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DayMons  作者: 白井よる
4/4

戦闘

「それで、これからどうするんですかぁ?」

とカーマが聞いてくるが、実はまだ江崎は何も決めていない。

ーん〜どうしょっかな、生き延びるのに必死で何も考えていなかった。それに電車は使えないだろうから、

家にも戻れないし。

あとは…学校かなぁ?

でもカーマは見た目からして完全に悪魔だ。

学校なんかに行ったら絶対大騒ぎになる。

それに学校に生存者がいるとは限らない。

そうだな取りあえず………服かな?


「カーマ、お前ってさその見た目どうにか出来ないのか?服を着せて隠そうとも思ったけど

お前の体、異常すぎて服なんか着れないだろ?」

そう江崎が問いかけると。


「出来ますよ、私の体はいわば押入れのようなぁものです。どういう事かと言いますと、

悪魔は全員何らかの能力を持っています。

例えば《力を倍増させる》とか《物を浮かせる》みたいな、言うなぁれば《超能力》です。

そして私の悪魔としての能力は

《生物を生死問わずに体に収納できる。》

という能力です。そぉして収納した生物の能力の一部を取り込む事が出来るのです。

でも悪魔の持つ《能力》は取り込めないですよ。

あと生死問わずって言いましたが、生きている場合は相手との合意がなぁいとだめなぁんですよぉ。」


ーなるほど、じゃあカーマの体に埋まってる手とかは

その能力で収納した物って事か。

でもそれなら何で手とか口とか目が体に埋まってるんだ?


そんな江崎の疑問が分かったのか、カーマはその問いに対する答えを述べた。


「話はまだ終わってませんよぉ、どうして体に埋まってるかって言うと、単純な事でぇす。

私の体は押入れだと言いましたよね?

ジュンはよく使う物をわざわざ押入れにしまいますか?違いますよね?

押入れから出しっぱなしにしますよね?

つまりそういう事です。」


ーなるほど、これで服に関しては問題なしだな。

だけどカーマの話の中には1つ決定的な間違いがある


「カーマ……俺はよく使う物も押入れに入れる派だ」


ーそうだ、カーマめ、俺を面倒臭がりな奴だと思うだなんて、失敬しちゃうわ!


「じゃあ私はそこら辺の遺体から丁度いい服を取って来るので、さよぉうなら。」


ー何だか、カーマがこのまま帰ってこないような気がする。何故だろう?俺何か変なこと言ったかな?


そんなことを思っていると少しするとカーマが戻ってきて、赤い柄の剣を手渡しながらこう言った。


「忘れていまぁした。

貴方にこの剣を渡しておきまぁすね。それと…悪魔の中にも弱い奴はいまぁす。

ジュンのような貧弱な人間でも死ぬ気で戦えば勝てるかもしれまぁせんよ。ではまた後で。」


そう言うと今度こそカーマは去って行った。


ーふぅ〜 多分まだ1時間も経ってないと思うけど、

人生10年分くらい生きた気がする。

よく頑張ったよ俺。

あ、あれそう思うと何か気が抜け…てき…た………。


目をくり抜いたり、悪魔と死ぬ気の交渉をしたり、

色々ありすぎたせいか江崎は倒れて気絶してしまった。



***


「人…を発…。コ…より……を開……する」

何だか聞きなれない声が聞こえてくる。


起き上がろうとするが、

目をくり抜いた疲労からか体が思うように動けない。


とりあえず目を開けたが、そこにいたのは、

蜘蛛のような下半身に、

トカゲのような上半身を持った……悪魔だった。


すると悪魔が何かを飛ばしたかと思うと、

肩に鋭い痛みが走った。


「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

江崎の叫びが薄暗い路地に響き渡る。


ー痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!


激痛を訴える体を何とか起き上がらせて、

横に置いてある剣を手に取り、剣を体の前に構える。


「お前は話が通じる悪魔って感じじゃないな」


「だ…れ……てや…こ…やろ…殺す。」


その悪魔は何らかの言葉を発しているが、

ほとんど意味は分からない。


江崎は寝起きの頭を回転させ、どうやってこの状況を脱出するか考える。


ー考えろ、どうやったらコイツに勝てる⁉︎

さっきの攻撃は遠距離攻撃で威力はかなり強い、

遠距離だと何の飛び道具も無い俺が圧倒的に不利。

それなら…近寄るしかない!


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

肩の痛みを紛らわす為に叫びながら悪魔に向かって

突進する。


「こ…や……殺し…やる!」

そんな江崎に向かって、悪魔は大きく口を開いた。


ー そういえば、さっきも遠距離攻撃をする前に

コイツは口を開いていた!

てことは……またあの攻撃が来る!


そう思った江崎は咄嗟に体を伏せる。

伏せている江崎の上を何かが高速で飛んでいく。

それは細い線のようだった。


ー何だあの線は⁉︎口から出る細い線……もしかしてアレは舌か!

アイツは自分の舌を伸ばして攻撃しているのか!

原理が分かっていれば、そんな攻撃、

避けるのも容易い!


そう思った江崎は悪魔の方に走って剣を振りかぶる。

「おらぁぁぁぁぁぁ!!」

悪魔は咄嗟に腕で体を守るが、江崎の振った剣は

腕ごと体を切った。


ー 浅い!だけど、

これなら俺にも勝てるかもしれない!


だが、江崎の認識は甘かった。

江崎がもう一度剣を振ろうとすると、

悪魔は切られていない右腕を振りかぶった。

その攻撃は江崎の腹へと直撃した。


江崎は腹部に強い衝撃を受けて、吹き飛んだ。

そして、そのまま江崎は壁に激突した。


「ーっっ!グハッ!」

ーこれはマジでやばい。

完全に骨が折れてる…息できなくて死ぬかと思った。

腕切られたのに何で直ぐに反撃できるんだよ!

あー、もう無理だな。

あんな奴に人間が勝てるわけ無いだろ


だが、江崎に戦う意志など無くとも悪魔は無情にも

トドメを刺そうと、その口を開けた。


江崎にはその動作がとてもゆっくりに感じられた。


ーあぁ、これが走馬灯的なやつか。

俺、あんなに頑張ってカーマと交渉したのに、

こんなとこで死ぬのか。

何でカーマ来ないんだよ!俺もう死んじゃうよー?

早く来いよー!


死ぬ時まで他人のせいにする自分に嫌気が差す。

カーマ……結構いい奴だったな。


何か凄く切れる剣くれたし。


やっぱりまだ死にたくない。

彼女もできてないのに死にたくない。


よしっ!生きるか!

悪魔と仲間になれた俺に不可能なんて無い!


そう江崎が覚悟を決めた瞬間、ゆっくりだった時間が急速に進み始めた。


グシュ!

肉を貫く音が聞こえると、江崎の左肩に痛みが走る。


「ぐっ!痛てぇ、けどまだ死んで無い!」

そう言うと江崎は悪魔の舌を左腕で掴むと、

右腕に持った剣で悪魔の舌を切り裂く。


「グギャアァァァァァァ!!」

舌を切られた悪魔は耳をつんざくような悲鳴を上げた


「流石の悪魔も舌をちょん切られたら痛いのかぁ

よーし!ウォーミングアップは終わったから、

こっからが本番だぜ!」

と江崎が覚悟を決めて言った直後。


悪魔は……背を向けて逃げ出した。

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