国家設定 その1
------旧地球
・日本皇国
現実世界と異なる歴史を歩んでいる日本。
第二次世界大戦に敗戦しておらず、中国に変わって5大国の一国として世界的に強い影響力を持つ。東西冷戦が現在でも続いていることから現代を大きく超える軍事力を引き続き保持しており、更に高度経済成長が何度か起きていることから経済力・技術力も現代以上に伸びたのと中国が南北に分断していることもあって今でもアメリカに次ぐ世界第二位のGDPを持つ。
アメリカとは対立していたがイギリスとの同盟関係は維持されており、第二次世界大戦では連合国として参戦している。それ以前の1934年から35年にかけてはアメリカの先制攻撃という形で太平洋戦争を戦っておりアメリカ太平洋艦隊を一時的に壊滅させるなどしていたが、国力の差が大きいことは日本政府も理解しており早期講和をするために様々な外交努力をしてきたがアメリカが応じずに長期戦も覚悟していた。そのさなかに戦争を主導した大統領が急死、穏健派の副大統領が政権を引き継いだことからアメリカと停戦するが正式にアメリカと講和したのは第二次世界大戦後の1943年からであった。
現在ではそのアメリカとは強い同盟関係にあり、中ソに対抗するための西側陣営に属している。極東地域における軍事同盟である「アジア太平洋条約機構」(転医後に太平洋条約機構に名前を変更)をアメリカと共に設立し南中国や朝鮮――東南アジア諸国やオセアニア諸国を仲間に引き入れて強大な軍事力を持つ北中国とソ連に対抗していた。
第二次世界大戦に敗戦していないことから、領土も大きく違っており現実では手放している台湾・樺太・千島列島・南洋諸島は日本領となっている。
そのため、現実日本に比べると比較的多民族国家の様相を持ち樺太にはロシア系住民が、台湾には大陸中国系住民。南洋諸島には先住民のミクロネシア系住民がそれぞれ多数生活しており日本とは違った独自の文化がこれらの地域にはある。
また、これ以外に現実世界には存在しない4つの大きな島が日本列島に属しており北から順に「敷島」「秋津島」「扶桑島」「瑞穂島」といった島が本州の東あるいは南に50km~100kmほどのところにある。
樺太・台湾・南洋諸島には広範な自治権が認められた「自治州」になっており住民が独立を望んだ場合日本政府はそれを認めるという特例が作られているが現在の所これら3州の住民投票はいずれも独立反対派が多数を占めていて現在の所どの地域も日本から独立はしていない。
軍に関しては戦前の時代に軍部の政治への影響力を薄めるために「軍部大臣現役武官制」が第1次世界大戦前に廃止されているため、現実世界よりも軍部の政治への介入は大きく制限された。それでも、一部国粋主義系の軍人たちによる反乱は起きているが、逆にそれによって世論が軍部の政治制限を支持したことから一気にこういった勢力は弱体化することとなった。
また、陸軍と海軍の関係も太平洋戦争中の指揮系統の統一などが行われた結果従来に比べると穏やかなものになった。空軍は第2次世界大戦中の1943年に陸軍航空隊及び海軍地上基地部隊が統合する形で成立しており空軍省が設置されたが、第二次世界大戦後の1946年に陸・海・空軍省は統合され現在まで続く「国防省」となっている。
周辺がソ連と近年軍備を増強している北中国があるということで、軍備に関しては現在でも世界でも有数の規模を有している。常備兵力は陸軍45万、海軍24万、空軍12万、海兵隊7万の約88万人。予備役は40万人であり有事の際には最大で130万人近くの兵力を動員することが出来る。ただ、それでも北中国とソ連双方を相手にするのは厳しいといわれている。
兵役は近年まで存在していたが現在はほぼ志願兵によって軍人は構成されている。ただし、有事の際には徴兵を行うことになっており徴兵リストが国防省によって作成されている。
兵器の国産開発に積極的であるが同盟国であるアメリカとの関係も考慮して一部アメリカ製の兵器も導入している。
転移後は、アトラス連邦と交流を持つなど異世界の国と友好的な付き合いをしている。また新たに隣国となったイギリスとの関係も再度深めているが、引き続きアメリカとの同盟関係も維持されている。他の地域に比べれば平和であるがノルキア帝国による攻撃を受けるなどもしているため、軍の縮小は行わない予定を政府は示しており左派系野党が反発している。
・イギリス連合王国
転移によって、北海道の東に転移してしまったかつての世界大国。
現実と異なり、アイルランド全域が連合王国に留まっていることから正式国名は「グレートブリテンおよびアイルランド連合王国」である。
イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランド・アイルランドという5つの国が同君連合型の単一主権国家を形成しており、イングランド以外の4つには独自の議会と政府を持つ。中央政府は基本的に外交と国防面など一部を管轄し、それ以外は自治政府に移譲されている。これは、各地の独立運動を沈静化させるために第二次世界大戦後の1950年の法改正から続いている。
かつては、全世界に植民地を有する世界帝国であったが二度の世界大戦によって国力が疲弊しかつての植民地であったアメリカに経済・軍事力を抜かれている。それでもヨーロッパはもちろんのこと世界を代表する先進国の一つであり、安保理常任理事国であり、NATOや欧州連合においても主導的な役割を果たしていた。
転移によってヨーロッパから離れたことからヨーロッパから見切りをつけ、日本やアトラスに現在は接近しているが引き続きアメリカとの関係も重視している。NATO及び欧州連合からは転移後一ヶ月ほどで離脱を表明しかわりに「太平洋条約機構」への参加を表明し、更にこの地域における新たな地域連合「太平洋連合」構想を表明するなどこの地域における主導権を握ろうと暗躍している。
軍事力は経済の停滞などや、NATOの加盟などによって世界大戦の時に比べれば縮小されているが、それでもヨーロッパ最大の海軍は健在であり世界を代表する軍事大国であることは変わりない。核保有国であり、核兵器搭載可能な戦略爆撃機や原子力潜水艦を複数運用している。
常備兵力は陸軍16万人、海軍7.4万人、空軍5.6万人のおよそ30万人。予備役を含めた総兵力は40万人ほどである。陸軍は1個軍団をドイツに駐屯させており、それは転移後も変わらない。外征能力がある地上部隊はこのドイツ駐屯の1個軍団のみで、イギリス本土に駐屯しているのは国土防衛を主任務としている部隊が主体となっている。
海軍は、前述の通りヨーロッパ最大規模であり、空母4隻とイージス艦20隻あまりを有しておりヨーロッパではフランスと共に外洋海軍としての能力を維持している。
兵器の国産化には熱心であり、戦車や戦闘機などは国産開発を主軸としていたが近年は開発費の高騰などもあり、他国との共同開発に軸足を移しており転移後は日本とも兵器の共同開発で協力することで一致している。
転移後は早々にヨーロッパに見切りをつけ、日本やアトラスに接近している。
「太平洋連合」構想もその一環であるが、それでもヨーロッパに駐屯している1個軍団を撤退させずにバルカン半島に派遣していたり、更に1個機動艦隊を派遣するなど欧州連合やNATOを脱退していても大国としてヨーロッパへ支援は行っている模様。
・中華連邦共和国
分断中国の南側。旧国名「中華民国」
転移によってユーラシア大陸から分断された「東亜大陸」の大部分を占めている連邦共和制国家。国共内戦に日本やアメリカなどが介入した結果、中華地域は南北に分断することで落ち着き、主に日本やアメリカの支援を受けていた西側陣営の国。当初は、国民党による一党独裁体制であったが1972年に複数政党制が認められた連邦制へ変わる。
連邦制以前は、共産国家の北中国とどっこいと呼ばれた独裁状態であり国内開発も進んでいなかったが、民主化後は欧米や日本からの資本流入によって国内開発が一気に進む。現在では日本、朝鮮と共にアジアを代表する工業国となっており沿岸地域には大規模な工業地帯が形勢されている。
転移によって、対立していた北側が消えたことから陸軍の削減と海軍の増強を決めるなど大規模な軍事改革を実施予定。また、北部には新たな海岸線や平地が出来たことから、その地域の開発も進める予定で予算が組まれている。
転移前は、30万人規模のアメリカ軍が駐屯していたが、これも転移によって北中国の脅威がなくなったことや、アメリカ自身が中米問題に手を付ける必要が出てきたことから転移直後から順次、アメリカへの撤収を行っており1年後にほぼすべての地上部隊が撤収する予定。それでも、アメリカはこの地域で影響力を保持したいと考えていることから空軍や海兵隊などは引き続き駐屯させる方針。
軍事力はアジアでも有数であり特に陸軍はインドや人民解放軍と並んでアジア最大規模。常備戦力は100万人を超え、兵役も実施していた。兵役に関しては転移後に廃止する方向で話はまとまっており、段階的に陸軍の兵力は削減されるが空軍と海軍に関しては今後、増強予定である。
兵器の多くはアメリカや西欧、日本などから購入していたが近年は技術の向上によって兵器の国産開発を進めている。
海軍は、転移前は南シナ海と東シナ海の一部のみを管轄する沿岸海軍だったが、人民解放軍海軍の増強を受けてイージス艦や軽空母の整備を進めた。転移後はさらに中型空母の建造を予定するなどしている。
・オーストラリア連邦共和国
転移によって北半球に移動したオーストラリア大陸の東半分を占める連邦共和制国家。オセアニア最大、南半球屈指の人口と経済力を持つ大国。旧イギリス植民地。
オーストラリア大陸は現実と違い緑豊かな大陸となっており、大陸中央部は山岳地帯になっている。同国が位置する大陸東部は肥沃な土地が広がっていることから植民地初期から農業が盛んであった。
1900年に自治領として半ば独立。1943年に正式にイギリスから独立した。当初はオーストラリア国王を君主とする立憲君主制であったが、1966年に共和制に移行している。アメリカ・イギリス・日本と同盟関係にあり「APTO」の主要加盟国の一つ。
転移によって、北半球へ移動したことから季節が逆転し、農業に深刻な被害を受けたが現在は立て直している。主要産業は農業・鉱業・畜産業・重工業。
オセアニア最大の工業国であり特に沿岸部は大規模な工業地帯が広がる。一方でニュージーランドなどと共に環境保護政策にも熱心な部分がある。
オセアニア最大の軍事力を有する。オセアニア地域は北太平洋地域と違って脅威となる国が存在しなかった一方で、オセアニア諸国は政情が不安定な国も多いことからオーストラリア連邦軍は主に治安維持活動などで派遣されることが多い。それ以外にもアメリカやイギリス主導の戦争に参戦することも多いため海外への軍事派遣は多い。
陸軍は400両ほどの戦車を有し、海軍は2隻の中型空母と8隻のイージス艦を主軸とした2つの機動艦隊を中核にしたオセアニア唯一の外洋海軍であり、空軍は約500機の作戦機を保有する。
転移によって地球時代に比べて周辺環境は平穏ではないことがわかっていることからオージニアやニュージーランドなどと共に軍備増強することを計画しているが予算の都合や野党の反発などもあって具体的な案はまだ出ていない。
・ニュージーランド
転移によって北半球に移動したオセアニアにある立憲君主制国家。
北島と南島という2つの主要な島と周辺に浮かぶ島々を国土としている島国。
旧イギリス植民地であり、1900年にオーストラリアなどと共に自治領となり、1943年に独立する。ニュージーランド国王を元首とする君主制国家だが、国王はイギリス国王であるため代理として総督が置かれており、総督が元首の仕事をこなす「英連邦王国」の一部。
そのため、旧宗主国であるイギリスとの結びつきは現在でも強く、更に隣国のオーストラリアとも密接な関係にある。APTO加盟国であり西側陣営に属するが国防においては独自の考えを持っておりアメリカとは主に核に関して対立していた過去がある。現在でも、原子力動力の軍艦の入港を認めないなど核兵器に関して西側陣営に属する国の中では特に強い拒否感情をもつ。
肥沃な土地が広がっていることから農業や畜産業が盛んであり、同国の主要産業である。更に観光業も主要産業の一つで毎年多くの観光客が各地からやってくる。経済規模はオーストラリアなどには及ばないが、非常に民主的な政治を行う国として国際社会からは高く評価されている。
前述の通り、独自の国防論を持っている。周辺に敵性国家が存在しないという立地から軍備は限定的であり陸・海・空の三軍をあわせた総兵力は1万人ほどである。基本的に諸外国への軍事侵攻には否定的なスタンスをとる一方で戦後の人道支援という形で軍を派遣することは多いため、軍の海外派遣は他の先進国と比較しても多い部類である。
ただ、転移によってその国防論は変わっている。というのも、周辺情勢が転移前に比べて不穏であるためで政府は今後5年間で総兵力を3万人に増やし、廃止していた空軍の戦闘機部隊を復活させることを検討している。
・朝鮮連邦共和国
転移によって島になった「朝鮮島」の全域と周辺にある幾つかの島々を国土とする連邦共和制国家。
現実世界と異なり、南北に分断していない(かわりに中国が南北に分断している)西側陣営の国であり、転移前の極東地域では日本・中華連邦と共に極東の東側陣営を抑える防波堤であった。
日本に併合はされていなかったが、長らく保護国となっていた。1943年に正式に主権国家として独立したが、その後も日本などによる財政支援などを受けているなど独立直後は東アジアの中でも貧しい国だったが中華戦争による好景気で産業が発展。日本に次ぐアジア屈指の工業国へと成長していく。
主要産業は工業・機械産業。特に半導体部門では日本に次ぐ世界第二位の輸出量を誇る。
現実では、日本に対してかなり複雑な感情を持っているがこちらではそれほど日本を敵視はしておらず、関係は比較的良好である。また、領土問題なども存在はしない。逆に、駐屯軍を持つアメリカに対してはやや複雑な感情を持つ国民が多い。
転移前は北中国と国境を接していたことから、中華連邦と共にアメリカ軍が駐屯しており、朝鮮軍事態も陸軍主体の重装備編成を長く維持していた。
転移によって島国になったことから、段階的に陸軍の規模を削減し代わりに海軍の規模を増強することになっており、その第一歩として軽空母にもなる強襲揚陸艦の建造が進められている。中華連邦と同じ沿岸海軍であるが、北中国の弾道ミサイルを警戒する名目でイージス艦を導入していた。
兵器の多くはアメリカ産であるが、近年は国産兵器も増えており更に海外市場へも積極的に参入していた。
・シンガポール
東南アジア・マレー半島の沖合に浮かぶ都市国家。
多民族国家でありアジアを代表する世界都市にして金融センター。元々はマレーシアと共にイギリスから独立したのだが、様々な事情もあり1年ほどでマレーシアから追放される形で独立し、その後はアジア有数の経済発展を遂げ現在に至る。
APTOの本部も置かれており、APTOが発展した「太平洋条約機構」の本部も引き続き置かれている。更に、イギリスが提唱した「太平洋連合」の本部候補にも名乗りをあげている。
都市国家であるが、東南アジア地域で最も近代化された軍備を有している。兵器はアメリカ・日本・フランスなどから購入している。
転移後も引き続き貿易の中継地という役割を持つが、転移前に比べるとその役割は低下しているようで同国は危機感をもっている。
・アイスランド共和国
転移によって北海道の北東に移動した島国。
名前とは裏腹に火山島であり、転移後も活発な火山活動を続けている。人口40万人にも満たない小国。NATOに加盟している一方で、常備軍は有しておらずかわりにNATOのレーダーサイトやアメリカ軍が駐屯していたが、転移あとにアメリカ軍は撤収。かわりに、イギリスと日本が同国の領空及び領海警備を担当することになる。
NATOからは離脱予定でかわりに、PTOに加盟を目指しているが常備軍を有していないことにアトラスなどが懸念を表明したことから急遽常備軍を編成を模索することになる。
とはいっても、人口40万人ほどの小国なのでその戦力は限定的であり、日本やイギリスの力を借り続けるのは変わらない模様。
・オージニア共和国
オーストラリア大陸の西半分を国土とする共和制国家。
イギリス植民地であり、1900年まではオーストラリアの一部であったが現地自治政府の要請によって1900年にオーストラリアから分離し、独立した自治領となる。1944年に共和国として正式に独立。
人口の大半は沿岸部に集中しており、内陸部の人口は希薄。オーストラリア連邦との国境付近は山岳地帯になっている。沿岸部に近い場所は肥沃で農業が盛んであるが、内陸に行くごとに砂漠地帯が広がる。隣国のオーストラリア連邦と共に鉱物資源が豊富であり他国へ積極的に輸出している。
国内には、アメリカ軍のインド洋方面を担当する第7艦隊の司令部が置かれており国防上でアメリカと密接なつながりがあり、それもあってAPTOに加盟していた。PTOにも引き続き加盟しているが、インド洋に面していたこともあり太平洋方面の情勢は半ば人ごとのように思っている。
転移によって、隣接することになったレクトア共和国とはまっさきに友好関係を結んだ。
・タスマニア共和国
オーストラリア大陸の南方に浮かぶタスマニア島を国土とする共和制国家。
1944年にオーストラリア連邦から独立する形で自治領となり、1962年に共和国となる。希少な動植物が多く生息していることで知られており内陸部の大部分は自然保護公園となっている。
主要産業は観光業。国防はオーストラリアに依存している。
------異世界
・アトラス連邦共和国
異世界「アーク」から日本列島の北に転移してきた異世界の国。
連邦共和制国家で全人口の9割が亜人種で構成された「亜人国家」。亜人の内8割ほどを「エルフ」によって構成されている。「亜人国家」の中でも「5大国」に近い国力を持った大国であり、アークを代表する経済大国にして工業国であった。
国土としては、5つの主要な島と4600あまりの島々によって構成された島国であり国土面積は日本の半分ほどの大きさである。人口の大部分は主要5島に居住しており人口密度は日本並。気候なども日本に似た穏やかな四季がある気候であるが、文化などはヨーロッパに近い。
GDPはドイツに匹敵し、一人当たりの所得も日本と同程度という先進国であり、食料自給率も高いといういろいろな部分で恵まれた国。
一方で、転移前は軍事国家「フィデス人民共和国」と半世紀近くにわたって対立しており度々軍事侵攻を受けた歴史を持つ、そのため国民の国防意識は非常に強い。
転移によって、フィデスから離れたがかわりに余計に厄介な亜人迫害を行う「人間主義国家」と対峙する羽目になる。
日本と真っ先に交流を結んだ異世界の国であり、その関係は非常に良好。
シンガポールに本部を置く軍事同盟「太平洋条約機構」にも加盟しており、この地域の集団安全保障体制の一翼を担っている。
元々は王国であり現在も王家が存続しているが君主制は廃止されているので一般人として生活している。ただ、各島には伝統的な首長「長老」と呼ばれる存在があり王家もその一つに組み分けられているが「長老」はあくまで肩書だけで実際になにかの特権があるわけではない。
大統領制に移行したのは200年前。エルフは長命なので君主制時代を知っている国民は非常に多く今でも王政復古を願う「王党派」が存在するが王家自身は再度王位につくことを拒否し、現体制の存続を支持していることから王政復古への盛り上がりはあまりない。
フィデスと対立していたこともあり、軍事力は非常に高く、特に海軍の規模は5大国を上回るのではと評されるほどの規模で、北太平洋地域では日本に次ぐ海軍戦力を有する。
それ以外の陸軍や空軍の規模も大きい。兵器の国内開発も盛んである。国内でAIなどの研究が盛んなことから無人戦車や、無人戦闘機など高いAI開発技術を繁栄した無人兵器の整備に力をいれている。
ちなみに、海兵隊は陸軍に所属しており主に外征戦力として運用されている。
・ノルキア帝国
樺太の北方6000kmほどのところにある島国。
アトラスなどとは異なる世界からこの世界に転移した国であり、転移前の世界では列強の一角として多くの海外領土を有していた。立憲君主制・議院内閣制の民主主義国家だが、数年前に右派ポピュリズム政党が政権をとっており政治が混乱していた。
支持率低迷を打開したい政権と、軍部の一部が周囲の反対を押し切る形で樺太への軍事侵攻を決行。しかし、日本軍の反撃にあい1個艦隊などが壊滅する損害を受ける。状況を打開するために野党勢力が一致し、議会にて内閣不信任決議を提出し、可決したことで右派ポピュリズム政権は崩壊。野党連合による臨時政権が誕生し、日本と講話した。
その後、国交を結んでいるが日本政府からはまだ殆ど信頼されていない。
現在は、野党連合を主体とした政権が国内の立て直しを行っており、PTO加盟なども検討しているが加盟までには相当な時間がかかる模様。
同時に、軍の再整備をすすめており日本・イギリス・アメリカなどから兵器の購入を検討している。
・レクトア共和国
オーストラリア大陸の西方に浮かぶ島国で、獣人族を主体とした亜人国家。
アトラスと同じ異世界「アーク」にあった国で、転移前はアトラスの近くにありアトラスとは友好関係にあった。歴史的な経緯から人間にたいしてあまりいい感情をもっていない。転移後は、隣接しているオージニアと交流し、その縁で日本やアメリカなどとも外交関係を結んでいる。
日本などに対して人間主義に関しての情報提供を行った。
人口は6000万人ほど。島国であるため海軍の規模が大きく、ヘリ空母などを保有している。陸軍の規模は小さいが、獣人は白兵戦に高い能力を持っていることから軍の練度は高いと評価されている。
・ドラネシア王国
アトラスの西方にある島国。
竜人族と呼ばれる亜人が暮らす亜人国家であり、国土の島のほとんどが山岳地帯という険しい自然環境にある国。人口は100万人ほどという小国であるが、鉱物資源が豊富であり竜人族以外にドワーフ族なども少数だが生活している。
他国との交流をそれほど積極的に行わない国であり、アトラスを含めて転移前は20カ国ほどとしか外交関係を結んでいなかった。
アトラスの紹介を受けて日本と交流しているが、それ以外のイギリスやアメリカとの交流は現在のところ保留としている。君主制国家で貴族制度があるなど封建的な部分が色濃く残っているがアークではそういった国も多かったことから特に問題とはされていない。
小国であるものの、主要民族である竜人族は高い身体能力を持っており、なおかつ国土の大部分がほぼ山であることから攻め込まれても容易に占領出来ない環境のため長年独立を保ってきた。
・ガリア帝国
アトラスの北方1万kmほどのところにあるガレア大陸の大部分を国土とする大国。アトラスと同じ異世界「アーク」にあった国であるが、アトラスとは遠く離れた大東洋と呼ばれる地域にあったことから、アトラスとの外交関係はない。
人間主義を掲げる君主国家で、アークにおける超大国の区分「5大国」の一角に名を連ねるが軍事力・経済力は5大国の中で最低である。亜人国家を国家として認めていないことから外交関係を結んでいる国は少ない。同じ5大国の中ではルーシア連邦と関係が深い。
アークに30カ国ほどある「人間主義国家」のリーダー国であるが、ガリア自身はそれほど積極的に亜人を迫害しているわけではない。元々「人間主義」は亜人種の能力を恐れたうえでの自衛によって出来上がった思想だが、現在では「人間は神に選ばれた種族であり亜人は神に選ばれなかった種族」などという偏見からくる差別思想に変化しており、国際社会からは強い非難を受けており世界的に孤立している。
ガリアでは、亜人との関係を見直すことを主張する穏健派と、従来通りの主張を続ける保守派による勢力争いがあり、絶対的な権限を持つ皇家は現在穏健派に属している。
絶対君主制であり、皇帝に強い政治権限を持っているが近年は保守派を中心に皇帝の政治権限を制限しようという動きが広がっている。
・ガゼレア共和国
アトラスの北東4000km地点にある島国。
異世界「アーク」の東部「大東洋地域」にあった国であり、人間主義国家。
ガリア以上に徹底した人間主義が国内に広がっており徹底した亜人迫害が現在も行われている。国の規模としては小国であるが、ひょんなことから資源を求めて隣国であるアトラスに軍事侵攻を行っている。
ガリアの同盟国であるが、ガリアからはその行き過ぎた人間主義思想を懸念されている。
一党独裁国家であり、国家元首は大統領だがその政治権限は非常に小さい。