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ニューヨークシティーにて、「ニューヨークのオカン」と再会した。彼女はロングヘアを巻き下ろしにして、ワンピースにロングブーツ姿だ。40代くらいで私の母親と同世代かと思うけれど、痛々しいとは全く思わなかった。タイツを履いていたので生脚を出していたわけではなかったけれど。
私たちはニューヨークのオカンにガイドしてもらいながら、ニューヨークシティーを散策する。マンハッタンにあるエンパイアステートビルや、アメリカ同時多発テロが起きたワールドトレードタワーにも行った。ニューヨークのオカンいわく、ワールドトレードタワーではピースサインも笑顔も厳禁とのことだ。多くの命が失われた場所なので当然だろう。ワールドトレードタワー周辺では厳かな気持ちで歩いていた。
それから私たちはニューヨークのオカンとお別れし、バスでジョン・F・ケネディ国際空港に向かう。出国手続きを済ませ、成田空港に飛び立った。いよいよニューヨークとはお別れか、という気持ちだ。恥も多かった日々だけれど、人生初のニューヨークは思い出に残る出来事となった。
福岡空港で両親が出迎えてくれ、ようやく帰ってきたと実感する。私が帰国してからもホストファミリーとはやりとりをしており、あれから10年近く経った今でも毎年クリスマスカードを送り合っている。昨年は送る時期を間違えてしまい、年明けにクリスマスカードが到着したそう。もちろん今年も欠かさずホストファミリーにクリスマスカードを送る予定だけれど、なるべく早めに送ろうと思う。