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03「俺みたいなヤツが必要になったら呼んでくれ。必ず来る。」
夜が明け、アポロは旅立ちの支度を整えていた。
「…行くのか」
「あぁ。…あなたには、感謝しかない。」
アポロは頭を下げた後、自分の胸に軽く拳を当てた。
「名だけじゃない、生きる意味の探し方まで貰った。だから、この神官長の言われた「揺らいでしまった魂」の過去を映す破片ピースを探しだし、魂が燃えるような高揚感を得たい。」
オリオンは、並々ならぬその決意に満ちた隻眼を静かに見つめ、ゆっくりと頷いた。
「俺が俺になった時、また来る。それから俺みたいなヤツが必要になったら呼んでくれ。必ず来る。」
オリオンは何も言わず、ただ微笑んだ。
門の前では、セレーネと、エルロン、アルテミス、そしてフィンとエステルが見送りに来ていた。
「アポロさん、これ…お守り」
フィンが差し出したのは、森の木で作った、鳥の彫刻だった。
「…ありがとう」
アポロはそれを受け取ると、最後にエステルに向き直り、その小さな頭を無骨な手でそっと撫でた。
「達者でな、お嬢ちゃん」




