表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【電子書籍化決定】婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情  作者: やきいもほくほく
拗れた恋の行方は!?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/74

②④

最初の山場を乗り越えたジュリエットは、窓を開けて朝日を浴びながら深呼吸していた。


(私の……ジュリエット・カイネラの新しい人生はここから始まるのよッ!!)


そう思ったものの……本来退場するはずの自分がこの世界に居てもいいのかと朝食のスコーンを食べて、優雅に紅茶を啜りながら疑問に思っていた。

すっかりこの世界の生活に馴染んだ自分の適応能力が怖い。


(これって……悪役令嬢の役割が終わった感じ?)


本来はベルジェの近衛騎士を殺してしまい牢の中に入る『ジュリエット』とは明らかに本編とは違う流れになっている。

ベルジェの側にいた騎士も殺していない。

斧は相変わらず壁に立て掛けてある。

ベルジェの証言のお陰で、マルクルスとの婚約も向こうに非がある形で解消される事となり慰謝料も頂いた。


(……そもそも原作ではルビーとベルジェが何だかんだで結ばれていく内容だった気がするけど)


ここ数日、原作の小説の内容をずっと考えていたが、残念な事にハッキリとは思い出せなかった。

悪役令嬢以外は特に印象に残っていないのは仕方のない事だろう。


(あれだけ沢山、本を読んでいたから……)


仕事のストレスから逃げるように、現実逃避をする為に大量に読み漁っていた本の中の一つだった。


(確か……中盤の悪役令嬢はベルジェの妹、キャロラインだった気がするわ)


中盤の悪役令嬢であるキャロラインは、いかにも『王女』というキャラクターで高飛車で高圧的だった。

国王からドロドロに甘やかされて育った彼女は、我儘で自己中心的。


(キャロラインが好きなのは確かベルジェの友人で……ダメだ!全然、名前が思い出せない……!)


その男は自由奔放で、いうなれば物語の当て馬役である。

キャロラインは幼い頃からずっと想いを寄せていた令息の興味を奪ってしまったルビーが気に入らない事で段々と勃発していくのではなかっただろうか。


(次々と現れるライバル……美人も大変よね~)


あと一人、終盤のラスボス感のある悪役令嬢はねちっこくて頭脳派だった。

キャロラインとジュリエットの派手な行いとは違い、この悪役令嬢は立ち回りは地味ではあるが、やっている事はなかなかにえげつなかったような気がした。


終盤になるにつれて、悪役令嬢がどんどんとレベルアップしていくという印象が強く、肝心なベルジェとルビーのやり取りなどは殆ど記憶にない。

恐らく美男美女が普通に愛を育んでいくのだろう。


そして常にジュリエットの憎しみの対象だったルビーとの仲は以前の二人とは嘘のように良好である。

ヒロインらしく純粋で真っ直ぐなのに強かであるルビーは好感が持てた。


特にルビーに嫉妬する理由もなくなったのだが、上手く距離を取りながら接していた。

相変わらず凄まじい令息ホイホイで超美人ではあるが、それを抜きにすれば、普通に妹を可愛がろうとする普通の姉である事が分かる。


そして自分が勝手に物語を改変した事でベルジェとルビーの恋愛フラグを折ってしまったかと心配していたが、大丈夫だったようだ。

ベルジェは申し訳なさそうにしながらもカイネラ子爵邸に遊びに来るようになった。

それにベルジェの超美形の令嬢ホイホイ具合と、ルビーの令息ホイホイ具合がそっくりでお似合いの二人だと思っていた。


ジュリエットの記憶ではベルジェは『完璧』という文字が似合う雲の上のような存在だったようだ。


(芸能人みたいな感じかな……)


常に令嬢達にはモテモテで簡単に言えばルビーの男版という解釈で間違えていないだろう。

ワインレッド色の髪は上品に横に流しており、ヘーゼル色の瞳は垂れ目のせいか妙に色っぽく見える。

落ち着いた喋り口に勉学も運動も嘘みたいに出来て、性格まで非の打ち所がないというハイスペックな男だが……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ