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第8話 地下模擬訓練

「地下で地下模擬訓練を行います。皆さんは私についてきてください」


地下室は東京ドーム20個分の広さがあり、所々に土の柱が立っている。この場所に最新技術を使って立体映像で背景を作ることができる。その地下室に移動するのだが、100人での大移動になるので、2列で廊下の端っこを歩きながら向かう。こういったのも規律を守る訓練の一つだ。


「では、先ほど渡した紙を見て、リーダーは私のところにプレートとゼッケンを取りに来てください」


A〜Tまでのプレート1個とゼッケンを人数分リーダーに渡す。


「紙を見ながら配置場所に立ってプレートを掲げて待ってください。来た人にこのゼッケンを渡して着させてください。これを着ている人たちがチームとして守るべき者たちです。あと一定のダメージを食らうと赤く光ります。即ち死ぬと言う事です。それの説明もお願いします。しっかり顔と名前をこの2日間で覚えてください」


リーダーに選ばれた者たちは総合点の1〜20位の者たちだ。チーム分けは戦力が均等になるように分けてある。一部瞬発力チームや筋力チームや剣部隊など、特殊なチームも存在する。


「では、残りの方達はプレートを見て自分のチームに行ってください。メンバーが揃ったチームはプレートを下ろしてください」


プレートが次々に下りていく。


「全部下がりましたので、今から模擬戦を開始します。お願いします」


すると何もなかった無機質な地下室草原が広がる。両端には森がある。ここが戦場になる場所の立体映像だ。土の柱には木の映像写っているため本物の木を同じように遮蔽物として使える。風もどこかしらから吹き荒れる。勇者役を買ってくれたのは魔王城で1番強いとされているデュラハンである。勇者パーティ5人足した強さだ。そして山田は高い柱で全体が見渡せる場所に座る。


「では、戦闘を開始するッ!」


パーン!


銃声がした。それを合図に一斉に雄叫びをあげながらデュラハンに攻撃しにいく。100人が一斉に襲いかかるが、デュラハンは物ともせずに木剣でバッサバッサと倒していく。ものの10分足らずで100人のゼッケンが赤くなる。


「1回目の模擬戦終了。一度こちらにあつまってくださぁい!」


山田がメガホンを使って大声で叫ぶ。


全員集まると意見交換を始めた。


「今の戦いの反省点を各班まとめてください。5分後にリーダーに発表してもらいます」


ざわざわしている。そもそも負けて帰ってきたことがないのである。【負け=死】だからだ。初めての負けて生きていることに対して驚きを隠せないのだ。


「5分たちましたので、反省点を各班順番に発表してください」


答えは全員一致の反省点はない!なぜなら全力で立ち向かって負けたのだからそれで反省するということは自分に負けたことになると思っているのだ。


「分かりました。じゃあこうしましょう。ポイント制にして、最後まで生き残ったチームに20点最初に負けたチームに1点です。時間制限が10分間でいきます。それでは各班配置についてください。配置についたら始めます」


パーン!


2回目の模擬戦が始まった。各チーム生き残るために様子を伺っている。するとデュラハンがしびれを切らして1つのチームに襲いかかる。すると襲われたチームは逃げてしまった。生き残ってポイントを稼ぐためだ。


(ポイント制にしたのは間違えではないがやり方を間違えたな。次は攻撃した回数と生き残りメンバーにしてみよう)


2回目の模擬戦が終わり反省会をした。


「皆さん逃げ回ってるだけで攻撃をしようとしないっ。そんなんで勝てるでしょうか?次は攻撃回数と生き残り人数をポイント制にします。制限時間は10分間ですのでしっかりポイントを稼いでください」


蜘蛛の魔物に連絡を取り、10名にきてもらった。

各チームの攻撃回数を見てもらうためだ。蜘蛛の魔物は何個もの情報を見て処理するスキルを持っているので、1人に2チーム見てもらう。


「3回目の模擬戦を開始します」


パーン!


最初は様子を見る。1つのチームがデュラハンの後ろに回るため移動を開始する。それを見た他のチームも移動を開始する。結果デュラハンを囲む陣形になった。すると後ろに回ったチームの1人が攻撃を仕掛ける。


「あまいっ」


デュラハンが振り返りながら剣を振り、ゼッケンが赤くなり倒れる。すると後ろに隠れてついてきた1人が攻撃を仕掛ける。デュラハンは下段から上段に剣を振りもう1人も倒す。


別チームが5人まとめて攻撃を仕掛けてきた。デュラハンは5人まとめて薙ぎ払い5人のゼッケンが赤くなる。


今度は剣チームが連携を取り、まとめて攻撃を仕掛けてきた。10人でデュラハンを囲み一斉に上段から攻撃を繰り出す。。デュラハンは攻撃のタイミングでしゃがみ全てを受け止めた。すると別の1人がジャンプして受けてめられた木剣の上に飛び込もうとした瞬間デュラハンは10人の剣を弾き返し飛び込んで来た者を突きで倒す。


(少しずつではあるが、連携をとってきたな)


そして10分が経過した。


「皆さんお疲れ様です。少しずつですが良くなってきてます。特に連携した部分はとても良かったですね」


「あのぉ1つだけいいでしょうか?」


「なんでしょうか?」


「1つのチームが5人って決めるのじゃなくて、10人と5人のチームを作るのはどうでしょうか?例えば10人チームを8個と5人チームを4個とかです。剣チームを見ていて10人の方がいいなと思いました。5人20チームだと場所が離れていて連携を取るとなるとかなり大変だなと」


(たしかに言われてみればそうかもしれない)


「1度陣形を調整しますね。その間は休憩にします。ご飯を準備してます。食べてしっかり休んでください」


陣形の再編成を行う。こんな意見はこっちとしては喜ばしい事だ。なぜなら現場の声を言ってもらえるとこちらとしても何が現場で起きているのかが分かりやすいからだ。


(50人チーム1個と10人チーム4個と5人チーム2個とかどうだろう。真ん中に50人チームで次に10人チーム一番端に5人チームで5人チームは遊撃兵として瞬発力チームを置いて、、、これでいこう)


休憩終了後、陣形の説明をする。


「新しい陣形を考えました。紙に書いてますので、見ながら再度チームごとに分かれてください」


チームに分かれてから陣形の説明をする。


50人チームが一斉に勇者に攻撃する

この時にパーティを5人バラバラにする

↓その隙に遊撃チームは森に隠れる

10人チームで勇者以外の4人・50人チームで勇者を相手にする

遊撃チームは隠れて様子を見つつチャンスが来たら1人ずつ自慢の瞬発力を使って不意打ちで倒していく。


「10人チームと50人チームで勇者パーティを倒せたらいいんだけど保険として瞬発力チームは隠れといてください。仮に不意打ちが失敗しても、すぐに隠れて次の機会を待ってください。それだけでいつ来るかわからない分脅威になります」


10回模擬戦を行い、陣形を調整してしながら微調整しながら進めていく。するとデュラハンに少しずつ攻撃が当たるようになってきた。


(みんなだいぶ疲れてきてるな。今日はこれぐらいにして、明日再度確認だ。)


「今日はここまでにします。明日再度午前中に確認を行い、午後からはしっかり体を休めて下さい。」


そして2日目の調整を終わり、いよいよ勇者パーティが目的地付近の村に着いたと報告が石田さんからきた。


「目的地までの移動は勇者パーティにバレないように速やかに行います。ではしっかり勇者パーティを討伐しましょう!」

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