世界夜 人物・用語解説
[岩東 那月]
本編の主人公。二十歳。女性。
身長165センチ。肩までかかる黒髪。やや気肉質体型。
胸は大きくないが美しさがある。
運動神経抜群で多才。
性格は、子供っぽい一面があるものの、負けず嫌いで努力家。気配りのできるしっかり者でもある。
ある事件をきっかけに大量の魔力を流出させる能力が発現、暴走。
その場にいた7人の大人たちが神になり、人間を超える力を用いて、那月は助けられる。
しかし事態を重くみた人間社会におけるあらゆる治安維持組織から危険視され、殺害による排除が決定。
命を狙われることになる。
那月を匿い助けようと、神になった大人たちが世界夜と居住空間という居場所を創り、夜獣など都市の秩序を乱す存在を滅することで、人間としてただ一人、生きていくことになる。
[七柱の神]
那月のそばでサポートする元人間の神たち。
それぞれ専門的に役割を果たしている。
惣神 女性神。 通称・センセー。 状況をとりまとめ総合的に那月を助ける。上品。
銃神 男性神。 通称・スピール。 銃や那月の戦い方を助言する。紳士的。
呪神 女性神。 通称・ネーサン。 魔法の技術、知識で那月を助ける。クール。
武神 男性神。 通称・シショウ。 武術と那月の身体鍛錬を教示する。豪快。
宅神 男性神。 通称・タクロウ。 居住空間の管理と食事の用意、建物の知識で那月を助ける。平静。
衣神 女性神。 通称・フクサン。 那月の衣服をコーディネートする。元気担当。
商神 男性神。 通称・キンジイ。 神貨の取り扱いと、物品の購入や都市神との交渉をする。気さく。
[夜獣]
人間の心から出る、妬みや憎しみ怒りなどの負の気持ちが集まりできた人型の獣。
行動目的は、その負の気持ちの特濃したものを人間に与え狂わせること。
社会の癌細胞のようなもので、放っておけば増殖し、人間社会の秩序を乱す元凶になる。
「気」の集合体であるが、筋肉や骨格にそった動作をし、肉感もある。
食事を必要とせず、痛覚、疲労もないため24時間フル活動できる。
獅子や狼、ゾウなど様々な個体がいるのは、その時々における人々の隠された不安や恐怖が具現化したからである。
[スピール]
魔法を撃ちだす銃の総称。
那月が使用しているスピールは、銃神が人間だった頃に使用していたもので、拳銃の回転式と自動を合わせたような形状をしている。
これにより通常の実弾も発砲できるほか、マガジン部分に属性を付与したものを装填するなどによって応用範囲が広い使い方ができる。
例えば、炎属性のマガジンを装填し、通常弾を灼熱の弾丸として放ったり、火炎魔法を増幅・強化する、などである。
形はユーザーの使用目的によって多種多様にあり、7話で那月が使用しているトリガーとグリップだけの物もある。
ちなみに、銃神の通称と同じなのは、那月が扱う銃はスピールだけという単純なところからきている。
[効果筒]
あるガンスミスが開発した薬莢大の魔法金属に呪文や呪紋を刻印し、既存の銃に魔力を込めて引き金を引くだけで魔法が使えるようにした筒状の物。
常人の魔力量では1~2度の使用で底をつき気を失うため、魔力を充填した物を身に着けたり、銃に付けたりして使用するのが一般的。
[聖銀製]
魔法金属の一種を用いて作られた物。霊体など実態を持たないものや魔法そのものを攻撃したりするときなどに使用される。
また、魔力の質が非物理への影響強化に変わるため、効果筒にもよく使われる。
[世界夜]
那月が生きていけるように七柱の神が形づくった夜だけの街。
現実そのままであるが、精神世界であるため、生身の那月はそこに居る人々と会話はおろか視認さえされない。
また精神世界ゆえに、負の感情も存在し、夜獣という形で街を歩いているが、それは人々の内なる心なので那月同様、この世界の人々は視認できない。
都市神の管轄範囲であり、夜獣を含めた都市を脅かすものを排除することを条件に、那月の存在を許してもらっている。
常に夜なのは、外部世界から那月を隠す幕のような効果をねらったからである。
[居住空間]
世界夜と現実世界との間にある、那月の住む生活空間。
マンションの一室のような内部だけがあり、外という観念がない。
飾り付けなども自由にできるのだが、那月の意向で余分のない質素なものになっている。
家具家電などは、商神が家具神、家電神などから神貨を支払って手に入れた物である。
電気や水道なども、それを担当する神に神貨を支払っている。
食事や衣服も、宅神や衣神が選択するが、その後は商神が神貨を使って都市内にいる他の神から届けられている。
[都市神]
人間が住む都市を守る神の総称。
本編では、那月が住んでいた地方都市を受け持つ神を指す。
[神貨]
神々との間で取り扱われている通貨。本編では1神貨1円の計算になっている。
[魔揺]
那月が命を捨てでも成し遂げようとした際や危機的状況時に起きる暴走状態。
あらゆる世界と繋がり生きている限り、一方的に大量の魔力を放つ。
純粋で濃い魔力は呪文を必要とせず、那月の思うがままにできる。
5話にて破損した車両を修復したのが、その例である。
ただし制御するのに、精神を分けたもう一人の自分を生み出し続けて対処しているため、やがては洪水のように流れ出る魔力量に一個人の精神ではを抑えきれず、自我を失ってしまう。
そうなってしまうと那月を中心に地球規模で魔力が広がり、大量の魔力を浴びた生物は意識を消され霊的な死を迎えることになる。
現時点では那月の意思で止められないため、七柱の神が那月をいったん仮死状態にし、他世界との繋がりを断ち切る事で流入する魔力を止め、対応している。
[探理官]
銃神と呪神が人間のときに就いていた職業。
銃刀使用、魔法使用、殺人の許可証をもち、魔法などに関した犯罪に対処する。
国の費用で運営されている組織の所属であるが、独立した行動が可能であり、能力と才能をもった僅かな者にしかなれない。