第15話 崩壊する闇、王都からの召喚
黒曜の原野に静寂が戻った。
黒い雲は千切れ、夜空に星が瞬く。
ダグラス・クロウリーは膝をつき、黒い血を吐きながら健斗を見上げていた。
「……勇者の……眼か……。
フフ……だが……遅い……お前が光を取り戻す頃には……すべて……」
言葉の途中で、ダグラスの身体が黒い霧となって崩れ落ちる。
その霧は、苦悶の呻きと共に地面へ吸い込まれ、跡形もなく消えた。
勝利の代償
原野に座り込んだ健斗の肩からは血が滲み、意識が遠のく。
トマトッツが焦って肩を支えた。
「おい健斗! しっかりしろッ!」
フィリスが僧侶の癒しの呪文を唱え、血が止まる。
「……ありがとう……二人とも……」
健斗の右目にはまだ金の光が揺らいでいた。
王都からの使者
その時――
空から純白の光が降り注ぎ、三人を包んだ。
「何だ……?」
光の中から甲冑の騎士たちが現れた。
先頭には、白銀の鎧を纏い、王家の紋章を刻んだ女騎士がいた。
「健斗・アカザワ、王都へ御同行願う。」
厳かに告げられた声に、健斗は息を呑んだ。
「……王都が、俺を……?」
女騎士は小さく頷いた。
「暗黒ストライカーを打ち破った勇者候補として、正式に《勇者団》への参加を要請する。」
それぞれの決意
トマトッツがニヤリと笑った。
「やっとお前も《勇者》かよ。俺様の魔法がなきゃ、すぐ死ぬだろうがな!」
フィリスは肩を竦めつつも、影の奥で笑みを浮かべる。
「どこまでも付き合うさ。お前が勇者として立つ、その日まで。」
健斗は拳を握り締め、右目の奥に確かな力を感じた。
「……行こう。
サッカーで、この世界を変えるために……!」
そして、新たなる旅へ
こうして、
辺境の地で《使えない選手》と呼ばれた少年は、
王都の英雄候補となり――
更なる強敵と、
血と魔法のサッカーの頂点を目指す新たな戦いへと挑むのだった――!
つづく




