第7話 鋼鉄の壁、現る! 重騎士団の重圧サッカー!
疾風騎士団を打ち破り、辺境中学サッカー部の名は王国中に轟いた。
――だが、それは同時に新たな敵を引き寄せる合図でもあった。
試合から数日後。
健斗とトマトッツはローナルドに呼び出され、学校裏の特設グラウンドへと足を運んでいた。
そこには、見知らぬ巨大な影が待ち構えていた。
ズゥン……ズゥン……。
土を踏みしめる度に大地が震える。
全身を黒鉄の重装甲で覆い、肩幅は健斗の倍はあろうかという巨躯。
「な、なんだあの化け物……!?」
健斗が声を漏らすと、ローナルドは苦々しい顔で呟いた。
「『鉄壁重騎士団』……王国随一の防御と重圧を誇るサッカーチームだ。」
重騎士団――
その名の通り、分厚い鉄板の鎧に身を包んだ騎士たちが、全員で壁のようなフォーメーションを組み、どんな相手の突撃も寄せ付けない。
速さの疾風騎士団とは真逆の、絶対防御の化身。
中央に立つ隊長格の男が、蒸気を吐くような呼吸で言った。
「赤沢健斗、トマトッツ。王都サッカー評議会の命により、貴様らを試しに来た。」
深い鉄仮面の奥の瞳が光る。
「速さで突破し、雷で砕けると思うな。我らの守りは、戦場の城壁にして動く要塞。」
――ドォン。
重騎士が一歩踏み出すたびに地面がめり込む。
健斗は唾を飲んだ。
(速さじゃ通じない……こいつらは一歩も退かない鉄の塊だ……!)
しかし、隣のトマトッツは冷や汗をかきながらも、どこか愉快そうに笑った。
「面白いじゃねぇか。今度は雷だけじゃ足りねぇかもな。」
健斗も笑う。
「壁を越えられなきゃ、ゴールには届かない。だったら、俺たちが超えてやるだけだ!」
鉄壁重騎士団 VS 雷と影のコンビ――
絶対防御を突き破る、さらなる必殺コンビ技が試される。
次なる血みどろのサッカー戦争が、今、幕を開ける――!
つづく