表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

151/178

第149話  城ホール前で……

 大阪城の夜景を堪能した僕たちは、大阪城ホール経由で帰ることにした。


 大阪城ホールは国内問わず有名アーティスト御用達の、ミュージシャンなら憧れる西の聖地だ。


 当然中に入ることはできないが、折角近くにいるんだから雰囲気だけでも味わいたい。


 僕たちもメジャーになって有名になったら、大阪城ホールでライブができるのだろうか?


 そんな夢みたいな話をしていると足取りも軽やかだった。



 ——大阪城ホールに着くと弾き語りの声が聞こえてきた。ストリートミュージシャンだろうか。


 周辺を見渡すと、大阪城ホールの階段を降りたところにある噴水の前に、人だかりができていた。



「ねえ、ちょっと行ってみる?」


 衣織は興味津々のようだ。


「うん」


 ちょっと待てよ……つか、この声……聴き覚えがある……まさか。


 ビンゴだった。


 木村さんと朝子さんが、アコギ片手にデュオで弾き語りをしていた。


 軽音フェス終わったばかりなのに……恐ろしくタフだ。


 昼間のライブと違いパワフルさは控えめだけれど、朝子さんが所々で入れるハモリとギターの遊びがアクセントになってとても素敵な雰囲気を醸し出していた。


 人だかりが出来るのも納得だ。


「あ」


 木村さんが、こっちに気付いて大きく手を振っている。


 衣織がジト目で僕を見つめていたが、無視するのも失礼なので小さく手を振り返した。


「音無鳴!」


 そしてすごい勢いで走ってきて僕に飛びついてきた。


 衣織の時みたいに転んでしまうことは無く『転んだ拍子にキス』は回避できたのだが……。


 右手が『ラッキータッチ』になっていた。


「おー音無鳴、どこ触ってんだ? ヤル気満々だな」


「ご、ごめんなさい!」


 慌てて離れようとしたけど、無理だった。木村さんにがっしりホールドされているからだ。


 フェスの会場でも思ったけど……なんと言う力だ、全然離れない。


 むしろ無理に離そうとすると、さらにおっぱいを掴んでしまうことになる。しかもスレンダーなのにまあまあ大きい。


「ちょっと、いつまでくっついてるのよ!」


「ん、あなた確か……」


「衣織、窪田衣織よ!」


「そうそう、音無鳴のバンドの歌姫」


 木村さんは話している間も力を弱めない。


「ちょ、絢香マジ早よ離れや!」


「え——っ」


「『え——っ』ちゃうってほんまに!」


「鳴もいつまでくっついてるの!」


 状況を整理すると、僕は女の子に抱きつかれていて、その子のおっぱいを触っている。


 その隣には僕の彼女。


 その反対側の隣には女の子の仲間。



 そして周りもザワつきはじめた。


 どうやら僕は、大阪でも平穏でいられないようだ。


 トコトンラッキースケベ!


 本作が気になる。応援してやってもいいぞって方は、

 ★で評価していただけたりブクマ、感想、レビューを残していただけると非常に嬉しいです。


 よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ラッキースケベ神リ〇さんを超えることはできるのか・・・ 今後に注目ですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ