第7話 勇者討伐部隊結成!
「まずは本をしっかり読もう!」
魔王城の書庫に行ってみる。そこには膨大な量の本が並んでいた。
「何メートルあるんだよー!ここから本を探すのは大変だなぁ、」
とりあえず受付に行き欲しい本を伝えてみることにした。
「人材育成の本ってどの辺にありますか?」
「少々お待ちください。」
受付の魔物のお姉さんがパソコンで調べてくれる。パソコンの中にはここにある膨大な本のデータと場所が全て入っているのだ。
「あいにくそのジャンルの本はありませんね。本屋さんが近くにあるので、そちらに行ってみては如何でしょうか?地図をお渡ししますね。」
「分かりました。ありがとうございます。」
外出届を出して、地図を見ながら本屋を目指す。歩いて10分と書いていたので、意外に近い。俺は魔王城からあまり外に出れないので、外出は久しぶりで楽しい。本屋に着きビジネス書コーナーを目指して歩く。
「色々あるな。何が良いのだろうか?PDCA?OODAループ?メモのやり方?初めてトレーニングするあなたに?どれが良いか全く分からない!とりあえず一冊適当に買っていこう!」
とりあえずOODAループの本を買って魔王城に帰る。帰宅届けを出して、自分のデスクに座って買ってきた本を読む。
「なになに?OODAループとは、軍事戦略家の人が考えた意思決定方法なのか。【O観察O仮説構築D意思決定A実行】の4ステップで構築されているのか、、これは使えるかもしれない。」
①Observe 観察
勇者はまた魔物をいっぱい倒してお金を貯めている。
お金を貯める時は大体装備を揃えることが多い
②Orient 仮説構築
いつも装備が揃い終わったら次の村に来る確率が高い。
③Decide 意思決定
次の日村に来て欲しくないから、村と村の間に強いモンスターをいっぱい配置しておこう。
④Act 実行
強い魔物がいないから魔物を育て配置する
「そうと決まれば!情報収集を石田さんに任せて、いつもの感じだとお金が貯まるのが1ヶ月ぐらいかかるから、それまでにトレーニングして、魔物を育てよう!明日から本格的にスタートだ!」
次の日、魔物たち1,000人集めた。
ここから選抜して100人選抜して勇者を倒す!まずは【体力測定】
種目は次の7種目
①50メートル走
②握力
③反復横跳び
④砲丸投げ
⑤立ち幅跳び
⑥上体起こし
⑦長座体前屈
総合得点上位500人までを次の段階に進める。記録係はデータ入力の申し子田中さんにやってもらう。皆んな初めての経験だが選ばれたいので、一生懸命する。種族によって得意不得意が出てくるが、そこは総合得点にするので大丈夫だ!これには2日間かかった。データを見て上位500名に連絡を取り次の試験の連絡を行う。
次の試験は【総当たり戦】そこで上位100人を選別する。1人あたり499戦する体力と戦闘能力を確認する。勇者パーティとの戦いは激しいものになるからそれぐらいしても少ないと感じた。この総当たり戦1日10個のステージを使って合計100試合を5日間行う。勇者との戦いはは1日で終わるとは限らないため連日戦えるかの確認も行う。。
無事に1週間かけて100人まで選別することが出来た。ここから最強の軍団に育て上げるのだが、山田は非戦闘タイプなので、漫画やアニメで見た事を元にメニューを考える。
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①腕立て・腹筋・背筋100×3セット
②坂道ダッシュ50本
③2人ペア組手 60分
④縄跳び 30分
⑤毎日10キロのマラソン
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
100人に選ばれた魔物はこれから仕事をせずに毎日トレーニングだ!もちろん給料は発生するが半分に減給される。仕事をしてないので、当然だと会社は思っている。勇者を倒すことができたら毎月よ月給がプラス30万される。100人も理解して挑んでいる。そしてお金よりも名誉のために戦っているか。
毎週の会議で魔王に進捗具合を提出している。
そして最期の2日になった時に石田さんから勇者がお金を貯め終わって次の村に移動していると報告が入った。
「今日から2日間は模擬戦闘。まず、みんなに言うことは死ぬ事を恐れないで欲しい。あとは5人20チームで配置について欲しい。チーム分けとチームリーダーと配置場所はこの資料を見てください。」
山田は資料を配った。配り終わった頃合いを見てまた話し出す。
「目標は勇者パーティを倒す事しかないです。最悪追い返す事です!戦っているのは皆んなです!わざわざ本部の人の指示なんて聞かなくても良い!各チームのリーダーが現場で考えて動いた方が早いのだ!大事なのは各自が考えて最善の動きをする事。周りをしっかり見てこうした方が良いを現場で考えて動いてください!」
会場の100人が固まっている。今までは言われて突撃して死んでいく仲間しか見たことがない。それをみんなに考えて動けと言う人が現れた。今までにないタイプの上司に動揺が隠せない。
「そんなこと俺たちに出来るわけがない!」
「俺たちは言われた通りに動くよ!」
「上司が仕事したくないだけだろ!」
何名かが声をあげた。もっともな意見だと思う。ただし山田にはみんなができると思っている。
「例えばの話をしましょう。各チームが不利な状況になり、本部の指示を聴きたいとします。一度本部との伝令に現状報告をして、その伝令が本部に着くまで3時間、伝令が本部に話して指示をもらうのに10分、本部から皆さんのところに戻るのに3時間、どうですか?今指示が欲しいのに6時間以上の時間がかかるんですよ?そんなの状況が変わってますよね?そして伝令が3時間の間に死ぬかもしれない!言う事を忘れるかもしれない!そんな状況です!待てるのでしょうか?」
100人がざわざわし始めた。
「私は皆さんなら出来ると確信しております。その為に地下に模擬戦闘場所を急遽作ってもらいました。戦闘場所と勇者パーティの動きを完全再現できるシステムを作ってもらいました。もちろん死なないぐらいのダメージを受けるシステムもあります。死んだらわかる仕組みも作ってもらいました。」
魔王城にできないことはない。そんなシステムを作るのは朝飯前なのである。ただし作ってくれたみんなは3週間はほとんど寝ていない!それぐらいこのプロジェクトにかけているのだ!
「今から地下に向かいます!皆さん!やってやりましょー!」
「おーーーー!」
「勇者なんてぶっ殺してやる!」
「俺たちなら出来るぞー!」
100人が各々騒ぎ出す!
そして地下に模擬戦のために向かう。
それはまた別のおはなし!
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山田はリーダーシップを手に入れた。