いているアルフ様に、私は驚愕とともに疑問が湧き上がった。


「いや、なんで?」


 なんで剣を持つと人間らしく動けるの? 普段は獣のごとく物を壊して歩いているのに。

 でも確かに、ダンスをして転がった時には驚くべき身体能力を発揮していたのよね……。

 あれがここに繋がってくるなんて、と私は天を仰いだ。


「不思議な方だわ……」


 あの身体能力でダンスが踊れないなんて、頭の回路に異常が起きているに違いない。

 国王に招かれたダンスパーティーまでに、その回路は修復できるのかと、私はため息をついた。



 失敗続きのダンスレッスン。

 私は何度転がされ、スカートは何枚破られただろう。

 見守る使用人たちが転がる私たちを受け止めてくれて、ドレスは常に替えを用意されるようになって。

 使用人たちが当たり前のように順応するものだから、私もだんだんと巻き込まれることに麻痺していった。


 しかも、アルフ様のスカート破りはまったくいやらしさがなく、安全圏を攻めていくのだ。まぁそこだったら破けても……を繰り返すので、おかしな安心感まで芽生えているほどだった。さすがは、侍従の服を破り慣れているだけある。


 ビリィッ。


「すっ、すみません! お怪我はありませんか!?」

「私は大丈夫です。公爵様の破りかたがお上手なので……」

「え?」


 アルフ様が固まった。今の流れではたしかに、よくわからない発言だっただろう。

 うっかり思考が漏れ出てしまい、私は当たり障りなく説明を加えた。


「いえ、ごめんなさい。侍従さんの服をいつも破られているので、絶妙だなと」


 なんだ、絶妙って。ぽかんとしたアルフ様が、私の発言にオウム返しをしてきた。


「……侍従の服?」

「はい」

「破いている?」

「破いていますよね、いつも」


 そこでアルフ様は、意識を取り戻した。


「好きで破いているわけではありません!!」


 ものすごい声量で否定された。


「事故です! 事故なんです! 俺は、一度たりとも故意で破いたことはありません!」

「でも、よく覆い被さっていちゃついて……」

「あれは俺が転んで巻き込んでいるだけです!」


 そして、とんでもないことを言い出した。


「今、俺があなたに覆い被さっている、この状況と同じです!」


 私の上で、アルフ様が。私に覆い被さっていると、口にした。

 途端、真っ赤に染まっていくアルフ様。私も、頬に熱が集まる。アルフ様はそそくさと私の上から退き、顔を背けたまま破けたスカートにジャケットをかけてくれた。


「まさかあなたは、ずっとそういう誤解をしていたんですか……?」

「違ったんですか?」

「違います!!」


 背後で侍従が顔を覆う。他の使用人は、どこか遠くを眺めていた。



 深夜の訓練場。

 月明かりの下、剣を片手にステップを繰り返すアルフ様がいた。

 剣を持っている時だけ、アルフ様は別人のようだ。足運びは滑らかで、姿勢も美しい。風を切るたび、銀髪がさらりと揺れる。

 こんなにも綺麗に動ける人が、どうして私とのダンスになるとああなるのか。本当に意味がわからない。


 私が物陰から見ていると、アルフ様はぴたりと動きを止めてこちらを振り返った。


「どうしましたか? こんな時間に、こんなところで」

「! あの、目が覚めてしまって……。少し、歩きたかったんです」


 物音など立てていないのに、あっさりバレてしまった。

 私の元へ歩み寄ってくるアルフ様に、だんだんと気まずさを感じた。


「ごめんなさい。盗み見するつもりはなかったんですけど……」

「構いません」


 アルフ様の額には汗が光っている。それほどまでに、ここでひとり練習をしていたんだろう。

 執務に騎士団の稽古、そのうえダンスの特訓までしているのだ。疲れていないはずがない。

 邪魔をしてしまって申し訳なかったわ、と私は居た堪れない気持ちになった。


「では、私はこれで……」

「今の俺のステップはどうでしたか?」

「え?」


 立ち去ろうとしたところに問いかけられて、私は足を止めた。アルフ様からまっすぐに視線を受け、私は答える。


「とても、綺麗なステップでした」


 するとアルフ様は、深く息を吐いた。


「……幼い頃から、何をしてもうまくいきませんでした」


 ぽつりと落ちた声に、私は黙って耳を傾ける。


「でも、騎士の訓練だけは違ったんです。剣を持っている時だけは失敗しなかった。だから、俺にはこれしかないのだと思いました」


 アルフ様は握った剣を見下ろす。

 確かに、剣を持っている時のアルフ様はまともな人間だ。


「王宮騎士団の中でも、ありがたいことに有望視されていました」


 剣を握れば誰よりも強く、剣筋は誰よりも正確。

 次期騎士団長にと期待され、アルフ様もそれを夢見たらしい。


「しかし、王宮騎士団の騎士団長ともなれば社交の場への出席は必須。俺は、早々に現実を見ました」

「それで諦めてしまったんですか?」

「俺は、社交の場には出られませんから」

「でも、公爵様。騎士団長になりたかったのでしょう?」


 問いかけると、アルフ様は少しだけ動揺を見せた。


「……それは」

「本当は、そんなことで諦めたくなかったのでは?」


 アルフ様は、ぐっと押し黙った。

 沈黙が私たちの間に落ちる。アルフ様の瞳は、静かに揺れていた。


「……もちろん、そんなことで諦めたくはありませんでした。でも」


 アルフ様は、静かに続けた。


「ちゃんと、事例があった上で諦めました」

「事例……?」


 アルフ様は遠い目で、空に浮かぶ月を見上げた。


「社交界デビューした日のことです。入場で転び、令嬢を巻き込み、テーブルに突っ込み……最後はどこぞの男性の髪を掴んでしまい、ずるっと……」

「ずるっと……!?」

「大丈夫です。地毛ではなかったので、ご安心を」

「なにも大丈夫じゃない……」


 あまりにも可哀想すぎる。いや、たしかに被害は凄まじいのだけれど。


「俺は、剣を持てば誰よりも有能だと自負しています。けれど、剣がなければ……」


 アルフ様は静かに目を伏せた。


「俺に真正面から向き合ってくれる、優しいあなたを……リリシャル嬢を傷つけるかもしれないと思うと、俺は……」


 そっと、私に視線が向く。ここ最近ずっと握り合っている手が、私の頬に添えられた。


 アルフ様の声音は諦めきっていた。「もうやめましょう」と、口に出す寸前だ。

 きっとアルフ様は、ずっとそうやって生きてきたのだろう。失敗して、謝って、距離を置いて。今も、私から距離を置こうとしている。

 でも、本当にそれでいいの? 私はアルフ様が握る剣を見た。剣を持つ時だけ、アルフ様は自由に動けるのだ。


 ――だったら。


「公爵様」

「……はい」

「剣だと思えばいいのでは?」

「……はい?」





 翌日から私は、鎧を着てダンスレッスンに挑んだ。


「そこまでさせて申し訳ない……」

「私も公爵様も傷つかない、最良です!」


 足を踏まれても平気。転がされても痛くない。破かれるスカートがないのだから、なんの懸念もなく集中できる。

 無骨な鎧の装いで、アルフ様は私を剣のように扱ってくれるだろう。最高のアイディアだわ!


 ……と、思ったのだけれど。


「重い……」


 鎧は重かった。

 これまでは私がアルフ様にステップを合わせていたのに、私の動きが遅くなってしまったせいで、逆にアルフ様が私に合わせなければいけなくなってしまった。

 気遣わし気なアルフ様の表情が私の心をグサグサ刺してくる。


「リリシャル嬢、やっぱり鎧は……」

「いいえ、このままで!」


 けれど、私は諦めていなかった。

 鎧を身につけている間、アルフ様のステップは確実に安定していた。私の動きが遅くなったことで、互いの呼吸を合わせる余裕が生まれたのだろう。失敗は成功のもとだ。

 そして、心配すべき問題はそこではない。図ったようなタイミングで顔を出す、アルフ様のドジっ子のほうが問題なのだ。


「アアッ」

「大丈夫! 鎧なので!」


 そうして私たちは時間があれば手を取り、お互いに向き合った。少しずつ鎧を減らし、距離を縮め、時にはドレスを犠牲にしながら根気強くレッスンを続けた。二人で踊る時間を、積み重ねていった。


 やがて――。


「できた……!」


 気づけば、私たちは転ばずに一曲分を踊りきっていた。

 私のドレスはぼろぼろで、やっぱり爪のある獣と踊ってたのかな? という状態ではあったけれど、最後まで踊りきったのだ。

 侍従が震える声で「公爵様が最後まで立ってる……」とつぶやき、使用人たちからは歓声が上がった。


「俺の失敗に呆れず、ここまで付き合ってくれたのはリリシャル嬢がはじめてです」

「公爵様の努力の成果です! やりましたね!」

「ありがとう、リリシャル嬢。俺は、そんなあなたを――」


 しかしそこで、興奮した侍女たちに両腕を掴まれた。


「奥様! 急いで採寸を!」

「本番用のドレスを仕立てませんと!」

「えっ、ちょ、待っ……」


 連行されながらアルフ様を見ると、アルフ様は取り残されたままこちらを見ていた。その口元が、ゆっくりと動く。


 ――あなたを、大切にしたい。


 声は聞こえなかったけれど、そう言われた気がした。


「嬉しそうですね、奥様」

「……そう見える?」

「はい、とても」


 緩む口元は、アルフ様のせいだ。

 胸がくすぐったくて、あたたかい。あんなことを言われては、今までの苦労まで報われる気がした。


「本番はもっと破れにくい生地を選びましょう」

「裾は短めのほうが安全かと」

「予備は五着ほどご用意します」


 そんな私をよそに、採寸している侍女たちからは物騒な会話が聞こえてくる。予備、五着も? 本当に?

 とはいえ、実績がいくつもある。備えはどれだけあってもいいだろうと、優秀な侍女たちにあとの準備を任せた。



 そうして迎えた、王宮でのダンスパーティー当日。

 煌びやかなシャンデリアの光に照らされながら、私は隣のアルフ様を見上げた。


「公爵様、大丈夫です。落ち着いて、練習した通りに踊りましょう」


 ゆるやかな旋律が、会場内に満ちていく。小さく頷いたアルフ様が、私の腰を引き寄せた。


 一歩、足を置く。靴先がぶつからない。

 二歩、足を進める。スカートも無事。

 三歩目で私は、思わず微笑んだ。ちゃんと踊れている。


 アルフ様の足運びは、驚くほど滑らかだった。剣を握る時のように迷いがなく、無駄がない。

 広いフロアを流れるように進み、ターンのたびに銀髪が揺れる。アルフ様はとても綺麗で、こんなにも不安のないダンスに時間を忘れそうになった。


 アルフ様とのダンスが楽しくて、そう思えることが嬉しかった。


「楽しいですね、公爵様」

「……楽しいですね」

「公爵様とのダンスが楽しくて、嬉しいです」

「そんなことを言ってくれる、あなたが素敵です」

「ふふ。アルフ様も、今日は一段と素敵ですよ」


 そのタイミングで、演奏が終わった。

 最後のステップを踏み終えたアルフ様は、信じられないものを見るような顔で私を見下ろしていた。


「リリシャル……」


 アルフ様が何か言いかけたその時、静まり返っていた会場から遅れて拍手が湧き上がった。アルフ様の声が掻き消されてしまい、私はスカートの裾を摘んで優雅に最後の礼をする。

 ちら、と目線をやると、私たちを招いた国王と目が合った。深く頷かれ、私に課せられた任務が成功したことを実感した。


 これで私のお役目は御免だ。というか、社交界にアルフ様を連れてくるだけなら、なんで結婚までさせたのだろう?

 でも、これで借金はチャラになったはずだ。国王様、私、頑張りましたよね……!


 拍手が鳴り止まない中、アルフ様は私にエスコートの手を差し出した。


「アルフ様!」


 そこに突然、鈴のような声が響いた。

 振り向けば、淡い金髪の女性――王女が立っていた。周囲がさっと道を開ける。王女は、優美な足取りでアルフ様に歩み寄った。


「お久しぶりです、アルフ様」

「お、王女殿下……」


 アルフ様の顔がみるみる青ざめていく。目が泳いで、先ほどの緊張は比じゃないほどに強張ってしまっている。

 どういう展開だろう? その場にいる私は蚊帳の外で、野次馬気分で二人を眺めた。


「急に婚姻されたと聞いて、私、とても驚いたんですよ」

「す、すみません……」

「なぜ、知らせてくれなかったのですか?」

「すみません……」

「それよりも、とても素敵なダンスでした。次はぜひ、私と」

「いや、それは……!」


 困り果てるアルフ様。王女もぐいぐいと押しが強い。


「踊れるようになったんでしょう?」

「は、はい……」

「では、私とも」


 そこで、アルフ様が唐突に振り向いた。蚊帳の外にいる私を、懇願の瞳で見つめてくる。私は静かにため息をつき、アルフ様に代わって王女に答えた。


「申し訳ございません、王女殿下。夫は、私とのダンス以外は不慣れなのです」


 王女殿下は私を見ると、一瞬だけ目を細めた。


「なぜ? あなたと踊れるなら、私も……」

「夫と私は、たくさん練習しましたので」


 何度も転んで、何着もドレスを駄目にして、何度も手を取り合って。たくさんの失敗を、二人で積み重ねてきた。

 だからこれは、私たちにしかできないダンスなのだ。


「ご無礼をお許しください。私共は、これで失礼いたします」


 王女殿下に一礼し、アルフ様の腕を取る。そのまま人混みの向こうへ、アルフ様を引っ張った。

 そろそろ、アルフ様の仮面はいつ剥がれてもおかしくない頃だろう。王女からプレッシャーもかけられて、なおさらに危険が迫っているはずだ。さっさと逃げよう。


 その去り際に、アルフ様がぽつりとつぶやいた。


「……俺、嫌われていなかったのでしょうか」

「え?」

「昔、紅茶を浴びせてしまったので」

「……? 何をどうしたら王女様に紅茶を浴びせるんですか?」

「転んだら偶然……」


 偶然で起きる事故じゃない。

 やっぱり、歩く災害なのでは?

 そこで、アルフ様が声を上げた。


「アッ!」


 思いきりつまずいたらしいアルフ様は、あろうことかそこで私のスカートを踏んだ。ダンスでは踏まなかったのに。まさかの、ここで。

 使用人が華やかに仕上げてくれたドレスが、豪快な音を立てて無惨に裂けた。


「すまないすまないすまないすまない……!!」

「大丈夫ですよ、慣れたので……」


 ざわつくパーティー会場。

 王女が、呆然とこちらを見ていた。地面に頭を打ちつける勢いでアルフ様は謝罪している。その姿に、完璧だったダンスの余韻など一瞬で吹き飛んだことだろう。


 呆然とする王女のそばに、国王が近づいた。


「どうだ? お前が認めたがらずにいた、公爵夫人は」

「アルフ様のドジは直っていなかったのですね……」

「お前に、あのドジに向き合う気概はあるか?」

「ありませんわ、お父様」


 即答だった。全部聞こえてるわよ。


「あーあ。昔から、お顔が好みだったのに」


 あー、そういうこと。私はひとり、納得した。

 国王は、ドジっ子アルフ様に大事な姫君を嫁がせたくなかったのだ。だから、早く諦めさせるためにこの場を設けたに違いない。


「成功しても失敗しても、国王様の手のひらの上……」


 これまでの努力はなんだったのかと、私はがっくりと脱力した。





 かくして、突然現れた恋敵騒動は一瞬で消え去り、私たちは無事に婚姻生活を続けることになった。

 私が公爵家と縁を繋いだことで父の商売は一気に安定し、肩代わりしてもらった借金も結局、父が完済したのだとか。


「成功したな! リリシャル!」


 その後、久しぶりに会った父は相変わらず豪快だった。


「私はもう、お父様とは口をききません」

「わははは! アルフ殿、娘をよろしく頼むよ!」


 緊張したアルフ様が、そこで盛大にお茶をぶちまけてカップを割った。


「も、申し訳ありません……!」

「気にするな! 物は壊れるためにある!」


 豪快に笑う父を見たあと、アルフ様はぽつりとつぶやいた。


「あなたの包容力は、父上譲りなのですね」

「えっ」


 不名誉な言葉を私にぶつけたのに、アルフ様はなぜか幸せそうに微笑んだ。



 私はこの婚姻で、いろいろなものを失った。

 主にドレスとか、羞恥心とか。矜持的な部分では、大部分を削がれた気がする。

 けれどその代わりに、アルフ様の愛だけは手に入れた。


「俺にここまで寄り添ってくれるのは、あなただけです」

「そんな、大層なことはしてませんけど……」

「俺にはあなたしかいません。愛しています、リリシャル」


 アルフ様が、私の手を取ろうとしてテーブルの花瓶を倒した。散らばる花と水に慌てふためくアルフ様は、つい今しがた私に愛を囁いていた人だとは思えない。


「す、すまない……!」


 でも、それがいつも通り。変わらぬドジが、アルフ様らしい。


「私も、アルフ様のことを愛しています」


 ……たぶん。これだけ体を張ったのだから、少なくとも私はアルフ様に好意を持っているはず。

 だからきっと、これから先。また、何枚ドレスを駄目にされても、私はこの人の隣で笑っているのだと思う。


「ドジなあなたを、愛しています」




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― 新着の感想 ―
すごいドジっ子ぶり!面白かったです! アルフの奥さんはリリシュルちゃんしかできませんね!
拝読させていただきました。 リリシュル頑張りましたね。 後は幸せになるだけです。
ドジなアルフ、可愛かったですし面白かったです! 元気が出る物語でした!
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