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僕の知らない少女

家に帰る。とりあえず少女を風呂に入れる。その間に考える。どうしよう…このままあの娘をここに置いておくわけには行かない。本当にどうしよう。そんな事を思っていると、少女が出てきた。

「あぁ、名前は何?」

早速これはまずいか?

「ん?私か?名前は…無い…」

ほう。名前が無いのか。すると、テレビの中から琴の音が聞こえる。俺が観ていた番組が変わったらしい。少女が 琴の音に反応する。

「琴の音好きなのか?」

「うん。いい音だろ?」

そうか。こういう古い音が好きなのか。

「君に初めての名前をあげよう」

「いい」

興味ありませんとでも言うように冷たくあしらう。

「まぁそう言わずに。古い音が好きだから、古音なんてどうだ?」

「ココネェ?」

「あぁ。いい名前だろ?」

「私の…名前…」

響いたようだ。

「気に入ったか?」

「ふフンッ。別に何だっていいし。」

はは。なんだ。可愛いな。

「眠くないか?」

「…眠い…」

そっと少女に近づく。

「もともと俺は一人暮らしであいにく布団が1つしかないんだ。悪いがソファーで寝てもらってもいいか?」

ゆっくりソファーを指さす。そのまま古音はソファーに横になる。

「わぁ…なにこれ…気持ちいい…」

「ソファー…だけど、知らないの?」

「うん。いつも硬い物の上で寝てたから。」

そうなのか…

古音はスースーと寝息を立てながら眠りについた。古音の上に掛け布団をかける。そこから考える。パソコンを開く。「子供拾った時の対処法」と調べてみる。

「1.安全な場所に移動させる2.声をかけて話を聞く3.警察 または交番に連絡する4.保護者の連絡先を探す5.一時的に保護する」と出てきた。

「そうか…警察に行くか…」

警察に電話をかける。

「はい。〇〇警察署の滝沢です。何かありましたか?」

「あ、あぁ…いやあの…」

警察と話すのは初めてだ。緊張する。何から話そうか。

「落ち着いて、ゆっくりでいいですよ」

そういう警察の言葉に励まされ、一切を伝える。

「分かりました。道端で小さな子を保護してくだかったのですね。具体的に居ましたか?」

その後は詳細を伝える。良かった。て、おや?電話の担当が変わったぞ?なんだ。ダメだ。本当に俺の娘じゃないって。信じてくれない。最近拾ったことを装って子供を捨てようとする親がいるって言ってたけど関係ないし。全く。古音を見る。スースー寝ている。なんだか幸せそうな顔に見える。視界が歪んでくる。めまいがする。さすがに疲れた。そのまま横になる。目を閉じる。


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